ストレスを予防する「プロアクティブ・コーピング」を実践する

ストレスにどのように対処するのかは、生活を送るうえでとても重要になってきています。そして近年、ストレスを予防する方法に注目が集っています。心理学の知識を利用した効率的なストレス対処法を紹介しましょう。

  • 未来のストレスに対処する
  • プロアクティブ・コーピング」4つの手順
  • 「プロアクティブ・コーピング」を続けるために

未来のストレスに対処する

「ストレスコーピング」という単語を聞いたことがありますか? これはストレスの基にうまく対処しようとする行動です。
例えば、友人の態度がストレスになっているので相手に訴えて態度を変えてもらったり、イライラしているときに運動でストレス発散をしたりといったことが、ストレスコーピングになります。

こうした一般的なストレスコーピングは、問題が起きてからストレスを解消するために実施するものです。しかしストレスの発生が予測されている事態に、コーピングをしようという動きが出てきているのです。

一番わかりやすいのが、近未来に確実に起きるストレスへの対処でしょう。例えば月末のたびに頭を悩ませることになる領収書の整理などを、少しずつやっておくといったことも未来のストレスコーピングとなります。

さらにストレスを発生させることは確実だけれど少し先の話だった場合に、ストレスに対処するだけではなく、自らの成長の機会にしようと率先して対処するのが「プロアクティブ・コーピング」です。例えば1年後の外資との合併に備えて、英会話を学んでおくといった行動です。

合併後に英語での会議が始まった後に、そのストレスを発散しようとするのが従来のストレスコーピングでした。しかし「プロアクティブ・コーピング」によって英会話を学ぶことで、英会話はストレスの元凶ではなく、自身の武器になるかもしれないのです。

プロアクティブ・コーピング」4つの手順

バージニア大学の研究員であるトーマス・ベイトマン氏は、「プロアクティブ・コーピング」4つの手順があると説明しています。
説明しましょう。

①現在の自己評価
現在の自分のストレスレベルやパフォーマンス、他人への影響力などについて自己評価します。

②未来の問題を想像する
現状、何ももしないままに過ごすとどんな未来が起こり、軌道修正したらどうなるかを想像してみましょう。

③未来のストレスの原因を考える
未来のストレスの原因を探ってみてください。②で考えた未来の問題の原因を特定します。もちろん複数の原因が出てきても構いません。

④ストレスの原因に対処する
③で考えた複数の原因に、どうやって対処するのかを考えます。

「プロアクティブ・コーピング」を続けるために

「プロアクティブ・コーピング」がうまくできれば、ストレスを軽減することができるでしょう。しかし未来の問題へ対処するのは、それほど簡単なことではありません。なかなかうまくいかないと感じることもあるでしょう。そうした中でも着実にゴールに向かって進んでいくためには、次のようなことが重要になります。

①人とつながる
ツラくなったときにグチを吐ける場所や人、問題解決のためにアドバイスをくれる人を確認しておきましょう。自分一人で未来のストレスに対処するのではなく、周りの支えを受けて問題解決していくのだという気持ちが大切です。

②角度を変えて考える
これまでの自分のやり方では問題解決に至らないかもしれません。そんなときには柔軟に対処するようにしましょう。自分の慣れたやり方を捨てて、問題を解決できないのかを考えてみましょう。

③新たな挑戦を意識する
果敢に問題解決に取り組んでいる自分を褒めて、やる気を失わないようにしましょう。また問題を解決のために必要な時間を生み出すために、時間の有効活用についても考えてみましょう。

さて、今日は「プロアクティブ・コーピング」について説明してみました。ストレスに悩まされる時期が決まっている人は、今度こそストレスの嵐に巻き込まれないように、自分で対策を立ててみませんか?

「プロアクティブ・コーピング」をする場合、マインドフルネスを組み合わせると効果が高まるという研究結果があります。瞑想であるマインドフルネスは、Web上に誘導するための音源などもあるので、一緒に始めてみるのもいいかもしれません。

人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:「ストレスコーピング」(e-ヘルスネット)/「Stressing? Proactively Attack Root Causes」(Thomas S Bateman D.B.A./Psychology Today)

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