友人や恋人の性格を知りたいと思ったことは、誰にでもあるのではないでしょうか。意外な一面を見つけたとき、「本当の性格は、どうなんだろう?」と考えたりしてしまいませんか。そんな人にお勧めなのはその人の部屋を見ること。じつは心理学でも証明されている方法です。
- 部屋を見た印象はけっこう当たる
- 掃除で心を磨けるかも
部屋を見た印象はけっこう当たる
星占いなどで恋人などの性格を占ったことはありますか?結果に納得したりすることもあれば、意外な指摘に信じられない気持ちになったこともあるかもしれません。
もちろん心理学には性格検査などがありますが、相手が検査を受けるのを承諾して、長い質問に付き合ってくれなければ性格を検査することができません。しかしある程度の性格ならば、部屋を見るだけでわかるという実験結果があります。
米国テキサス大学のサミュエル・ゴスリング教授は、部屋の使い方と性格の関連性を証明した人です。
実験はオフィスの写真を見せて、その勤務者の性格を推測するというもの。例えば、計画的できちんとした人のオフィスは、机の上も整理されており散らかっていませんでした。まあ、これは誰でも推測できるでしょう。
さらに外交的で明るい人は、オフィスも自分好みに飾り付けしていることがわかったのです。さらにゴスリング教授は自宅の部屋の写真でも同様の実験をしたそうです。
この研究により部屋を見た印象と性格は、かなり一致していることがわかりました。
・慎重な性格か
・安定を好むのか
・先読みして行動するタイプなのか
・快活で外交的なのか
・エネルギッシュなタイプなのか
この5つの項目は部屋から特に判断しやすい項目だと判明したのです。
つまり部屋の様子からエネルギッシュさがまったく伝わってこないのに、会った時の印象がエネルギッシュなら、そのギャップは何だろうと考えてみるのも面白いかもしれません。
逆に感情的安定性については、部屋からはまったく読み取れないこともわかりました。部屋の様子から周囲の状況を冷静に受け止め対処するような感情的安定性を感じても、それはほとんどあてにならないということです。
掃除で心を磨けるかも
では、逆に部屋の環境を変えたら、性格に影響するのかについても調べてみました。
残念ながら、心理実験では見つけられませんでした。しかし僧侶の枡野俊明氏が書いた著作には、次のような記述が見つかりました。
「部屋が散らかっていたり、汚れていたりすると、心が曇ってくるのです。生活から丁寧さを奪うのです。
禅寺では、掃除は毎日行なう大事な修行ですが、チリやホコリがあるから掃除をするのではないのです。チリやホコリ一つなく磨き込まれた廊下も、繰り返し、繰り返し、拭き込み、磨き上げます。掃除をすることによって、心のチリやホコリを拭い、新たにつかないように『防御』しているのです。
掃除は単にその場所をきれいにするだけのものではありません。
自分の心を磨く作業でもあるのです」(『考える前に動く習慣―――始める、進める、続ける 禅の活かし方』三笠書房)
日々掃除をすることで心が磨かれるという効果はあるかもしれません。枡野氏は朝10分だけ掃除をすると決めて、コツコツと少しずつ部屋を整理していく方法を勧めています。仕事の後など事後にすることなく事前にすること、一気に整理をしようとすると大変なので場所を決めて日々少しずつ進めていくのがポイントとのことです。
オフィスであれば、比較的片づける場所も少ないので、少しずつ片づけえていけば、意外に短時間で整理された環境にすることができるかもしれませんね。
性格や心理について興味のある方は、こちらもご覧ください。
参考:『世界最先端の研究が教えるすごい研究』(内藤誼人/総合法令出版)/『考える前に動く習慣――始める、進める、続ける 禅の活かし方』(枡野俊明/三笠書房)