異性と仲良くなりたい。そんな想いに駆られたことはありませんか?
では、実際にはどんな行動をしたらいいのでしょうか?プレゼントをあげる、食事に誘う。どちらも悪くないでしょう。でも心理学がお勧めするのはアルコールです。
- 異性の顔の魅力が大幅アップ
- もしかしたら、もっと嫌いになる?
- 人が魅力を感じる4つのポイントとは?
異性の顔の魅力が大幅アップ
近年、お酒を飲まない人も増えてきました。
「飲みに行かない?」と言う機会も減ってきているのではないでしょうか。しかし古くさい誘い文句のように感じますが、異性との距離を縮めたいならば、アルコールの力を借りることが近道だと、心理学が教えてくれています。
アルコールによって認知や知覚がどのように変化するのかを調べたのが、スコットランド・グラスゴー大学のバリー・ジョーンズ博士などでした。118名の男女の顔がランダムに表示されるシステムを使い、その顔の魅力などを1~7点で点数を付けたり、顔の魅力と比べるために時計の魅力についても点数を付けてもらうという実験を繰り返し行ったのです。
面白いのは実験参加者を大学にあるバーで見つけてきたこと。実験参加者は18~26歳。アルコール摂取量は、自己申告制で6段階に設定しました。
結果的には、時計の魅力などをしらふのときと酔っぱらった場合を比べても、数値に特に変化はありませでした。ところが異性の顔の魅力については、しらふと酔っぱらいではかなりの差が出たのです。
女性が男性の顔を評価した場合は、7点満点でしらふが3.3点なのに酔っぱらいだと4.0点。男性が女性の顔を評価した場合は、しらふが3.5点なのに酔っぱらうと4.1点になるのです。
この数値の差は、心理学的にいえばかなり効果があると証明されたことになるのです。
もしかしたら、もっと嫌いになる?
この結果について、この実験を紹介している『脳がシビれる心理学』(実業之日本社)の著者である妹尾武治氏は、お酒を飲むと異性を魅力的に感じる理由について、「お酒を飲んで気分爽快になった理由が目の前の異性だと勘違いするケース」と、「もっと相手を高く評価したいという潜在的な欲求がお酒で解放されたケース」の2つをあげています。
もし、後者の仮説が当たっているなら、日常的に嫌悪感を抑えている人と一緒にお酒を飲むと、さらに評価が下がるというマイナスの効果もありそうで怖いですね。
いずれにしても、お酒を一緒に飲めば異性の評価が上がる可能性があるといえそうです。ただし、アルコールの補正が入った魅力が、しらふで長続きするかどうかは分からないという「危険性」についても念頭に置いておく必要はありそうです。
人が魅力を感じる4つのポイントとは?
さて、そもそも人の魅力は、どのような要素によって成り立っているのでしょうか?
フェリス女学院大学の潮村公弘教授は、対人の魅力に4つのポイントがあると指摘しています。それが「熟知性」「類似性」「返報性」「身体的魅力」です。
「熟知性」は、その人とどれだけ会い、どれだけ知っているのかというポイントです。つまりお互いのことを知れば知るほど魅力的に感じるというわけです。
「類似性」は、価値観や体験がどれだけ近いかというポイント。相手の主張に反対意見ばかり言っていると、「類似性」が低いと判断されることもあるというわけです。
「返報性」は自分が好意を持つと、相手も好意を持つという関係性について述べたもの。そしてお酒で大幅にアップするのが「身体的魅力」。
こう考えると自分が好きな人を飲みに誘う場合、お互いをもっとよく知るために会話を深め、より多くの類似点を発見できるようになれば、さらに異性との距離が縮まる可能性がありそうです。
しっかり話した上で互いに魅力を確認できれば、しらふで会ったときの幻滅感も少なくなるでしょうから、アルコールの力だけに頼るのではなく、自分自身の魅力を伝える会話の内容についても考えておくことが大切かもしれません。