孤独で寂しいのはどうして? その心理と対策法を紹介

孤独の危険性に注目が集るようになり、孤独から救いだす方法が各国で検討されています。そこで孤独になったときの心理とその対策を海外の情報などからまとめてみました。参考にしてください。

  • 孤独は主観的なもの
  • 孤独感を強める心理状態って?
  • 7つの対策

孤独は主観的なもの

孤独の人は病気になりやすいといったことを聞いたことがある人は少なくないでしょう。では、そもそもどんな状態が孤独なのでしょうか?

そのことを理解するためには、「孤独」と「孤立」との違いを知る必要がありそうです。

2021年5月に実施された内閣官房孤独・孤立対策担当室の有識者ヒアリングでは、孤独・孤立とも確立した定義はないものの、孤立については英国の社会学者による「家族やコミュニティとほとんど接触がない」が国内でよく使われているという意見が出たそうです。そして「孤独は主観的なもの、孤立は客観的なもの」だとも指摘しています。

つまり孤独は家族やコミュニティとの接触があっても、感じる可能性のあるものなのです。つまり自分の状況を、どうとらえているのかといった面が重要になってきます。

孤独感を強める心理状態って?

米国人501人を対象に行われた孤独の調査では、孤独感が強い人は以下のような傾向があることがわかりました。

・不快な思いをしたとき、自分を過度に責めたり、他人に責任を転嫁しがち
・悪い状況に注目し、ネガティブに解釈しがち
・感情を抑制しやすい
・他人との接触を避けようとしがち
・ネガティブな出来事やそのときの気持ちを繰り返し思い返す傾向がある

孤独な人は他人と関わりを持ちたいと思いつつ、なるべく関わらないようにするという一見、矛盾する行動を取りがちです。じつは近年、本当に困っているのに助けを求めることができない人への支援に注目が集っています。

例えば、自殺するリスクの高い子どもは、誰かに相談するのではなく、カッターナイフで腕を傷つけたり、薬を大量に飲むことによって意識を心の痛みからそらすと言われています。そうした行動は、

「誰かに助けを求めるという行為は無防備かつ危険であり、時に屈辱的だ」

(『「助けて」が言えない』日本評論社)

だからだと医師の松本俊彦氏は書いています。
孤独の心理も、こうした心理に似た傾向があるのかもしれません。自分の現状を悪く解釈する傾向が強く、警戒心が高まっている心理状態ならば、友人を求めて近づくのは勇気がいることでしょう。

7つの対策

ここまで病気にもなりやすく、寿命も短くなると言われる孤独が、考え方の傾向に関連することを説明しました。そうした傾向性を踏まえて、どうすれば孤独から脱出できるのかを、ジェームズ・マディソン大学のナタリー・カー教授が勧める方法を紹介しましょう。

①孤独感が生物的な警告だと理解する
基本的に人は社会とのつながりがないと生きていけません。そのため孤独に陥ると、社会的な関係を強化するように駆り立てます。ただ一つ問題なのは、孤独への危険信号が敵と味方より厳密に区別する方向に向かいがちなこと。

ナタリー・カー教授によれば、着信履歴を残したのにコールバックがない、メールやラインが来ないといった些細な出来事を、攻撃と解釈する可能性があるのだそうです。そのため孤独から救ってくれる友人さえ、「敵」として認識してしまう可能性があります。

孤独感にさいなまれたら、まず孤独への危険信号によって、自分の考え方が偏ってしまったのかもしれないと気づくことです。自分の思い違いで、「仲間」が「敵」になってしまっている可能性を考えてみましょう。

②孤独感を恥ずかしがらない
孤独を感じることは、恥ずかしいことではありません。人は社会的なつながりの中で生きているので、そのつながりがなくなれば寂しく感じるのは当たり前。むしろ生物的な危険に反応していると言えるでしょう。

寂しいから友人に連絡するといったことを恥ずかしがらないで、どんどん行動しましょう。

③マインドフルネスを試してみる
マインドフルネスで身体がリラックスするようになれば、孤独感が減るという研究結果があります。1日20分間瞑想を始めた人は、わずか14日で孤独感が大幅に減少したという研究結果もあるそうです。

④現在の仲間から離れない
孤独感が強まると、社会的な交流から離れる傾向があります。ちょっと面倒くさい、気詰まりなこともある。今までそれほど気にならなかった問題がクローズアップされ、その仲間と会いたくないなと思うようになりがちです。

しかし、そうした思いに抵抗することが、より深い孤独から自分を救うことになります。「もしかしたらつながりを絶ちたくなったのは、脳が孤独を感じているからかも」と考えて、少しだけつながりを維持する努力をしてみましょう。

⑤親切にする
他人に親切にすることで幸福感が高まります。ほんの些細なことでいいので、毎日誰かに親切にしてみましょう。仕事で困っていそうな人を助ける、お気に入りのレストランのオンラインレビューを書くといったことを試すことで、心持ちが違ってくるそうです。

⑥体を温める
体の状態が思考や感情に影響することが各種の研究から明らかになっています。そのような研究から寒いと孤独感が増し、暖かいと社会的な温かさを感じやすくなるそうです。

つまり孤独感を感じたら、体を温めましょう。確かに一人で温泉などにつかっていても、あまり孤独を感じないかもしれませんね。

⑦友人に電話する
重要なことはメールではなく、電話で話すことです。電話はメールよりも心理的なつながりを強く感じことが研究でわかっています。たまには友人の声を聞いてみましょう。

人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。


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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:「Why Some People Are More Likely to Become Lonely」(Arash Emamzadeh/Psychology Today)/「20 Ways to Feel Less Lonely and More Connected 」(Natalie Kerr Ph.D./Psychology Today)

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