「婚活」が一般化して早や数年、理想の結婚相手を探すために、婚活パーティーやマッチングアプリなどを使う人も少なくありません。そんな出会いの場で、どんな質問すべきでしょうか?結婚に向く質問をご紹介します。
- 最初に「好きなこと」を聞くのはなぜ?
- 好きなことが同じなら仲良くなれる!バーンとネルソンの実験
- 結婚相手を探すなら「嫌いなものは何ですか」と聞いたほうが早い!
- 嫌いなものが似ているカップルの恋が長続きする!ボッソンの実験
- 自分の嫌いなものをはっきり示そう
最初に「好きなこと」を聞くのはなぜ?
お見合いといえば「ご趣味は?」という質問が思い浮かびますが、最初に相手の好きなことを聞くのはなぜなのでしょうか。最初に聞くこととして非常にハードルが低いということもありますが、趣味が似通っていれば「仲良くなれるかも」と思うからではないでしょうか。
2人とも映画が趣味であれば、初デートは映画館で決まりでしょう。自然が好きなら、トレッキングもありですね。このように会話が広がり、次の約束を取り付けやすいから「好きなこと」を聞くのですが、実は好きなことが同じだと、心理的な距離が一気に縮まることが、心理実験からもわかっています。
好きなことが同じなら仲良くなれる!バーンとネルソンの実験
アメリカの心理学者、バーンとネルソンは、学生たちを対象にある実験を行いました。事前に、被験者たちに向けて様々なテーマに関する意見を募っておき、その中の一人に他の学生の調査票を見せます。そして、その人の知的さや道徳性などを評価させました。
すると、被験者自身と意見が一致する率が高くなるほど、相手への好感度が高まることがわかりました。同じ意見、似たような意見を持つ人に、人は好意を抱くということが実証されたのです。
結婚相手を探すなら「嫌いなものは何ですか」と聞いたほうが早い!
しかし、末永く付き合わざるを得ない結婚相手を探すとしたら、好きなことではなく嫌いなことを聞いたほうが良いということもまた、心理実験からわかっています。「ご趣味は……」ではなく、「嫌いな芸能人は?」という質問から始めたほうが、自分と本当に気が合う人を素早く見つけられるというのです。納得の心理実験をご紹介しましょう。
嫌いなものが似ているカップルの恋が長続きする!ボッソンの実験
南フロリダ大学の心理学者、ボッソン博士とその研究グループが、大学生の男女およそ100人に向けて実験や調査を行ったところ、「好きなものが共通している2人」よりも「嫌いなものが共通している2人」のほうが、恋が長続きすることがわかりました。
なかでも盛り上がったのが「苦手な人」の話題だったといいます。いかにその人が嫌いか、どんなところが苦手かといった話題で会話が盛り上がった2人は、親密度が一気に高まったそうです。
心理学者は、「好きなものというのは時を経て変化していくものだが、嫌いなものは生理的な要因を含んでいるため、そうそう変わらない。だから、嫌いなものが共通しているカップルのほうが長続きするのでは」とみています。
自分の嫌いなものをはっきり示そう
マッチングで嫌いなものを尋ねられると、「これが嫌いと言ったら、相手はちょっと引いちゃうかな?」などとためらい、当たり障りのない答えにしておいたほうが良いのではと思うかもしれません。しかし、嫌いなもの、苦手なものを表明することこそ運命の相手と巡り合える糸口になるなら、はっきりさせたほうが良いでしょう。
いざとなると、嫌いなものを「嫌い」とはっきり言うことは難しいもの。普段から、自分は何が苦手なのかを意識して生活してみることが大事です。「苦手な人は誰ですか?」と問うとき、「実は……」と、2人の間には秘め事めいた空気が流れます。実は、その空気こそが2人の距離をぐっと近づけるスパイスになっているのかもしれませんね。
参考
『閲覧注意の心理学』(日本文芸社)
『ココロの謎が解ける50の心理実験』(王様文庫)