何げない一言でクライアントや上司を怒らせてしまったことはありませんか? それは口癖の奥にある心理を見透かされてしまったからかも……。そんな失敗を犯さないためにも、ビジネスで避けたいNGワードを集めてみました。
- 本性が透けてしまう口癖って!?
本性が透けてしまう口癖って!?
何げなく放った一言が、その人の性格を見事に表しているなと感じたことありませんか?特に取り繕っていない「口癖」で、その人の本性が透けて見えてしまうことも……。
そこで相手を不快にしがちなNGワードを取り上げ、その背景にどんな心理があるのかを、渋谷昌三目白大学教授の書いた『他人の心理学』(西東社)を参考に解説していきましょう。
①「一応」
仕事を依頼した相手から、「一応やっておきます」と言われたら、あまり気持ちのいいものではないでしょう。
「一応やってみました……」と言われた場合は、腹は立たないかもしれませんが、仕上りが不安になったりしませんか?
「一応」は「十分ではないけれど、最低限の条件は満たしている」ことをアピールする言葉です。つまり「一応やっておきます」と言われた場合は、「最低限の条件はこなします」と主張されたことになるのです。
これではカチンときてしまう人がいても仕方がないかもしれません。
また、「一応やってみました……」と言われた場合は、「最低限しかできないかも」という言い訳が含まれてしまいます。そのため仕事の品質に不安を覚えてしまうのです。
心理学的に言えば、「一応」は
「自分の弱点を相手に隠そうとする防衛反応」
を表すそうです。
2015年9月に文化庁が発表した2014年度の国語に関する世論調査によれば、「微妙」「わたし的には」など、断定を避けた「ぼかし表現」を使う人が増えているそうです。場の空気を読み、断定を避けることが近年のコミュニケーションスタイルの1つになっているのかもしれません
「一応」も断定をさける表現のため、何となく口癖になっている人もいるかもしれません。ただ、「微妙」などより「自分に問題があって断定できない」という意味が強くなってしまうので、ビジネスでは使わない方がいいでしょう。
②「とりあえず」
意味や用法は「一応」によく似た言葉ですが、①と違ったシチュエーションで使う場合に、特に注意が必要な言葉です。
例えば上司から「この資料作っておいてくれないかな」と言われたとき、「ちょっと明日までの仕事が詰まっていまして……。とりあえずやっておきます」と答えるようなケースです。
これは「自信がない」ことをアピールしたいのではなく、「忙しくて本当は手が回らないけれど、言われたからやりましょう」といった、むげには断れなかった気持ちを伝えるものです。
本当に仕事の完了が厳しいのであれば、「本日は厳しいのですが、明日からなら取り掛かれますので、○日までお時間をいただけますか?」と対応すればいいでしょう。
ところが「本当はやりたくなかった」というアピールをするのですから、イラっとくる人もいてもおかしくはないですね。
「このような使い方をする人は、自分の考えを曲げない、頑固な性格といえます。人から指示をされたり、物事を任されたりすることを嫌います」
と、『他人の心理学』(西東社)と心理学的な分析が掲載されていました。
人を苛立たせる可能性がありますので、口癖になっている人はすぐに改めた方がいいでしょう
③「だから」
プレゼンなどではよく耳にする接続詞ですが、何げない会話の中で使われているときには要注意です。特に「だから言ったじゃないですか」といった攻撃的なニュアンスを含んだ使い方は、止めた方がいいでしょう。
「これが口癖の人は、何が何でも自分の言いたいことを伝えたいという自己主張の強い人です。理屈っぽく、自分が一番正しいと思っています」といった心理的な分析が『他人の心理学』(西東社)
にも書いてありました。
さらに「だから」は自己顕示欲と結びついていることもあり、周りの人が反論すると猛反発を引き起こす結果になりがちです。そのため周囲の人からは、「面倒なヤツ」だと思われているかもしれません
逆に「だから」が口癖の上司やクライアントがいるなら、「そうですね」と言い分を認めてあげれば満足して話も前に進みます。一つの対処方法として覚えておくといいかもしれませんね。
④「つまり」
この接続詞を連発しているなら要注意です。
「つまり」は全体をまとめるための言葉です。そんな接続詞が連発するということは、話がまとまっていない証拠でしょう。
「うまく説明できないために、道筋が立っているように見せようとして、『つまり』を連発する」
と渋谷教授は説明しています。「つまり」は全体をまとめるための言葉です。そんな接続詞が連発するということは、話がまとまっていない証拠でしょう。
ビジネスの世界で理屈っぽいと思われることは、必ずしもプラスに働きません。「つまり」や「だから」「そもそも」「もちろん」などは、理屈っぽく聞こえる代表的な言葉なので、日常会話で使うときは注意が必要です。そんな言葉を連発しながら、実際に理屈が破綻している事態は絶対に避けた方がいいでしょう。
自分が「つまり」を連発しているなと感じたら、一度、主張を引っ込めて論旨を整理してみましょう。論理展開の問題が見つかるかもしれません。
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