人間関係をよくしたいならアドバイスをためらうな!?

多くの人が、アドバイスはもちろん誉め言葉や感謝の気持ちですら、他人に伝えることを躊躇する傾向があるそうです。しかし、そうした躊躇はプラスにならないことを、心理学者が明らかにしました。説明していきましょう!

  • みんなアドバイスをもらいたい!?
  • 誰にとっても当たり前だと考える
  • 問題の解決方法に重点を置きがち
  • 年齢を気にしてしまう
  • アドバイスの好みを知らない

みんなアドバイスをもらいたい!?

アドバイスや相手の行動に対して改善点や評価を伝えるフィードバック、さらには誉め言葉や感謝の気持ちすら、多くの人が口にするのを躊躇するそうです。これは自分の行動を思い出してみると納得でしょう。

一言アドバイスしようかなと思いつつ、何となく口にできないといった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。しかし口にすれば人間関係がよくなる可能性が高いのです。

近年の調査では、従業員の72%が上司から十分なフィードバックが得られないと回答しています。また恋愛関係にあるパートナ―から86%の人がフィードバックを受けたいと答えています。一方でパートナーにフィードバックしたいと考えたのは、48%に過ぎなかったそうです。

以外に多くの人がフィードバックを求めていることに、驚いた人も多いかもしれません。ただ考えてみれば、やや厳しい発言が多い占い師が人気を博すことも多いので、人は意外にアドバイスやフィードバックを求めているのでしょう。
こうした躊躇の背景に、アドバイスやフィードバックに関連する4つの勘違いがあると、ジェニファー・アベルは指摘しています。順番に解説していきましょう。

①誰にとっても当たり前だと考える

アドバイスやフィードバックを躊躇する大きなポイントの一つは、自分には当たり前のことだからだそうです。自分にとって当たり前のことは、他人にとっても当たり前だと、人は思いがちです。しかし料理の得意な人にとっては当たり前の「料理のさしすせそ」や和食に欠かせない「落とし蓋」も、知らない人が多いもの。こうしたことは日々の業務でも発生しています。

周りの人の様子を観察して、どこか理解していない様子だったらアドバイスした方がいいかもしれません。

②問題の解決方法に重点を置きがち

私たちがアドバイスやフィードバックをするとき、最も気にするのは問題の解決方法でしょう。通常、「これをしているからうまくいかない!」といった情報を伝えたくて、アドバイスするからです。

しかしアドバイスを受ける側が気にしているのは、アドバイスやする人の気持ちの温かさや善意を気にしているというのです。

つまり何を思ってアドバイスしているのかが重要なのです。自分の知識をひけらかしたい、自分の方がすごいとマウントを取りたい。そんな気持ちからアドバイスをしようとすれば、その助言自体がしっかりしていても相手には不快感を与えてしまうのです。

③年齢を気にしてしまう

年下からのアドバイスやフィードバックは、偉そうに見えるかなと思いがちです。逆に年上からのアドバイスは、若い人には役立たない情報かも、先輩風を吹きまわしているように見えるかもといった不安を感じる場合が少なくありません。

しかし問題なのは年齢ではなく動機です。先程も触れたように善意や優しい気持ちから発したアドバイスやフィードバックは、相手にとっても嬉しいものなのです。

④アドバイスの好みを知らない

批判を含めたアドバイスを嫌う人がいます。しかも集団の場合は、一人がアドバイスにイヤな感情を持つと、周りの人にも伝播する可能性が高いようなのです。

つまりどんなアドバイスやフィードバックがいいのかを、しっかりと決めて実行する必要がありそうです。

じつは指導方法の好みについては、米国コロンビア大学のステイシー・フィンケルスタインによって確認されています。この調査はフランス語教育を受けている学生に実施したのですが、初級クラスの学生は先生に褒められたくて、上級クラスの学生は自分のダメなところをしっかり指導してほしいそうです。

これは職場でも応用できそうです。ただ批判を込めたアドバイスやフィードバックは、一対一で実施した方がよさそうです。

どうやら私たちはアドバイスの動機に気を付けて、行動した方がよさそうです。ただ、アドバイスする自信がないという人は、とりあえず誉め言葉や感謝を口にしてみてはいかがでしょう。気恥ずかしいかもしれませんが、その効果はとても大きいそうです。

今日はアドバイスやフィードバックに関連する情報をまとめてみました。

人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:「4 Reasons Why People Are Hesitant to Say Kind Words」(Sebastian Ocklenburg, Ph.D./Psychology Today)/『世界最先端の研究が教える もっとすごい心理学』(内藤誼人/総合法令出版)

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