手が付けられないタスクに苦しんでいませんか? ToDoリストを使っている人なら、ずっと残り続けるタスクに嫌気がさしている人も少なくないでしょう。そこで残り続けるタスクへの対処法をまとめてみました。
- タスクの4割は破棄される
- 必要のないタスクを削除する
- 2つの質問に答える
- 予定に組み込む
- 15分のタイマーをかける
タスクの4割は破棄される
ToDoリストの問題点として、よく取り上げられているのが残り続けるタスクの問題です。処理をしようと思っているのに、いっこうに消えないタスクは気分のよいものではありません。
ToDoリストを使っていない人でも、同じような問題が起きがちです。頼まれているのに処理できていないタスクによって、自己嫌悪になってしまう人もいるかもしれません。
ただ、最初に確認しておきたいのは、手が付けられないタスクを抱えていること自体、珍しくないということです。ToDo管理サービスサイトの調査によれば、ToDoリストの41%は終わることなく破棄されてしまうそうです。
つまり残り続けるタスクは、破棄されて当然のものもあるというわけです。しかも破棄されるべきタスクは、私たちが思っているより多いかもしれません。
①必要のないタスクを削除する
手がつけられないタスクの処理の第一歩は、本当に必要なタスクかどうかを判断することです。必要のない整理やこだわりすぎたデザインなど、自己満足のためのタスクに手が付かないならバッサリと切り捨てましょう。
また他人に依頼できるもの、外注できるものは思い切って外注にすることも検討しましょう。掃除や庭の手入れなど、どうしても手が付かないなら便利屋さんに頼むのもいいでしょう。
残っているタスクが目に入るたびにテンションが下がってしまうようなら、タスクそのものを破棄するか、外注化した方が自分の生産性も上がります。「今日もできなかった」と悩む前にタスクを自分がこなす必要があるのかを考えましょう。
②2つの質問に答える
心理学者のマイケル・パンタロン博士は、なかなか処理できないタスクに効果的な質問として、次の2つを提案しています。
・このタスクの実行に邪魔なものは何ですか?
・どうして私はこのタスクを完成したいのだろう?
この自分への質問は、タスクへのモチベーションをアップさせるものです。実行に移すための問題点をハッキリさせ、タスクへの思いを再確認する質問だからです。
逆に「どうしてできないんだろう?」「なぜやる気にならないんだろう?」と、自らに問いかけてはいけないそうです。こうした質問はタスクを先延ばしするときの言い訳に使われるだけではなく、タスクを実行できなかった罪悪感を高めてしまうことになるからです。
もちろん上記の質問に答えてみたら、実行すべきタスクではなかったというケースもあるでしょう。「自分では仕事にプラスになると思っていたけれど上司がタスクの実行を邪魔している」「くだらないミエのために実行しようとしていたことがわかった」など、タスクの本質に気づくケースがあるからです。
当たり前ですが、そうした場合はタスクそのものを破棄しましょう。
③予定に組み込む
心理学の研究者であるシェリー・ボーグ・カーター博士は、具体的に予定に組み込むことが大切だと解説しています。というのも手につかないタスクの中には、目標と思えるようなものが含まれているからです。
例えば「書類を整理する」というタスクは、何をどのように、いつ処理するのかがわかりません。これを「2月10日14:00~14:30に、Aプロジェクトのデータだけを別フォルダーに収め、ほかは破棄する」といった形にまとめれば、目標ではなく、具体的な行動の予定なります。
そして、具体的なタスクを15分で終わるタスクに分割します。
過去に簡単に処理できなかったタスクは、いつ、どのように処理するのかを、スケジュール化することが重要です。また自分のモチベーションが高い時間帯に予定を組むようにして、先延ばしが起きにくくしましょう。
④15分のタイマーをかける
行動によってやる気が引き出されることは、広く知られています。そのためには、とにかく手を付けることです。そうすれば、難しいタスクも処理しやすくなります。そこで、まず15分だけ手を付けるためにタイマーをかけて、15分ごとに分割したタスクの1つに取り組みます。調子がのってきて続けられそうなら、次のタスクも処理しましょう。
小さくわけたタスクを、短い時間で処理するようにすれば、タスクを実行する前の心理的抵抗感は小さくなります。
今日は手がつけられないタスクを処理する方法をまとめました。残っているタスクにウンザリしている人は、ぜひ①のステップだけでも試してみてください。
人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:Influence Yourself With a “Why-Do” List(Michael V. Pantalon, Ph.D./Psychology Today)/How to Make To-Do Lists Work for You, Not Against You(Sherrie Bourg Carter Psy.D./Psychology Today)