自信を持って積極的に生きるためにはどうしたらいいのか?そんな思いを抱えている人は少なくないでしょう。その答えはいくつもあるのですが、今回はちょっと変わった論点「責任感」から解説していきます。
- 「誰も助けてはくれない」と悟る
- 自分のできることは必ずある!
- 責任を持っていない領域を探す
「誰も助けてはくれない」と悟る
自己評価が高い人は責任感が強いと聞いて、ピンとこない人もいるかもしれません。実際、責任感は強いのに、自分の行動に自信を持てなくて、逆に責任感で押しつぶされそうな人を見たこともあるのでないでしょうか。
しかし米国の臨床心理学者であるナサニエル・ブランデンは、『自信を育てる心理学』(春秋社)の中で次のように書いています。
「サイコセラピー(心理療法)のなかでもっとも急激な変化が起こるのは、人が『助けに来てくれる人は誰もいないのだ』と感じた時です」
つまり責任感が強いといったレベルではなく、自分で突破するしかないという覚悟まで持つことで、人は自信を持てるということでしょう。他人を当てにしないで、自分で生き始めるからこそ自己評価が高まっていくのだそうです。
自分の人生に責任を持っていれば、自分の夢に向けても猛然と走りだし、誰かが助けてくれるのを待ち続けることもありません。そう考えると、自分の人生に責任を持つことは、自信を持って生きていくための重要なポイントといえそうです。
自分のできることは必ずある!
さて、どんな分野で責任を持つことが必要なのでしょうか?
『自信を育てる心理学』(春秋社)では、次のように列挙しています。おそらく意外なものもあると思うので、少し長いですが引用してみましょう。
・私は自分の選択と行動に責任がある。
・私は自分の時間の使い方に責任がある。
・私はどんな意識で自分の仕事に向かうかに責任がある。
・私は自分の身体を大切にすることに責任がある。
・私は、ある人とつきあうかつきあわないかの選択に責任がある。
・私はほかの人々への接し方に責任がある。
・私は、自分の存在に意味を与えるか与えないかに責任がある。
・私は、自分の幸せに責任がある。
・私は、自分の人生に責任がある。
どうでしょうか?
こんなにも責任を持つ範囲があるのかと感じたのではないでしょうか。責任を持って考えられるようになると、
「『どうしてわたしはこんなに受け身なのだろう?』とぐちをこぼすのではなく、『どうしてわたしは自分をこんなに受け身にさせているのだろう?』と」考えるようになるそうです。
受け身なのも、やる気がわいてこないのも、自分が周りの人に理解してもらえないことも、自分が責任を持ってやれることはきっとあるということです。もちろん自分の力ではどうしようもないこともあるでしょう。しかし他人に対する態度と行動に責任を持つことで、気持ちは明るくなり、力も湧いてくるそうです。
責任を持っていない領域を探す
この本が紹介しているエクササイズには、「責任を持っている領域と持っていない領域」を把握することを勧めています。
さっそく次の分野について、自分が責任を持っているのかを考えてみましょう。次の領域について、1~10までのレベルで点数を付けてみましょう。
・健康
・感情
・恋人の選択
・配偶者の選択
・経済的な幸せ
・仕事に対する意識と責任
・人間関係に対する意識と責任
・対人関係のもち方
・知性的な発展
・性格
・幸せ
・自己評価
点数の低い領域は、どうしたら改善するのかを考えてみてください。
改善を考えるにあたっての重要なアドバイスを1つ。
どう改善すればいいのかわからないと感じるかもしれませんが、見ないようにしているだけで、人は答えがわかっているのだそうです。
「私が……の領域で、もっと責任をもつようになるには……」という文章を自分なり完成してみください。……の部分にしっかりと答えがあります。 答えが見えたら、実際に動いてみること。小さな一歩かもしれませんが、そうした行動が人生を積極的に変えていくはずです。