HSPの人だから持てる6つの強みとは?

敏感すぎる性格のために生きづらさを感じているHSPの人に必要なのは、その特徴の活かし方かもしれません。そこでHSPだからこその強みを、紹介していきましょう。

  • HSPの6つの共通点って
  • 無理して克服する必要ない
  • 6つの強みを紹介

HSPの6つの共通点って

米国の心理学者、エレイン・N・アーロン博士が発見したHSPは、「Highly Sensitive Person」の略です。日本語に訳せば「とても敏感な人」になります。精神科医である長沼睦雄氏が書いた『敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本』によれば、HSPに共通する特徴は以下の6つです。

①心の〝境界線〟が 薄い
この性格のために他人の考えや気持ちが自身の心に流れ込んでしまうことがあるようです。

②疲れやすい
人の気持ちに共感や同調しやすく、気を遣うことが多いため神経が高ぶりやすく、日常生活を送るだけでもヘトヘトになってしまうそうです。

③刺激に敏感
五感はもちろん感情や雰囲気などにも敏感です。

④人の影響を受けやすい
①とも関連しますが、小さなシグナルから相手の気持ちを察するので、他人の影響を受けやすくなりがちです。

⑤自己否定が強い
「自分の責任かも」と考える傾向が強いようです。

⑥直観力がある
小さなことに気付くことも多いため、未来への予兆を発見することも多いようです。

無理して克服する必要ない

近年、HSPに脚光が当たっているのは、上記なような性質からくる生きづらさを抱えているケースが少なくないからです。エレイン・N・アーロン博士の研究によって、HSPの人の人口は15%~20%とも言われていますので、約8割の鈍感な人に囲まれて暮らしていると考えれば、そのツラさを少し想像できるかもしれませんね。

ただHSPは気質と考えられており、「本質的には生涯変わらりません」と長沼医師も書いています。だからこそ次のようなアドバイスを送っています。

「無理して自分の気質を克服する必要はありません。HSPだとしても、それに合わせた生き方を見つけましょう」

では、「合わせた生き方」とはどのようなものでしょうか?

さまざまな方法が提唱されていますが、ときに生きづらさの原因となるHSPの良い面に着目するのも一つの方法でしょう。

「そんなこと言っても……」と反論したくなる人もいるかもしれませんが、逆のタイプ「鈍感すぎる人」について考えてみましょう。鈍感すぎれば、それこそ「空気が読めない」と敬遠されることもあるかもしれません。しかし相手の気持ちに同調しないからこそ、例えば断られるのが当たり前かもしれない飛び込み営業が得意といった強味の活かし方があるのです。


HSPの基礎的な知識をもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

HSPってなに?敏感すぎる人がラクに生きていくためのヒント

HSSってなに?HSPの人の30%が持つ好奇心旺盛な気質とは!


6つの強みを紹介

『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』(イルセ・サン 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)を参考に、HSPの強みをまとめますので参考にしてみてください。

①微細な情報が心の奥まで届く
HSPのセンサーはあらゆる情報を拾ってきます。そして、そうした情報は心の奥深くまで届きます。だからツライと感じることも多いのですが、適度に制限された情報を心から味わえる感覚を持っています。
芸術や壮大な自然は鈍感な人にはない深みを持って心に迫ってきます。刺激多すぎて、あるいはマイナス刺激でツライと感じることもある一方で、HSPだけにしか感じられない細やかな刺激を味わうことができるのです。

舌が繊細な人だけ感じられるワインの味わいといったものを想像してもらえれば、HSPへの「ギフト」が理解できるかもしれません。

②音やにおいなどの微細な違いを察知できる
HSPはカフェなどの音楽が不調の原因になることもあるようです。ただ違いを認識できるからこそ、できることも少なくありません。職人芸と言わるような技術の多くは、違いのわかる繊細な感覚に支えられています。ときに鈍感な人にはわかりづらい微細な違いこそが、最高の商品を生み出すからです。

違いを見極められる力を、どうやって活用できるのかを考えるのも面白いかもしれません。

③深く多角的に考えられる
SSPの人たちは、たくさんの観点から物事を捉えることができます。時間こそかかりますが、結果的に独創的な発言や行動ができるのです。
ビジネスの現場では、とにかく早く決断を下すことを求められがちですが、じっくりと慎重に検討した結果が求められるケースも少なくありません。慎重さが求められる場は、HSPにとって有利に働く可能性が高いといえるでしょう。

④危機管理能力が高い
慎重に状況を観察し、高い察知能力で危機を回避するHSPが、鈍感な人から慎重すぎると見られることもあるかもしれません。しかし絶対に失敗が許されない場面では、HSPの能力が必要となるのではないでしょうか。

⑤共感力が高く、気配り上手
他の人に感情移入しがちなHSPですが、それだけに相手の気持ちを汲み取ることができます。相手の苦しみを自分のことのように感じてしまうのはツライことだと思いますが、そうやって共感してくれる人に、多くの人が好意をいだくでしょう。

プライベートはもちろん仕事でも人間関係は大きなウェイトを占めます。相手の気持ちを読み取って対応できる力は、大きな武器にもなるでしょう。

⑥想像力が豊かで、内的世界が充実している
多くのHSPが豊かな空想力を持っていると、『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』には書いてあります。それは芸術となって表現されることもあるようです。また、そうしたインスピレーションにより一人でいることも退屈することがないそうです。
これらも大きな武器でしょう。
もし日々インスピレーションがわき起こるなら、絵画や小説をつくったり、楽器を演奏したりというチャレンジも良いかもしれません。

一面ではプラスに働き、別のシチュエーションではマイナスに働くことは少なくありません。HSPの特徴も強みに変えていける部分も数多くあるようです。

大事なことは自分の傾向を知ることです。心理学は自分の気質を理解するのに役立ちます。また人の心理状態に読み取ることに長け、人の役に立ちたいと考えることの多いHSPの人は、カウンセラーとして高い能力を発揮する可能性があるという指摘もあります。
自分の心を守りながら、長所を活かしていければいいですね。なお、HSPの中でもより敏感な人たちについて書いた本『共感力が高すぎて疲れてしまうHがなくなふ本』(ジュディス・オロノフ 著/SBクリエイティブ)には、共感による疲労を防ぎながらセラピストとして活躍する道を提示しています。

心理学・メンタルヘルスに興味のある方や学んでみたい方はこちらをご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考: 『敏感すぎて生きづらい人の明日からラクになれる本』(長沼睦雄 著/永岡書店)/『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』(イルセ・サン 著//ディスカヴァー・トゥエンティワン)

   

「働く人の心ラボ」を運営する日本産業カウンセラー協会では、新型コロナウイルス感染症に関連して不安やストレスにどう対処していくか、産業カウンセラーによるコラムを配信しています。 こちら からご覧ください。※産業カウンセラーは、心理的手法を用いて、働く人やそのご家族の心の健康(メンタルヘルス、HSP等)・キャリア開発・職場環境改善等を支援する専門家です。

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