自分の目標に向かって、日々努力していくのは理想の姿でしょう。しかし、実際にはなかなか思い通りにならないもの。では、どのようにすればいいのでしょうか?どうやら目標設定にポイントがあるようです。
- 自信の源は日々の努力
- ワクワクするものを探す
- 子ども時代を思い出す
自信の源は日々の努力
世界中でヒットした『7つの習慣』(スティーブン・コヴィー/キングベアー出版)には、物事には4つの領域があると解説しています。その評価の基準になるのが、「重要度」と「緊急度」であり、緊急度も重要度も高いもの、緊急度は高いけど重要度は高くないもの、緊急度は低いけれど重要度は高いもの、重要度も緊急度も低いものの4つに分かれるというのです。
多くの人は、緊急度への対応で時間を使っています。例えば、アポイントのない訪問や数多くの会議などは、有益だと感じなくても対応せざるを得ません。この習慣を変えて、重要度にそって力を入れていくことが大切だと、『7つの習慣』は説いているのです。具体的には、重要だけれど緊急度が低い人間関係の構築や健康の維持、勉強などが、この領域に入ります。
自分にとって重要なことに日々努力できれば、精神衛生上もプラスです。
トップセールスマンとしての経験から、人材育成会社を立ち上げた青木仁志氏は、1日の始まりに行動を立てて、その日の終わりに実行が確認できれば自信がつき、自分のプランと現実との間に乖離があればあるほど自信が失われていくと指摘しています。
しかも日々少しずつ成果を積み重ねることができれば、努力した自分を尊敬できるようになり、そうした自信は簡単に折れないとも『一生折れない 自信のつくり方』(アチーブメント出版)に書いています。
ただ自分にとって重要だけど緊急性のない事項を、ずっと努力し続けるは簡単ではありません。緊急性がないため、サボろうと思えばいくらでもサボってしまえるからです。
ワクワクするものを探す
こうした大事な目標の先延ばし対策について、思いもかけない解決方法を提示しているのが、メンタルコーチの大平信孝氏です。それは「ぶっとんだ目標」を立てること。そもそも緊急性がなく重要なことは、ほとんどがチャレンジングで新しいことです。つまり「日常」の範囲から少し外れたところにあるものです。だからこそ目標も「ぶっとんで」いる必要があると説きます。
ただし他人から押し付けられた目標や世間一般がいいと言われているような目標ではダメで、魅力的で自分がなりたいと思える目標であることが重要とのこと。
さらに臨場感を持ってイメージできる目標であることもポイントだそうです。
考えてみれば、喜びや使命感がなければ、緊急性の低い行動に向けて努力をし続けるのは難しいかもしれません。そもそも社会の変動が激しく、安定した未来を想像しにくい現在、努力をしておけば未来も安泰といえるような分野を探すことも厳しいでしょう。むしろ未来はわからないけれど、自分が楽しいから努力を続けられることが大切なのです。
子ども時代を思い出す
ただし自分が本当にやりたいことなどそう簡単には見つからないのも問題でしょう。大平氏は、自分の目標にダメ出ししないで、「やったら楽しいだろうな」と思えることをひたすら書き出すことを推奨しています。
それでも何も浮かばない場合は、子どもの時代に夢中になっていたことを思い出すといいそうです。できれば、その当時の流行歌を聞いたり、好きだったグッズなどを見たりしながら回想してみましょう。より記憶がよみがえりやすくなります。
秘密基地をつくるのに夢中だったり、虫の採取が好きだったり、楽器の演奏に熱中した人もいるでしょう。そうした行動が、今の自分の何を刺激するのかを考えると面白いかもしれません。
昔の秘密基地のような趣味の空間を持ちたいと思うかもしれませんし、インテリアへのこだわりがあったのを思い出すかもしれません。朝顔を育てたいと思わなくても、農業ならワクワクできるかもしれません。
数年先の中期的な目標でも、長期的な目標でも構いませんし、仕事につながらなくても問題なし。
ただし「仕事・社会貢献」「お金・モノ」「時間」「人間関係」「心身の健康」「学び・趣味」の6分野にまんべんなく「ぶっとんだ目標」を立てること必要だそうです。
『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(大和書房)には、こうした目標に向かって行動し続ける仕組みも解説していますが、まず「ぶっとんだ目標」を立ててみて自分のモチベーションが上がるのかどうかを試してみるといいでしょう。
日々の生活に使える心理学の活用法に興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:日本産業カウンセラー協会
参考:『7つの習慣』(スティーブン・コヴィー/キングベアー出版)/『一生折れない 自信のつくり方』(青木仁志/アチーブメント出版)/『先延ばしは1冊のノートでなくなる』(大平信孝/大和書房)