子どもの健やかな心理環境を育てられるような言葉をかけてあげたいですよね。子どもは、ポジティブな言葉で明るく育つもの。いつでもかけてあげられる、また簡単に変換できる言葉を中心に集めてみました。
- 「大好きだよ」(存在の全肯定)
- 「○○なら大丈夫だよ」(根拠を必要としない信頼)
- お手伝いをしたら「偉いね」より「助かった、ありがとう」
- 片付けや宿題は「いつやる?」
- 同じ失敗を繰り返したら「どうしたらいいと思う?」
- 「○○だから、危ないよ」と理由をつけて注意する
- 「頑張らなきゃ」ではなく「楽しもうね!」
- 親も子も、心を晴れやかにする言葉を大切にしよう
①「大好きだよ」(存在の全肯定)
まずは黄金の言葉から。「大好きだよ」と言うのは照れ臭いかもしれませんが、親に存在を全肯定されていることを子どもが感じられる、たった一つの言葉です。子どもは、肯定されれば精神が安定します。そして条件付けではなく、自分が自分であるだけで「好き」と言ってくれる存在があるということが、ゆるぎない自信につながっていくのです。
② 「○○なら大丈夫だよ」(根拠を必要としない信頼)
子どもは初めてのことばかり。挑戦しようとするときには、常に不安が付きまといます。そんなとき、一緒におろおろするのではなく、「○○なら大丈夫だよ」と伝えてください。根拠を必要としない信頼が、子どもの不安を和らげます。そしてまた、根拠を必要としない自信も生まれてくるでしょう。
③お手伝いをしたら「偉いね」より「助かった、ありがとう」
子どもがお手伝いをしてくれたとき、「偉いね」と声をかけていませんか。何かをしたから偉い、と条件付けの誉め方をしてしまうと、子どもは「自分の価値は行為によって決まる」と思ってしまいます。「やってくれて助かった、ありがとう」と声をかけましょう。親の助けになれたのだと、子どもは嬉しく感じ、充実感を得るでしょう。
④片付けや宿題は「いつやる?」
食事の時間になっても片づけをやっていない、夜遅くなっても宿題をやり始めない……。どんなときにはイライラして「早くやりなさい!」「まだやってないの?」と怒鳴ってしまいがち。でも、それでは子どもは委縮してしまいます。「いつやる?」と、子どもに任せる姿勢を取ることで、より柔らかな声がけになります。そのうえ、子どもは有言実行の習慣が身につきます。
⑤同じ失敗を繰り返したら「どうしたらいいと思う?」
コップを倒す、飼い猫をいじめる、スマホをいじくりまわす……。子育てをしていると、「何度、同じことを言わせるの!」と怒鳴ってしまいたくなる場面があるものです。そんなときは、ぐっとこらえて「どうしたらいいと思う?」と言葉をかけてみましょう。意外と「わかってるじゃん!」な言葉が返ってきますよ。「あなたは、どうしたらいいか知っているよね」というメッセージは、子どもの肯定につながります。
⑥「○○だから、危ないよ」と理由をつけて注意する
子どもが危険な行為をすると、とっさに「危ないっ!」と、とっさに声と手が出てしまいますよね。でも、それだけでは、何が悪くて怒られたのか子どもは理解できず、混乱してしまいます。
初めは条件反射的に言葉が出てしまうのでしょうがないですが、「ハサミを触ると、手が切れちゃうかもしれないから危ないよ」など、後で必ず理由をつけましょう。でないと、何が危ないのかが伝わらず、同じことを繰り返します。そしてそのたびに怒られ、ますます混乱してしまいます。
⑦「頑張らなきゃ」ではなく「楽しもうね!」
運動会など、子どもが張り切っている場合は「頑張ろうね!」でいいのです。でも、運動が苦手で、子ども自身が暗い表情になってしまっているときは、言葉に気をつけなければなりません。「頑張らなきゃ!」と奮い立たせると、ますます子どもにプレッシャーがかかってしまう結果になりがちです。
そこで、「頑張る」という言葉の代わりに「楽しむ」という言葉を使いましょう。結果がどうあれ、楽しい一日であれば、その日はパーフェクトと言っていいはずです。
親も子も、心を晴れやかにする言葉を大切にしよう
ネガティブな言葉の積み重ねは、子どもの気持ちを重苦しくし、キラキラした可能性も潰してしまうのではないでしょうか。それは親にとっても悲しいことのはず。なるべくポジティブワードを使い、子どもの存在を認め、信じてあげましょう。そうすればきっと、のびのびと気持ちの良い子に育つ可能性が高まります。
参考
『1人でできる子になるテキトー子育て 世界トップ機関の研究と成功率97%の実績からついに見つかった』(『1人でできる子になるテキトー子育て 世界トップ機関の研究と成功率97%の実績からついに見つかった』(はせがわわか 著/SBクリエイティブ)
『合格する子どものすごい伸ばし方』(松本 亘正 著/かんき出版)
『0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』(明橋 大二 著/1万年堂出版)