スタンフォード大学脳外科医に学ぶマインドフルネスの続け方

グーグルなどにも採用されたマインドフルネスが、集中力を高めたり、心を平穏に保つことに大きな力を発揮することは、よく知られています。ただ、なかなか継続が難しいことでも知られています。そんな人にお勧めな書籍があります。

  • マインドフルネスの弱点は続けにくいこと
  • どん底から大金持ちまで経験
  • 4つのマジックは瞑想のテクニックとビジュアライゼーション
  • モチベーションの維持に役立つ!?

マインドフルネスの弱点は続けにくいこと

米国の有名企業で次々に採用されたことで起こったマインドフルネスのブーム。いろいろな書籍も出版され、その効果についてもいろいろと報じられています。「脳疲労の解消」「ストレス軽減」「創造性の向上」「集中力の増大」「感情の安定」などなど。日本でも一部の企業で取り入れたと報じられました。

多くの人が認めるマインドフルネスの効果ですが、弱点が一つあります。それは効果を実感するまで続けるのが難しいこと。特に一人だとサボってしまうという声が、実践者から聞こえてくるのです。

実際、マインドフルネスの効果についてアンケート調査企業では、4週間で実感できた人が約半分。8週間の継続で85%以上が効果を実感したことがわかり、とにかく少なくとも2ヵ月の継続が大切だと結論付けています。

効果が出ない中で、5~10分とはいえ毎日続けるのはそう簡単ではないでしょう。

どん底から大金持ちまで経験

そんな人にお勧めしたいのが、『スタンフォード脳外科医が教わった 人生の扉を開く最強のマジック』(ジェームズ・ドゥティ/プレジデント社)です。

アルコール依存症の父が暴れる貧困家庭に生まれながら、マインドフルネスなどの力をつかって、スタンフォード大学の脳外科医にまでなったジェームズ・ドゥティ氏の自伝です。

幾度も苦難が襲い掛かる中、中学2年のときにたまたま入ったマジックショップで教わったマインドフルネスと、未来を現実のように鮮明にイメージする「ビジュアライゼーション」を活用して、ジェームズ・ドゥティ氏は医師への階段を上っていきます。

しかも医師から企業再生の領域でも成功し、資産額は7500万ドルにも達し子どもの頃に夢想した大金持ちにもなる。ところが株式市場の暴落により無一文となり、自分が本当にやりたいことが何だったのか思い出して、医師として再出発するのです。

4つのマジックは瞑想のテクニックとビジュアライゼーション

作者のジェームズ・ドゥティ氏は、マジックショップで4つの「マジック」を教わり、その方法もしっかり書かれています。

その4つのマジックは、この本の巻末にある解説によれば、現在では以下のような技法に分類されるそうです。

・マジック1…ボディスキャンと呼ばれる瞑想
・マジック2…「注意力のトレーニング」と呼ばれるマインドフルネスの基本ワーク
・マジック3…慈悲の瞑想
・マジック4…ビジュアライゼーション

これを作者が教わったのが、1968年のカリフォルニア。1950年代にカリフォルニアを中心に禅ブームが起こり瞑想も広がりを見せていたといっても、当時のほとんどのアメリカ人は知らないテクニックであり、まさに「マジック」といっていいものだったでしょう。

モチベーションの維持に役立つ!?

この本は実話を元にしているだけに、読んでいるうちにマジックを試したくなります。確実に効果があるからやってみたいという気持ちが湧き上がってきます。

それはビジネス本とは、少し違う読後感です。特にマインドフルネスは継続難しいといわれるだけに、このように感情を揺さぶる起爆剤は有効かもしれません。

マインドフルネス自体は、Web上に誘導のための動画などもあるので、本を開いて実践するよりもやりやすいかもしれません。ただモチベーションを維持するためのストーリーなど、なかなか目にする機会がありません。

約半数がマインドフルネスの効果を感じる2ヵ月間、モチベーションを維持できるかはわかりませんが、本を読んでからマインドフルネスに挑戦するのもいいでしょう。

心理学を使って、もっと気持ちよく暮らしたいと感じる方は、こちらもご覧ください。

参考:『スタンフォード脳外科医が教わった 人生の扉を開く最強のマジック』(ジェームズ・ドゥティ/プレジデント社)

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