「もしかして?私って毒親??」どんな親が「毒親」なのか調べてみました!

「毒親」という言葉を見聞きするようになるにつれ、「自分が毒親かも」と不安になってしまう人も多くなっているようです。そこで毒親の定義などについて報告します。

  • 「毒親」を日本に広めたセラピストは7タイプに分類
  • 子どもの愛着スタイルから考える
  • 自信過剰な親は危ない!?

「毒親」を日本に広めたセラピストは7タイプに分類

イライラして子どもに怒鳴ってしまうことはあるでしょう。近年「毒親」といわれるような、子どもの成長にとってマイナスの影響がある親の存在が知られるようになり、自分もそうだったらどうしようと不安になる人もいると思います。

そこで、どんな親が「毒親」なのかを調べてみました。

「毒親」という言葉を日本に広めたとされる、カリフォルニアのセラピスト、スーザン・フォワードは、著書『毒になる親』(毎日新聞社)で、7タイプの毒親を示しています。

①「神様」のような親
②義務を果たさない親
③コントロールばかりする親
④アルコール中毒の親
⑤残酷な言葉で傷つける親
⑥暴力を振るう親
⑦性的な行為をする親

この中で①の「『神様』のような親」は少し説明が必要かもしれません。これはギリシア神話に出てくる神様のような親を指し、そのときの親の気分で子どもを罰するタイプだそうです。

こうやって並べると、①の「『神様』のような親」や③の「コントロールばかりする親」は、状況によってその範囲も変わってしまいそうです。

しかし、『毒になる親』(毎日新聞社)には、どのタイプにも共通する毒親の特徴を次のように書いています。

ひとことでいえば考え方が常に自己中心的で、何事も自分の都合が優先する。

健康な家と「毒になる家」の最大の違いは、家族メンバー一人ひとりにどれほど個人的な考え方や感情を表現する自由があるのかという点である。

さらに毒親のいる家庭では、

メンバー一人ひとりが自分を表現することを認めず、子どもは親の考えに従い、親の要求を実行してなければならない

つまり子どもの意志をしっかりと尊重しているかどうかという点が、「毒親」であるかないのかの一つの基準というわけです。

子どもの愛着スタイルから考える

一方、精神科医でもある水島広子さんは、『「毒親」の正体―精神科医の診察室から―』(新潮社)で、毒親を次のように定義しています。

子どもの不安定な愛着スタイルの基盤を作る親

まず愛着スタイルとは、主に幼少期の「母親的役割」の人との関係からつくられる行動様式のことだそうです。

そしてイギリスの精神科医ジョン・ボウルビィ氏は、愛着スタイルを「安定型」「不安型(とらわれ方)」「回避型(愛着軽視型)」の3つに分類しました。そのうちの2つが不安定な愛着スタイルだというのです。

具体的に説明しましょう。

不安型(とらわれ方)の愛着スタイルは、母親が温かく助けてくれることもあれば、冷たく突き放されるような不安定な環境に育った人のもので、見捨てられる不安から相手の顔色をうかがうように育ってしまうそうです。

著書『毒になる親』(毎日新聞社)の分類で言えば、①の「『神様』のような親」が、その典型でしょう。

回避型(愛着軽視型)の愛着スタイルは、母親がいない、あるいは気にかけてくれないため、情緒的なやりとりがほとんどない環境で育った人で、他人に助けを求めることができないのが特徴の一つだそうです。

「毒親」によって、このような愛着スタイルが身に付いてしまうと、将来的に子どもは生きづらさを抱えやすくなると、『「毒親」の正体―精神科医の診察室から―』(新潮社)では指摘しています。

ちなみに精神科医の斎藤学氏は、論文「毒親と子どもたち」で、「過干渉、統制型の親」「無視親」「ケダモノのような親」「病気の親」と4つに分け、「過干渉、統制型の親」に苦しむ人を看るケースが最も多かったと書いています。

自信過剰な親は危ない!?

こうやって毒親の定義を並べると、行動だけだと判断に悩むこともあるかもしれないとは感じます。

しかし、子どもが考え方や感情を表現する自由があるのかといった視点や、不安定な愛着スタイルを持たせないような環境かといった点から、「毒親」かどうかを判断することもできそうです。

それでも「毒親になってしまうのでは」という不安を抱いている人に、「(知っ得 なっ得)『毒親』を考える:3 気をつけるべき点は」(『朝日新聞』2020年9月19日)には、次のようなアドバイスがありました。

自分は完璧な親じゃない。欠点もあれば、弱さもあるって、謙虚になること。自信過剰な人ほど、毒親になる可能性は高い。

「子どものためと言っているけれど、じつは自分が認められたいだけでは」といった自分の本音と向き合い、しっかり考えることが重要だそうです。そして間違った姿勢を正していく勇気も必要なのでしょう。

心理学の知識を使い、より良く生きたいと感じる人は、こちらもご覧ください。

参考:『毒になる親』(スーザン・フォワード/毎日新聞社)/『「毒親」の正体―精神科医の診察室から―』(水島広子/新潮社)/「毒親と子どもたち」(斎藤学)

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