ムシャクシャしたり、何だかパッとしない気分だったり、腹の立つことがあったりといったことは誰にでもあるでしょう。そんなとき活用したいのが、気持ちを切り替えるテクニックです。簡単に実行できる方法を4つ紹介します。
- 気持ちのコントロールは難しい
- 手を洗う
- 軽い運動をする
- 笑顔をつくる
- 感情を書き出す
気持ちのコントロールは難しい
気分は意外とコントロールが難しいものです。上司に怒られたりといった強いネガティブな要素がなくても、雨だからとか、何となくといった感じで、どんよりとした気分になってしまうことが少なくありません。
気分の変動が激しい人には、自分の気分を点数化し、天気や気温、その日の出来事などを記録し、気持ちをネガティブにする要因を見つけたりする方法もあり、意外なものとの関連性に気づいたりすることもあるようです。しかし、何となく気分がのらない日もあるといった場合は、その原因を特定するより、気持ちを切り替える方法を身に着けておく方が有効でしょう。
そこで心理学に裏打ちされた気持ちの切り替え方を4つ紹介します。
①手を洗う
ミシガン大学スパイク・リー氏は、ハンドソープで手を洗った心理実験の参加者が、過去の自分にこだわりにくくなったことを発見。記憶や過去へのこだわりを洗い流したと報告しています。
手を洗えば何となくスッキリした気分になるのは、手が清潔になっただけではなく、脳にこびついた記憶やこだわりの一部を洗い流したからというわけです。もちろん強い怒りが消えるといったところまでは効果がないかもしれませんが、何となくパッとしないといった気分ぐらいであればさっぱりと洗い流してくれる可能性があります!
②軽い運動をする
運動が気分を落ち着かせることは、よく知られています。不安、恐怖、怒りを抑える精神伝達物質セロトニンが、運動によって分泌されるという研究結果 もあります。セロトニンは運動を始めて5分後くらいで増加してきます。そして20~30分でピークに達します。
こうした知識を頭に入れて、10分散歩をしたり、15分ジョギングをしたりと、気持ちに合わせて、短時間の体を動かしてみましょう。もちろん運動をし過ぎて疲れてしまうと、仕事をする気にならなりませんのでご注意ください!
③笑顔をつくる
気分は外的な要因でのみコントロールされるわけではありません。しかめっ面をしていればネガティブな気持ちになり、笑顔をつくればハッピーになります。ドイツのマイハイム大学の研究でも、作り笑顔で感情がポジティブになったという報告があります。
気分が落ち込んだときこそ、口角を上げて、笑顔をつくってみましょう。
ただ笑顔がうまくつくれないと感じるなら、お笑い番組を見たり、寄席に行ったり、コメディー映画を鑑賞したりといった時間をつくってみましょう。何となくの感じていたモヤモヤが吹き飛ぶかもしれません。
④感情を書き出す
モヤモヤしている自分の気持ちを書き出して、スッキリしてみましょう。これは「思考の外在化」と呼ばれるもので、気持ちを書き出すことで、客観的に自分の気持ちを見られるようになるのです。
書き出しているうちに、こんなことが嫌だったのかと新鮮に感じることもあるでしょう。またこんなことを気にしていたなんて、バカみたいだなと思ったりするかもしれません。正体がわからないネガティブな感情の正体を暴いてみたら、大したことではなかったということも少なくありません。
用意をするものは紙とペンだけ。とても簡単です。また書き出した紙を燃やしたり、シュレッダーにかけたりすると、イヤな気持ちが処理されたようにも感じるので、さらに効果が高まるといった記事などもあります。試してみてください。
今日は簡単な気分の転換法を4つ紹介しました。ネガティブな感情から抜け出せなくて、仕事の効率が落ちていると感じたときは、思い切って気分の転換に時間を使ってみませんか?
心理学を活用して行動を改善したいと感じている方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣』(大平信孝・大平朝子/サンクチュアリ出版)