メイクと眼鏡の実験でわかる顔の印象の違いって?

メイクや眼鏡で顔の印象が変わる人も多いようです。そうした印象の変化にかんする2つの心理実験を紹介しましょう。

  1. 厚化粧の人がスッピンになる衝撃は?
  2. 自分らしさは薄化粧でアピール
  3. 知的に見せたいなら眼鏡!

厚化粧の人がスッピンになる衝撃は?

よく厚化粧の人がスッピンだとわからないといった話を耳にします。実際、ネットなどには「詐欺メイク」と呼ばれる、別人に化けるメイクの過程が紹介され、その変貌ぶりが人気となっています。

それでは化粧の有無は、人物の特定にどのような影響を及ぼすのでしょうか? 心理実験から解説していきます。

国立研究開発法人理化学研究所の研究員である上田彩子さんが書いた『メイキャップの顔認識に及ぼす影響』には、ノーメイク・薄化粧・厚化粧をした人が同一人物かどうかを判断した実験が紹介されています。

実験参加者は、ノーメイクの後に厚化粧を提示されたり、厚化粧の後にノーメイクを見せたりして、同一人物かをなるべく早く判断するように指示されました。もちろんノーメイクの写真と厚化粧の写真が別人の場合もあります。

その結果、厚化粧の写真の後にノーメイクの写真を見せたときよりも、ノーメイクの写真を見た後に厚化粧の写真を見た方が同一人物だと判断するのに時間がかかったのです。

つまり同一人物かがわかりにくいパターンは、「厚化粧→ノーメイク」ではなく、「ノーメイク→厚化粧」というパターンだったことがわかったわけです。いつもスッピンだった人のバッチリメイクにドッキリしたといった心理は、この実験結果から見れば当然のことなのかもしれません。

逆にいつもバッチリメイクだったのにスッピンを見られたという事態は、当人が感じているほど重大問題ではないのかもしれません。バッチリメイクから素顔を想像することは、それほど難しくなかったからです。

自分らしさは薄化粧でアピール

じつは、この研究では、ノーメイクを見た後に、薄化粧を見た時の反応が最も早く、正答率も高かったことがわかっています。面白いのは、なぜこのようなことが起きたのかという分析です。

どうやら薄化粧はしみやそばかすなどの部分的に目立つ要素を消すため、個人の特徴が適度に強調される傾向にあるというのです。つまり薄化粧は、本人らしさの程度が上がるということらしい。

薄化粧が個人の特徴を浮きだたせることは、対人戦略として知っておいた方がいいかもしれません。化粧を厚くすれば、自分らしさからは遠ざかっていきます。つまり「ギャルらしいメイク」とか、「モデルっぽいメイク」など、コスプレのように、自分らしさを少なくしていき、特定の集団に顔を寄せることもできるというわけです。

逆に自分らしさを出したいなら、薄化粧でアピールする方法が良いのではないでしょうか。

知的に見せたいなら眼鏡!

顔の印象を変えるという意味では、眼鏡もその1つでしょう。

2011年にスイスの心理学誌に掲載されたウィーン大学のレーダー教授の論文「眼鏡が顔の印象に与える影響」によって、眼鏡の有無でかなり印象が左右されることがわかったのです。

同一事物の眼鏡なし、ふちなし眼鏡、ふちあり眼鏡の3パターンを用意して実験参加者に見せたところ、「成功している感じ」「知的さ」はふち有無にかかわらず眼鏡をかけている人に強く感じたのです。また「好きになれる程度」は、ふちなし眼鏡が最も強く感じることがわかったのです。

つまりインテリに見せたいなら、眼鏡をかけた方がいいようなのです。ただし親しみやすさが犠牲になってしまうこともわかっているので、眼鏡を外した状態で知り合い、知的な自分をアピールするときは眼鏡をかける。そんな戦略が眼鏡についえは成り立ちそうです。

参考:

『脳がシビれる心理学』(妹尾武治 著/実業之日本社)

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