仕事もプライベートも円滑に進む、ピーク・エンドの法則とは?

よく「終わり良ければすべて良し」と言われますよね。実はこれ、心理学実験できちんと立証されています。最高の瞬間と最後の印象を大事にする「ピーク・エンド」の法則を使って、仕事もプライベートも円滑に進めましょう。

  1. ピーク・エンドの法則とは
  2. カーネマンの映像実験
  3. 内視鏡検査実験
  4. 仕事に応用を:契約成立後は、お見送りに力を入れる
  5. 恋愛に応用を:途中でどんなに盛り上がっても、プレゼントは最後に
  6. 家庭でも応用できる:満足度を高めたいなら、鍋が一番!
  7. 旅行にも:一番食べたいものは帰り道で!
  8. ピーク・エンドの法則で円滑な人間関係を築き、人生を楽しんで!

ピーク・エンドの法則とは

ピーク・エンドの法則とは、人は体験を最も感情が動かされた瞬間(ピーク)と、最後の印象(エンド)によって判断しているという法則です。この法則は、映画で説明するとわかりやすいかもしれません。前半がどんなに退屈で冗長と感じても、クライマックスとラストが感動的であれば、人は「これは感動的な映画である」と捉える、ということです。

裏を返せば、前半がどんなに面白くても、クライマックスやラストがつまらなければ「たいした映画じゃなかった」と評価されるということです。制作側に立ってみると、とても怖い話かもしれませんね。

カーネマンの映像実験

ピーク・エンドの法則については、提唱者であるカーネマン博士が映像実験を行っています。まずは「ピーク」について、次のような実験を行いました。

実験参加者の一つのグループには、心地よさを感じる映像を集めた短い動画をいくつか見せました。もう一つのグループには、ぞっとする残酷な映像を集めた動画を見せました。いずれもビデオ映像の長さは見る人によって異なるよう操作されました。

実験参加者はダイアルを配布され、「どのくらい楽しいか」「どのくらい不快か」をリアルタイムで回答するよう求められました。さらに動画を観終わった後、全体としてどのくらい楽しめたか、または不快であったかを質問されました。

実験の結果、体験の評価には、映像の長さはほとんど影響を及ぼさないことがわかりました。残酷な映像を「どのくらい長く見なければならなかったか」は、残す印象にほとんど影響を及ぼしません。それよりも、残酷な映像が「どれほどぞっとするものだったか」のほうが、印象の悪さに多大な影響を及ぼしたのです。

内視鏡検査実験

「エンド」の印象がどれほど大事かについては、麻酔をかけずに結腸内視鏡検査を受ける人々を対象とした実験でわかっています。

結腸内視鏡検査は、結腸内の最奥まで挿入されたとき、もっとも痛みを感じます。通常、痛みを最も感じるのは検査の最後の瞬間です。患者はこの痛みのために、多くの人が「数年後、再検査を受けるように」という指示に従わず、再検査率は5割ほどだといいます。

カーネマン博士らは、「最後に最も痛い体験をするから、かなり痛いという印象が残ってしまうのでは」と考えました。そして、検査後に内視鏡をすぐ引き抜かず、結腸の末端にもう少しだけとどまらせてから引き抜く実験を行いました。

もちろん、内視鏡は結腸の末端にとどまるだけでも不快です。実験に参加した患者は、標準的な検査よりも長い時間不快に耐えなければなりません。にもかかわらず対象患者らは、標準的な検査を受けた患者よりも、全体的な体験について「あまり不快ではなかった」と評価しました。そして7割ほどが再検査を申し込んだのです。

つまり検査の「時間」よりも、最終的に「心に良い印象」が残ったかどうかで、全体の印象が判断されたということなのです。

仕事に応用を:契約成立後は、お見送りに力を入れる

ピーク・エンドの法則は、例えば仕事面でも応用可能であり、多くのビジネスマンが顧客心理をつかむために活用しています。例えば契約交渉であれば、契約成立の瞬間が「ピーク」といえるでしょう。

その後、「エンド」の印象を良くするために、お見送りに力を入れるのがおすすめ。エレベーターに乗るまでではなく、出口までお見送りを行えば、「丁寧に扱われている」という印象を残すことができます。

恋愛に応用を:途中でどんなに盛り上がっても、プレゼントは最後に

恋愛でピーク・エンドの法則を応用するなら、デートの最後に渡すためのプレゼントを用意しておきましょう。最初はあまり会話が盛り上がらなくても、そのままくじけて暗くなってはいけません。イベントごとなどで頑張ってピークを一つ作れれば、印象はぐっとアップします。

また、どんなに盛り上がっても、ピーク時にプレゼントを渡すのは避けて。プレゼントは、帰り際に渡すのが正解です。相手をうれしい気分のまま帰しましょう。

家庭でも応用できる:満足度を高めたいなら、鍋が一番!

最近、家での夕飯がワンパターンで、家族もあまり喜んでいないな……と感じるなら、鍋物はいかがでしょうか。具材が煮えるまではちょっと退屈ですが、ぐつぐつと湯気を立てる鍋から蓋を取った瞬間、いい匂いがあふれてきますよね。それこそ一つのピークです。また、最後はうどんや雑炊、ラーメンなど、家族のリクエストを聞いて入れてみて。具材からたっぷり染み出たダシを炭水化物が吸ってくれて、最高のシメを演出できますよ。

旅行にも:一番食べたいものは帰り道で!

旅行の計画を立てるときも、ピーク・エンドの法則を意識しましょう。長い節約旅行をするより、短くても贅沢に楽しめるピークポイントを作ったほうが、満足感が高まります。そして、一番食べたいものは最後までとっておき、できれば帰りの新幹線の中などで楽しみましょう。「疲れた~」とばかり思ってしまいがちな旅行の「エンド」も、楽しい記憶で満たされます。

ピーク・エンドの法則で円滑な人間関係を築き、人生を楽しんで!

ご紹介したように、ピーク・エンドの法則は、人間関係を円滑にするためにも、余暇を楽しいものにするためにも役立ちます。有効に使えば、常に「楽しい気分」をキープできますよ。イベントのたびに、大事なクライアントとの商談のたびに、「ピーク」と「エンド」を常に仕込んで!

人間関係を円滑にするためにコミュニケーションスキルを磨きましょう!詳しくはこちら!

参考:『その部屋のなかで最も賢い人』トマス・ギロビッチ、リー・ロス、青土社

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