運動の習慣化に失敗した人は少なくないでしょう。体が重かった、二日酔いだった、寝坊したなどなど。理由はさまざまですが、なぜかいつも中断してしまうもの。そこで運動を習慣化するために最も効果的な方法を調べてみました。
- 生活全般を変える効果も!
- 効果とやりやすさから選んでみる
- 継続だけに特化する
- 日常生活に組み込む
生活全般を変える効果も!
運動を習慣化したいと思うきっかけは、運動にさまざまな効能があり、いろんな場面で勧められることが多いからでしょう。ダイエットや生活習慣病の予防だけではなく、スレトス解消などメンタルヘルスケアの分野でも、定期的な運動が推奨されています。
さらにオーストラリアの研究者ミーガン・オーテンとケン・チャンによれば、運動プログラムを2ヶ月間実施した結果、その習慣が生活全般に良い影響を与えていたことまでわかりました。
「運動を続けた被験者には、好ましい行動が増え、好ましくない行動の回数が減るという傾向が顕著に表れ、著しい生活の改善が見られました。そして、それとともに、意志の力、自制する力などの向上の事実もハッキリと表れました」(『自分を変える習慣力 Business Life』三浦将/クロスメディア・パブリッシング)
こうした効果を知ると、今年こそ運動をしたいと思いが強まるかもしれません。ただ、これまで通り、ただ気合いだけを頼りに運動の計画を立てても失敗する可能性が高いでしょう。
①効果とやりやすさから選んでみる
運動習慣の固定に失敗してきた人に試してみてもらいたいのは、自分に適した運動を真剣に吟味することです。
まず興味があったり、効果があると感じる運動をどんどんポストイットに書いていきましょう。1枚のポストイットに1つ運動が書いてあればオーケーです。
次にA4サイズの紙を用意し、縦棒と横棒を紙の中央で交差するように引きます。そして縦軸の上を「影響が大きい」と書き、縦軸の下に「影響が小さい」と記します。下から上にむけて徐々に影響が大きくなっていくイメージです。次に横軸の左に「実行しにくい」と書き、右に「実行しやすい」と記します。これは左から右に向けて、どんどん実行しやすくなっていくイメージです。
さて次に運動の目的を考えます。痩せたいのか、ストレスを発散したいのかなどによって、最適な運動が変わってくるからです。ダイエットのためであれば、カロリー消費の高い方がいいでしょうし、ストレス発散のためならゲーム性の高い方が楽しいかもしれません。
それではいよいよポストイットをA4の紙に貼り付けていきます。そのとき重要なことは、まず影響が大きく、効果が高いかどうかで考えることです。実行しやすいかどうかは後回し。縦軸だけに注目してポストイットを貼り付けていきます。例えばボディーメイクしたいなら、スポーツジムでマシンを使って筋トレする方が、ウォーキングより効果が大きいでしょう。
一通り貼り終わったら、次に実行しやすのかを考えていきます。
これまでならスポーツジムに行くのが面倒だと感じても、駅近なら寄れるのではと考えていたかもしれません。しかし実際に帰宅途中にスポーツジムがあっても、わざわざ着替えて、汗をかくのが嫌だと思うようなら「実行しにくい」と考えるべきでしょう。あるいはチームスポーツの場合、日程を揃えるのが難しいといった問題もあるかもしれません。
こうやってポストイットを貼り終えると、4つに分割された右上に「影響が大きく」て「実行しやすい」運動が集まります。それを実行するように計画を立てましょう。もしかすると、そのポジションには、EMS(筋電気刺激)を使って筋肉を刺激する器具の購入があったりするかもしれません。汗をかいて走るといったイメージとは遠いかもしれませんが、重要なことは効果が高くやりやすいことです。
②継続だけに特化する
運動を習慣化するもう一つの方法は、とにかく継続だけに注目してすること。最悪、日中忘れていても、寝る直前にできる程度の運動を毎日することです。
代表的なのは、腹筋を1回だけするといったもの。日々、その継続をチェックし続け、10日や20日の区切りにお祝いをしましょう!
こんな運動にどんな効果があるんだと思う人もいるでしょう。しかし気分が良いときには、腹筋を増やしてもいいと決めておけば、人は意外と実行するもの。むしろ日々のノルマをきつくしたとき、どうしても実行できなかった日を迎えると、「もうどうでもいい」という気分になり、いっさいの運動から遠ざかってしまうといったことが起きるのです。
アプリなどで運動を管理する場合は、とにかく1日の目標を最小にして挑みましょう。
ちなみに、それでも継続が途絶えてしまったら、とにかく失敗を忘れるようにしてみてください。「自分は本当に継続が苦手だ……」と反省してしまうと、継続する気力が失せてしまいます。
③日常生活に組み込む
運動習慣化のもう一つの方法は、医師であるブルー・リー氏が推奨する日常生活に運動を組み込む方法です。実際、肥満が問題にならなかった時代、人間の多くは無理に運動することもなく、日々走ったり歩いたりして適正体重を維持してきたはずです。そうした自然な体づくりの方が、わざわざスケジュールを割いてスポーツジムに行くより継続の可能性が高まると、彼は指摘しています。
具体的な方法としては、「車の代わりに自転車や徒歩で移動する」「できる限り階段を使う」「ミーティングの前に1分間のストレッチや運動をする」「テレビや映画を運動しながら観る」といったようなことです。確かにバスで通っていたところを歩いて移動するようにすれば、確実に運動をする機会が増えるでしょう。
この方法で運動を習慣化すると決めたら、どんな場面で運動を組み込めるのかを、日々のルーチンを思い出しながら考えてみましょう。駅から遠い自宅や会社、営業先などは、運動するチャンスに感じるかもしれませんね。
今日は運動の習慣化についてまとめました。新年の目標に運動をいるなら、ぜひ試してみてくださいね。
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『自分を変える習慣力 Business Life』(三浦将/クロスメディア・パブリッシング)/『習慣超大全』(BJ・フォッグ/ダイヤモンド社)/「8 Ways to Sneak Exercise into Your Daily Routine」(Hara Estroff Marano/Psychology Today)