心理学が教える占いが当たる本当の理由

なぜ人は占いを信じてしまうのでしょうか? もちろん未来を見通せる能力を持っている人はいるかもしれません。でも、コミュニケーションのテクニックにはまっている可能性も! 占い師を信じてしまう心理テクニックについてまとめました。

  • 占いが当たったと感じてしまう文章
  • あいまいルーズ
  • 二重人格ルーズ
  • おだてルーズ

占いが当たったと感じてしまう文章

占いの心理学的効果として有名なのが、「バーナム効果」でしょう。これは、誰にでも当てはまるような言葉を、自分のことだと思ってしまう現象です。

米国の心理学者バートラム・フォアが実施した心理実験では、まず学生に性格診断テストを受けてもらいます。そのうえで新聞から切り抜いた占いを適当に抜き出した同じ内容のものを、全員に診断結果と配ったのです。

そして、どれぐらい当たったのかを5段階評価してもらったところ、4.26という得点をはじき出しました。

つまりほとんどの学生が、自分の性格を言い当てていると感じたのです。その診断結果に使われた文章は、次のようなものでした。

①「これで正しかったのかと、自分の行動や発言に疑問を持つときがあります」
②「あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思う一方で、自己批判する傾向があります」
③「あなたは外交的・社交的で愛想のよい一面もありますが、その一方で内向的で用心深く遠慮がちなときもあります」
④「あなたは、使わないまま活かしきれていない才能を持っています」

『ココロの謎が解ける 50の心理実験』(清田予紀/三笠書房)より抜粋

どうでしょうか?

どれも曖昧な記述ばかりですが、性格診断テストを受けたという前提あれば、自分の心を見抜いたと感じてしまうのです。

そして上記のような曖昧な表現には、いくつかのパターンがあることもわかっていますので、いくつか紹介していきましょう。

あいまいルーズ

①の「これで正しかったのかと、自分の行動や発言に疑問を持つときがあります」という文章で注目してもらいたいのは文末です。「ときがあります」と書いてありますので、疑問を持つときもあれば、持たないときもあるわけです。「自分の行動や発言に疑問を持つ」といったことは、誰もが経験することなので、この書き方であれば、誰もが当てはまります。

心を言い当てる際のあいまいなフレーズを、「あいまいルーズ」と呼びます。場面を特定しているわけでもないのに、あいまいだからこそ自分の事だと感じてしまう心理をついたものです。

同じような効果を持つ語尾に、「~してしまうことがある」といった表現もあります。

二重人格ルーズ

②「あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思う一方で、自己批判する傾向があります」

③「あなたは外交的・社交的で愛想のよい一面もありますが、その一方で内向的で用心深く遠慮がちなときもあります」

この2つの文章は、「二重人格ルーズ」と呼ばれるものです。心理の両面が入っているので、ほとんどの人に当てはまってしまう表現です。人間はシチュエーションによって、感じ方も他人への対応も変わります。そのため真逆の2つの性格傾向を並べて、どちらも持っていると言われれば納得してしまいます。

これが「あなたは内向的で用心深く遠慮がちです」という文章であれば、「社交的だし」と思って否定する人も出てくるでしょう。そうした思いを封じているのが、「外交的・社交的で愛想のよい一面もあり」という言い回しです。

二重人格ルーズは知識さえあれば気づきやすい表現でしょう。

おだてルーズ

④の「あなたは、使わないまま活かしきれていない才能を持っています」は、おだてルーズと呼ばれているものです。

この表現はほめてくれた人を信じやすいという心理テクニックを使ったものです。褒められた自分を疑うことは、自分の優れた面も否定することになるので、どうしても信じやすくなってしまうそうです。

そもそも「活かしきれていない才能」という表現は、表に出ていないだけに何でも当てはまります。占いに来た人が「活かしきれていない才能」について占い師が適当に語っても、占いに来た人が自分から「そういえば!」と話し始めても、「当たった」という気持ちになります。

今日は占いが当たったように感じるテクニックを、心理学的な側面から紹介しました。占いは信じてみるのも楽しみの一つかもしれませんが、こうしたテクニックがあることを知っておいてもいいかもしれませんね。

人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:『ココロの謎が解ける 50の心理実験』(清田予紀/三笠書房)/『一瞬で相手を落とす! コールドリーディング入門』(石井裕之/フォレスト出版)

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