怒っちゃダメ!子どもへ勉強を教えるときのポイントは笑顔とスキンシップ

緊急事態宣言のとき、子どもの大量の宿題の指導に親が困ったという話がありました。家庭で子どもが勉強するようにするには、どうしたらいいのでしょうか?感染が拡大傾向にある今だからこそ知っておきたい情報です!

  • ポイントは笑顔とスキンシップ
  • 初心者と熟練者の違い

ポイントは笑顔とスキンシップ

大人でさえ自宅で仕事すると集中できないといった声が上がるのですから、子どもに自宅で勉強させるのは容易ではありません。しかもドリルなどやらせるだけではなく、子どもがわからないところを教えるとなると難易度はさらに上がります。

自分が子どもだったときに解けなかったかもしれない問題でも、当たり前ですが大人にとっては簡単。子どもがあまりに理解できないと、ついつい「どうしてこんなのもわからないの!」ときつい口調で言ってしまいそうになるのではないでしょうか。

しかし、子どもに勉強を教えるなら怒るのは厳禁です。

米国ペンシルバニア州立大学のアラン・カディン氏の実験によれば、先生が笑いながら教えるだけで、落ち着いて座るといった行動が1.3%から8.6%にアップしたのです。

さらに効果を発揮したのがスキンシップでした。

抱きしめるといった行動を勉強に取り入れてみたところ、落ち着いて座っている行動が、0.2%から19.8%に大幅にアップしたのです。

この2つの心理学的な知識を使い、笑顔で笑いを交えながら勉強を教え、うまくできたら抱きしめたり、頭をなでるといった行動を組み合わせれば、子どもの集中力はかなりアップするかもしれません。

考えてみれば、自分だって怒られながらする勉強なんて嫌なもの。自分の子どもの頃を少し思い出してみてはいかがでしょうか?

初心者と熟練者の違い

さて、勉強を教えるとき、ずっと優しくしていればいいのでしょうか?これは年齢との関係もあると思いますが、優しいだけの教え方では子ども納得しないといったことが起きるようです。

米国のコロンビア大学のステシー・フィンケルスタイン氏は、フランス語初級クラスの学生と上級クラスの学生に、褒めてくれる先生と厳しく指導してくれる先生についてアンケート調査を行いました。

すると初級クラスの学生は褒めてくれる先生を高く評価し、上級クラスの学生は弱い部分もしっかり指導する先生を高く評価しました。これは褒められるよりも、自分の上達するように指導してほしいという気持ちの表れだと分析されています。

たしかに自分が成長できそうだとか、もっと成長したいと考えているときは、厳しくてもそのポイントをしっかり指摘してくれる先生の方がありがたいかもしれませんね。

このアンケート調査結果は、上司が部下に仕事を教えるときなどにも有効だと言われています。その仕事の初心者はホメて伸ばす。逆に熟練者には、その人の成長を促せるならネガティブな情報も伝える。そうしたコミュニケーションが有効だと、ステシー・フィンケルスタイン氏は語っています。

とはいえ、これが統計的なデータであることは頭に入れておきましょう。その人の性格によっては、褒め続けた方がいい場合もあるでしょう。あるいは褒めと厳しい指摘を同じぐらいにするといいといった人もいるかもしれません。

つまり、子どもでも大人でも能力の伸ばし方は単純なマニュアルですべてを網羅できないのです。しっかりと相手を見て、教え方を工夫していくことが重要になってくるでしょう。

モチベーションなど人間の心理に興味のある方は、こちらもご覧ください。

参考:『世界最先端の研究が教える もっとすごい心理学』(内藤誼人/総合法令出版)

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