「ウソを見破る方法があればいいな~」と思ったことはありませんか?すっかり騙されたとわかったときなど、そんな思いに駆られたりするものですよね。そこでウソを見破る方法についてまとめてみました。
- ウソをつくときは視線をそらさない
- とっさに出たウソは気づきにくい
- とっさのウソは矛盾点を探す
ウソをつくときは視線をそらさない
ウソを見破る方法として、よく言われるのは「視線をそらす」という動作です。しかし、これは間違いのようです。一般的に視線をさまよわせるのは、思考を巡らせて答えを探すときです。ところがウソをついている場合、答えを用意していることも多いので、視線をそらすことなく答えるというのです。
また心理学者のグスタフソンとオーンの実験によれば、ウソをつこうとしても、その嘘に関係する知識が欠けていると、固く座席に座ったままとなることを明らかにしています。
つまり誰かにウソをついてもらいたいなら、ウソに関連する情報まで伝えておかないと固まってしまってうまく答えてくれない状態になる可能性があるということです。
とっさに出たウソは気づきにくい
同じウソであっても、ウソをつこうと準備している場合と、とっさに出たウソでは反応が違うことを明らかにしたのは、心理学者のオヘアでした。
テキサス工科大学の学生を使った実験では、意図的に準備したウソをつくときは、ウソをつく前に以下の特徴的な行動があったそうです。
・発言前の沈黙が少ない
・姿勢の変化も少ない
・うなずきが多い
・話が短い
・微笑みが少ない
・顔や体を無意識に触る回数が増える
一方、とっさについたウソにたしては、「顔や体を無意識に触る回数が増える」といった動作だけが見られましたが、その回数はウソを準備していたときよりも少なかったのです。
さらにウソをついた後の行動も観察したところ、準備したウソであっても、とっさについたウソであっても、通常との行動に変化は見られないそうです。
じつはウソをつくときに、体の一部を触るという行動はビル・クリントン元大統領の尋問でも話題になりました。実習生だったモニカ・ルインスキーと男女関係があったのかという上院の尋問で、26回も自分の鼻に触れたというのです。
このときは答える内容も綿密に弁護士などと話し合われており、ウソをつく準備が整えられていたので、ウソに対する体の反応も出やすかったのでしょう。
とっさのウソは矛盾点を探す
この実験結果に従えば、ウソをついた後の反応からは、ウソをついたかどうかを見極めるのが難しいと考えるべきでしょう。そしてウソを準備しているケースでは、特徴的な動作がいくつも表れますが、とっさに口から出たようなウソは、体に触れるという動作だけ。しかも回数が減ってややわかりにくいのです。
表情からウソを見抜きたい人は、こちらをクリック
つまりとっさについたウソは、その場でウソを見破るのが難しくなります。その壁を突破するためには、準備時間の少なかったウソの矛盾点を発見することです。そうした矛盾点を追及すれば、さらにウソを重ねるときには、事前にウソをつく準備ができていますので、体の反応も出やすくなっているでしょう。
ウソを追求する立場になりたいと思う人も少ないとは思いますが、万が一のときに役立つウソをついた人の反応に関する情報でした!
監修:日本産業カウンセラー協会
『とっさのしぐさで本音を見抜く』(トルステン・ハーフェナー 著/サンマーク出版)/『対人社会心理学重要研究集3』(齊藤勇 編/誠信書房)