完璧主義5つの特徴と3つの改善方法

完璧を目指すことは悪いことではありません。しかし完璧主義にはマイナスの影響が大きいタイプがあります。自分が完璧主義で苦しいと感じる人のために、マイナス面の多い完璧主義の特徴と対策をまとめました。

  • 完璧主義2つのタイプ
  • 完璧主義の特徴5選
  • 完璧主義を改善する3つの方法

完璧主義2つのタイプ

完璧を目指して努力を続けられるだけではなく、そうした行動に自分が追いつめられているように感じないなら、完璧主義も悪いものではありません。その特徴はどうすれば達成できるのかを、常に考えていること。高い目標を達成するための努力をし続ける根幹に、成長への前向きな意思や挑戦することへの喜びといったものがあります。

こうした気持ちを背景に持つタイプの完璧主義は問題がありません。そもそも完璧主義に悩むこともないでしょう。

一方、マイナス面の多い完璧主義は、失敗を回避することに焦点を当てがちです。そのため進んで挑戦をすることはなくなり、失敗を過度に恐れるようになってしまいます。じつは、近年の研究では過去30年間、若者の間でマイナスを引き起こすタイプの完璧主義の傾向が大幅に強まっているそうです。その原因の一つとして、SNSなどがあがっているようです。

完璧主義の特徴5選

では、マイナス面の多い完璧主義が進むと、どのような行動をするようになるのでしょうか? 特徴を説明していきましょう。

①現実離れした目標設定
失敗することが許せなくなってくると、非現実的な目標設定にはしるようになりがちです。成長に焦点を当てるプラス面の多い完璧主義では、目標設定に至る道筋も考えますが、マイナス面の多い完璧主義では達成への道筋など無視した目標が設定されます。
そのため自分が疲れてしまうのはもちろんのこと、ときには周りの人たちも疲弊させてしまいます。

②他人に攻撃的になる
完璧主義が自分に向いている間は、攻撃対象は自分自身です。しかし対象が他人に向くと、目標を達成できない人に攻撃しがちです。もともと現実離れした目標設定の上に、達成できない周りの人を責め立てるのですから、周囲の人とはどんどん心理的な距離が開いてしまいます。

「私は正しいことを主張しているのに、みんなわかってくれない」といったグチをつぶやいていたら、自分が完璧主義に陥っていないのかを考えてみるのもいいでしょう。

③あいまいさのない極端な思考
オールオアナッシングの極端な考えになりやすいことも知られています。グレーゾーンがないため、ちょっとしたミスでも許せませんし、相手のイヤな面を少しでも見ると許せない存在になってしまうことも……。気になる面もあるけれど好きだったり、うまくいかない部分もあるけれど成功といった判断ができなくなります。

④強い承認欲求
マイナス面の強い完璧主義者は、他人からの評価を気にします。しかも素のままの自分ではなく、何らかのパフォーマンスが必要だと思い込む傾向が強まるようです。完璧にこなしているから優しくしてもらえるといった考え方は、どんどん行動を委縮させてしまいます。
他人からの承認を得るために努力するので、ときに周りから見れば意味のないことに時間を費やしているケースもあります。仕事などでは、こうした空回りが批判されることもあるでしょう。

⑤先延ばし
失敗が怖くて物事に取りかかることができず、いろんなものが先延ばしになるのもマイナス面の強い完璧主義の人の特徴です。先延ばしが自分にとって大きな問題となっているなら、完璧主義に陥っていないのかもチェックしてみましょう。

完璧主義を改善する3つの方法

では、こうしたマイナス面の強い完璧主義を改善するには、どんな方法があるのでしょうか? 3つの方法を紹介しましょう。

①独り言を変える
マイナス面の強い完璧主義は、自分を強く批判しがちです。「なんて自分はダメなんだ」「最低だ!私」といった言葉を独り言でつぶやきがちです。こうした自分への攻撃を、まずやめるようにしましょう。

自分を攻撃するような独り言がもれたら、「いやいや、自分はけっこう頑張っている」「成功した部分もある」といったようにポジティブな言葉に言い替えます。そのとき自分と同じような状態の親友に、どんな言葉をかけてあげたいのか考えればいいでしょう。
完璧主義で苦しんでいるのは自分自身です。そんな自分を労わることから始めましょう。

②他人と比べない
他人と比べないようにしましょう。それが難しいと感じるなら、他人と自分を比べてしまうようなシチュエーションを極力避けるようにします。それが特定の飲み会や女子会であれば出席を見合わせ、SNSで他人と比べて卑下してしまう傾向があれば、SNSからの通知を切って放っておきましょう。

自分の幸せの基準は、自分でつくればいいのです。他人と比べる環境を少なくすれば、完璧主義の不安感も薄らぐ可能性があります。

③マインドフルネス
瞑想であるマインドフルネスを生活に取り入れてみましょう。Webなどにもマインドフルネスに使える音声ガイドなどがあるので試してみましょう。続けるのが難しいと言われているマインドフルネスですが、さまざまな効果が証明されています。

今日は完璧主義についてまとめました。完璧主義でツライと感じるようなら、マイナス面が強くなっている証拠です。少しでも自分をいたわってあげましょう。

人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:「Perfectionism」(Psychology Today)v

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