ちょっとした行き違いから、どんどん仲が悪くなってしまうことってありませんか。そこで関係をより悪化させる6つのコミュニケーションパターンを紹介します。パターンを知っておくことで、関係を悪化させないヒントが見つかるかもしれません。
関係が少し悪化しているときこそ要注意
ケンカして後に関係性を修復しようと思っても、なかなかうまくいかないことがありますよね。これは修復しにくいコミュニケーションパターンに、無意識のうちにはまっていくケースが少なくありません。つまり悪いコミュニケーションパターンを知っておけば、意識的に避けることもできるのです。
恋人同士、夫婦間、あるいはビジネスの現場でも、どうも仲がしっくりいってないと思ったら、まず自らのコミュニケーションの仕方をチェックしてみてください。
①悪意のマインド・リーディング
互いに悪意から発言していると思い込む傾向が強まります。
例えば、関係性を修復したいと電話したとき、「ごめんなさい。今、忙しいので」と発言されたら、きっと避けられているに違いないと思いがちです。これは通常の関係性ならば、本当に忙しいんだろうと思えるのですが、少し関係性が悪くなると、ついつい悪い方に考えてしまうのです。
こうしたときに事実の部分にだけ着目し、勝手に悪いように解釈しないようにするだけでも、さらなる関係悪化を防ぐことができます!
②ネガティブ・インパクト・コミュニケーション
関係性が悪いときには、ショック度の大きいネガティブな情報交換をする頻度が高まるそうです。相手に伝える情報の選択が、無意識にネガティブになっていくということなのでしょう。
つまり関係性が悪化しているときこそ、相手にどんな情報を伝えるのか、しっかりと考える必要があるということです。誰でもネガティブな情報だけを伝えてくる人と会いたくないですよね。
しっかりチェックしてみてください。
③相互非難のコミュニケーション
これは恋人や夫婦などでも、見られるコミュニケーションパターンです。
「おまえはいつもそうだな」「あなたこそ」といった会話が典型的です。お互いに非難し合うコミュニケーションは、関係性をさらに悪化させるだけ。少なくとも自分から相手を非難しないようにするだけで、その後の展開は変わってきます。
④勝負のコミュニケーション
仲が悪ければ悪いほど競ってしまいがち。しかも勝つか負けるのか、勝負をしっかりつけたくなるから要注意です。日常生活の多くの事項は「勝ち」も「負け」もありません。無理に競う必要などないのです。
⑤メタ・コミュニケーションへの落ち込み
メタ・コミュニケーションとは、「会話についての会話」をさします。説明はちょっとわかりにくいので、典型的な発言を憶えておきましょう。「それで結局何を言いたいんだ」「どうして、そんなことを言うの?」といった発言が典型です。
けっこう言ってしまう言葉ではないでしょうか。
このように会話そのものへの疑問でコミュニケ―ションを取ると、そこから抜け出せなくなり、非生産的で、互いの関係性を悪化させるコミュニケーションが続いてしまうのだそうです。
⑥自己完結的コミュニケーション
相手との会話ではなく、自分で勝手に結論を導きだしてしまうコミュニケーションです。例えば、「〇〇ってことは、最終的〇〇ってことになるんだね」といった発言です。
相手からの答えを待たずに、勝手に答えを決めて、相手を追い込んでしまうのです。関係修復どころか、関係がどんどん悪くなってしまうようです。
こうやって6つのコミュニケ―ション方法を並べてみると、やった経験があると感じることも少なくないのではないでしょうか。こうしたネガティブ・コミュニケーションのパターンを避けることで、とりあえず関係悪化を防ぐことができるでしょう。
慌ただしい年末はイライラしがちです。関係性を悪化させないために、少しだけコミュニケーションのパターンをチェックしてみませんか?
参考:『図解雑学 人間関係の心理学』(立正大学名誉教授 齊藤勇 著/ナツメ社)