人によって態度を変える。あまりいい意味で使われることがない言葉でしょう。でも、すべて自分の思い通りに意見を通すタイプと比べたらどうでしょう?あなたが相手に合わせるタイプかどうかを調べてみませんか?
- まずは自分のタイプをチェック!!
- どちらのタイプが良いというわけでも……
- 昔のような高モニタリング社会ではない
- 別タイプにイラつかないように注意
まずは自分のタイプをチェック!!
相手に合わせすぎれば信頼を失うし、他人の意見をまったく聞かないのでは仕事にならない。
さて、あなたはどちらのタイプでしょう。
まず、自分のタイプを知りましょう。1~10の質問に、自分が当てはまると思ったら○をつけてみてください。
1.人のマネをするのはへたである。
2.自分があまり知らない話題でも、適当に話を合わせることができる。
3.人に好かれようとしてなにか行ったりやったりしない。
4.人を楽しませようとして冗談をいったり演技をすることができる。
5.私は自分が本当に信じていることしか話せない。
6.私は状況と相手によって、ふるまいを変えることができる。
7.ジェスチャーのようなゲームやアドリブは、苦手である。
8.私は外で見せている顔と心の内とが違うことがある。
9.人前に出ると気まずく感じ、思うように自分が出せない。
10.ほんとうは嫌いな人でも、親しげにふるまうことができる。
回答が終わったら、○の付いていない奇数番号と、○の付いている偶数番号の数を足してください。6点以上は他人に合わせるタイプ。4点以下は他人に合わせないタイプです。
どちらのタイプが良いというわけでも……
心理学者のスナイダーは、自分と相手との関係や自分が置かれている状況をモニターしながら人間関係を進めていることを発見しました。そして人に他人の動向を気にする「高モニター」と、周りの人の意向を気にせず自分の思い通りに動く「低モニター」の人がいることがわかってきたのです。
上記の心理テストは、スナイダーが1986年に作成したテストを『図解雑学 人間関係の心理学』(ナツメ社 齋藤勇 著)から転載したものです。
この点数の高低どちらがいいというものではありません。「高モニター」の人が行動が過ぎれば「信用ならない人」だと評価され、逆に「低モニター」過ぎる行動を取れば、いまや懐かしい「KY(空気読めない)」や付き合いにくいと評されることもあります。
これは所属する組織によっても、評価が変わってくる項目でしょう。
昔のような高モニタリング社会ではない
スナイダーは日本を高モニタリング社会であると指摘していますが、現在は上司やお客さんの想いを「忖度(そんたく)」して動くことが評価される世の中でなくなってきているようです。
じつは相手の様子を見ながら、周りの「想い」や「期待」を背負って先回りして動くといった行動は、自分と同じような環境で育ち、同じような意識で動くはずだという認識がないと評価されないのです。社会がグローバル化し、仕事の進め方や評価も世界基準で動いている場合、日本人的な気遣いが逆に失礼に当たることすらあるようです。
むしろ今、社会に求められているのは、暗黙の了解で済ませてきたことが、相手にとってプラスになるのかどうかを確認することではないでしょうか。また、そうした確認事項に、上司もしっかり対応することが必要かもしれません。
暗黙の了解で仕事が進むのは、慣れてくると確かに楽ですが、逆にイノベーションを起こしにくいという側面もあります。ビジネスのスピードがどんどん速くなり、今日の常識が明日には時代遅れとなるような社会では、ときに「慣例」での対処が時代からの乗り遅れを生んでしまう原因になりかねません。
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別タイプにイラつかないように注意
冒頭のテストで、結果がかなり「高モニター」や「低モニター」だった人は、逆のタイプにいらつかないように気を付けましょう。「高モニター」の人から見れば、「低モニター」タイプは「融通が利かない」「自分勝手」と映るかもしれません。逆に「低モニター」の人から見れば、「高モニター」タイプは、「だらしがない」とか「節操がない」「自分がない」と映ることもあるでしょう。
しかし人が生きていくためには、どちらも必要です。
別のタイプを目の敵にするのではなく、役割分担を考えながら、歩み寄っていきたいものです。
監修:日本産業カウンセラー協会