繊細すぎる子どもHSCって?特徴と子育てのポイントを紹介!

自分の子供を敏感過ぎなのでは、と思ったことはありませんか?大きな音やまぶしい光に驚いて泣き出したり、すごく臆病だったり。そんな繊細な子ども「HSC」の特徴と、その子たちが生き生きと力を発揮できるようになるポイントを紹介します。

知っておきたい6つの特徴とは

繊細すぎる人である「HSP」(Highly Sensitive Person)については、多くの人が知るようになりました。人口のおよそ20%の人に見られるもので、病気や障害ではなく、生まれつきの人格特性です。そして同様の特徴を持つ子供を「HSC」(Highly Sensitive Child)と呼びます。

同様の人格特性であっても子どもと大人では表し方も異なり、対処方法も違ってきます。しかも普通とはちょっと違う子どもへの対応に、保護者が戸惑ってしまうこともあるようです。


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HSPの権威であるエレイン・N・アーロン博士は、知っておくと安心なHSCの特徴を6つあげています。まず、それを紹介していきましょう。

①細かいことに気づく
匂いや音、光、手触りや人間関係など、子どもによって対象に違いはあるものの、何かしら敏感な部分を持っています。そのため幼児期には、ちょっとした温度の変化や味の違いなどでぐずりだしてしまうことがあるようです。そのため、少し育てにくいなと感じてしまう方もいるようです。

このような特徴へのアドバイスを、アーロン博士はいくつか書いていますが、そのうち2つをここで紹介しておきましょう。

・子どもを信じる

保護者がそう感じなくても、「痛い」「ザラザラする」「チクチクする」と言うのなら、子どもにとってはそれが真実なのです。

敏感な子どもにとっての「真実」を、まず認めることは重要でしょう。嘘をついているわけではなく、ただ感じたままを口に出しているだけ。そのことを信じてくれる親が近くに居ることで、HSCも安心できるでしょう。

まずは気持ちを受け止め共感してから

例えばシートが気持ち悪いと感じても、その車に乗って帰らなければならないときは、子どもの不快な気持ちを受け止めた上で、それでもやらなければならない理由を説明しましょう。

刺激を受けやすい
大量の情報にふれたときHSCは、興奮してしまうことがあるそうです。そのためいきなり泣き出したり、動揺してしまうことがあります。ただ、アーロン博士は、次のように書いています。

HSCはみんながすぐに興奮してしまうわけではありません。大抵のHSCは、大きなプレッシャーや刺激のある状況でも、落ち着いて問題なくこなせる分野を持っています。しかし、それ以外の分野では、刺激を受けやすい傾向にあります。

その得意分野から自信を持たせていくという子育てもあるようです。

③強い感情に揺さぶられる
HSCは幸せや喜びも人一倍感じますが、つらさの感じ方も大きいという特徴があります。そのため不公正なことや葛藤、苦痛に強いストレスを感じる傾向があります。

つまり残忍な映像シーンが苦手だったりしますし、いじめなどを見ても不安定になり、人種差別などの社会問題にも心を痛めます。あまりに感情が揺れ動いているときは、休ませることを優先することだとアーロン博士は書いています。

④他人の気持ちにとても敏感

HSCはちょっとした動作やしぐさ、表情から相手の本当の気持ちを悟ります。特に保護者の気持ちには敏感です。悲しい気持ちを隠して笑っていても、あるいはつまらない気持ちを抑え込んでいても、子どもにはわかってしまうのです。

こうした特性を持っているからこそ、アーロン博士は次のようにアドバイスします。

親が自分の思いに正直になることが、子どもにとって大きなプラスになります。大人になると「自分の思いに正直になる」ことは、なかなか難しいものですが、そうやって子どもに接すると決めることで、親の世界観も変わってくるかもしれませんね。

⑤石橋をたたき過ぎる
HSCはとにかく慎重です。そのため親からすると、人生のチャンスを逃してしまうのではと心配になってしまうこともあるようです。
ただ、新しいチャレンジの中にも、目線を変えることで安心できるポイントを発見できるケースがあります。少しずつ成功を積み重ねていくことで、世界を広げていけるようです。

⑥注目されやすい
他の人とやや違うことで、自分より上か下かを見定めようとする他人の視線にさらされることがあるようです。こうした状況に対するアーロン博士のアドバイスは、次の通りです。

他とは違う子の親になるなら、他とは違う親になる覚悟がなくてはなりません。HSCの違いの良さも知り、子どもの自己肯定感を高めていくことは、保護者の役割の一つと言えるかもしれません。

HSCに必要なのは、「助けてくれる人がいる」という安心感だそうです。保護者との安定した人間関係をつくることができれば、ストレスも感じにくくなるとアーロン博士は指摘しています。

今日は『ひといちばい敏感な子』から本の一部を紹介してみました。かなり情報の豊富な本なので、HSCに関してより詳しい情報を知りたい人にはお勧めです

心理学・メンタルヘルスに興味のある方や学んでみたい方はこちらをご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考図書:『ひといちばい敏感な子』(エレイン・N・アーロン 著/1万年堂出版)/『敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本』(長岡真意子 著/秀和システム)

   

「働く人の心ラボ」を運営する日本産業カウンセラー協会では、新型コロナウイルス感染症に関連して不安やストレスにどう対処していくか、産業カウンセラーによるコラムを配信しています。 こちら からご覧ください。
※産業カウンセラーは、心理的手法を用いて、働く人やそのご家族の心の健康(メンタルヘルス、HSP等)・キャリア開発・職場環境改善等を支援する専門家です。

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