集中力がなく、何となくボーッとして、頭のキレがない。気づけば携帯やPCの画面を見てしまっている。そんな状態なのは、脳が疲れているからかもしれません。そこで脳の疲れを回復させる6つの方法を紹介しましょう。
脳が喜ぶ6つの対策
どれだけ健康的な生活をしていても、イマイチ頭の回転がよくないなと感じることはあるでしょう。脳や体を常にベストの状態に保つのは簡単ではないからです。しかし何となくボーッとしている状態が続いているなら、脳が活発に働くように生活を整える必要があるでしょう。
そこで脳の活動量を高め、集中力を増すための方法を6つ紹介します。気になったものから日々の生活に取り入れてみてください。
①ストレスの元をみつける
頭がボーッとして働かない原因の一つは、ストレスにあると考えられています。ところが、自分が何にストレスや不安を感じているのか意識していないことも多いとのこと。
そこで自分のストレスの原因を考えてみる必要があります。
気力が衰えているときは、ストレスの元を見つけても何もできないと思うかもしれません。
しかし神経心理学者であるジェシカ・コールドウェル博士は、不安やストレスの元をみつければ、自分の生活から外すことができるかもしれない、と指摘しています。ストレスの原因がわかり、ストレスを受けている時間が意識されれば、漠然とストレスを感じ続けているといった状態からも脱することができ、脳にかかる負荷も軽減することができるそうです。
②しっかり眠る
睡眠は身体の疲れを取るだけではありません。近年の研究で脳の老廃物を取り除く作用があると判明しました。2018年のOECDによる調査で、睡眠時間の平均が世界ワースト1位の6時間27分だった日本人ですが、頭の働きを取り戻すのに睡眠が必要だとしっかり認識する必要がありそうです。
しかも必要な睡眠時間は、一般的に思われている以上に多いこともわかっています。
「ペンシルベニア大学の調査では、6時間睡眠を2週間続けているグループは、2日間睡眠をとらなかったグループと同じ程度まで、パフォーマンスが低下した」
と『脳が冴える最高の習慣術』(マイク・ダウ/大和書房)には書かれています。
加えて、この実験の参加者は、自分のパフォーマンス低下に気づかなかったというのです。もちろん必要な睡眠時間は人によって違いますので、自分に合った睡眠時間を見つけることも大切でしょう。
いずれにしても睡眠時間を確保し、日々のルーチンにしっかり位置づけることが、脳を動かすためには重要なのです。
③体を動かす
スポーツがストレスの軽減にも効果的なことは、よく知られています。ただ脳を動かすために早朝に起きして、ジョギングを始める必要はなさそうです。『脳が冴える最高の習慣術』を書いたマイク・ダウ氏によれば、通勤や職場で階段を使うようにしたり、週1回夫婦で歩いてデートする時間をつくるだけで、体重が減り、脳の動きも活発化するそうです。
またDVDなどを含めた「テレビ」を見る時間が増えるほど糖尿病の発生率も上がるといったデータがあることから、モニターを見つめている時間が長いほど体が動かなくなっている可能性が高いとのこと。つまりテレビを見る時間を削ることも、体を動かすことにつながるかもしれません。
もちろんしっかりと定期的な運動をすることが理想ですが、生活の中で体を動かすようにするだけでも、脳にはいい影響があるようです。
④マルチタスクをやめる
同時並行に物事を進めるのが得意な人もいるでしょう。ただしそうした活動は、シングルタスクの切り替えに過ぎないことが、脳の研究であきらかになったとマイク・ダウ氏は書いています。
つまり携帯をいじりながら話を聞いている場合、携帯画面と話の意識を高速で入れ替えているのです。これが脳に負荷になることは明らかでしょう。物事を一つずつ終わらせるようにすることで、脳の働きもよくなるのだそうです。
⑤専用のエクササイズを実行
テキサス大学ダラス校のサンドラ・ボンド・チャップマン博士の提唱するエクササイズは、ちょっと変わったもの。1日5回アラームをかけて、5分だけ脳活動を停止する時間を設けます。目を閉じて休憩したり、公演のベンチに座って木々を眺めたり、散歩もOKのようです。ただし音楽を聴いたり、瞑想してはいけないとのことです。
⑥よく考え、新しいことを試す
私達は物事を深く考えない生活を送っているようです。だからこそ深く考えることは、脳を活性化させます。オンラインで興味深い記事を読んだら、自分の生活にどのように活用できるのかまで考えましょう。映画やドラマのメッセージが、自分の人生とどのように関連するのかを家族や友人と話し合うのもいいでしょう。
加えて、新しい考え方ややり方を取り入れてみましょう。いつも通っている道を変えてみる、ルーチンの仕事を別のアプローチで試してみるといった方法でいいそうです。
脳の活動を活発化するためには、こうやって刺激することも重要なのです。
脳を活性化させる心理学の活用法に興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:日本産業カウンセラー協会
参考:「Here’s Why You’re Dealing With Brain Fog—and What You Can Do to Fight It」(Meghan Rabbitt/Prevention)/『脳が冴える最高の習慣術』(マイク・ダウ/大和書房)