最短で信頼をつかむコツは「マイナス情報」の使い方

ビジネスで信頼を得たいと思うことは少なくないでしょう。互いの信頼関係がなければ、ビジネスが大きく発展することは難しいからです。そこで常識を打ち破る短時間で信頼を勝ち取るテクニックを紹介しましょう。

  1. 信頼を勝ち取るときの例外
  2. 短所を長所で相殺する
  3. 望んでいる部分で弱点をさらす

信頼を勝ち取るときの例外

説得と承諾の世界的な権威であるロバート・チャルディーニは、影響力を与えるためのさまざまなプログラムで強調されてきたのが、次の2つだと『プリ・スエージョン 影響力と説得のための革命的瞬間』に書いています。

①信頼できる人物だと思われることは影響力を高めるのに有効な手段であり
②そう思われるためには時間が必要だ

この2つのルールに異議を唱える人はほとんどしないでしょう。

信頼を得るためには時間が必要なのに、壊れるときは一瞬なのは誰もが知っているからです。

しかしロバート・チャルディーニは、この2つのルールには例外があり、即座に信頼を勝ち取れる方法があるとも指摘しています。

短所を長所で相殺する

それが、「早い段階で弱点に言及すること」です。

例えば、工作機械の営業マンなら、自社の機械がどれだけ早く材料を切り出せるのかといった長所は積極的に売り込むことでしょう。一方、熱に弱いといった短所の説明は後回しにしがちです。しかし早い段階で、工作機械の欠点を伝えておけば、相手から信頼は一気に高まるというわけです。 しかも「けれども」「だが」「しかし」といった接続詞を使って、

「受け手の注意を短所からそれを相殺する長所に向け直した場合」

に語り手の信頼性が高まると書いています。

その具体例として、採用面接や営業の現場で使える次のようなセリフを紹介しています。


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「私にこの分野の経験はありません。でも、教わったことの覚えは早い方です」

「弊社の導入コストは業界最安値ではありません。けれども、効率性に秀でたシステムなので、そのぶんの出費はすぐに回収できます」

このマイナスの情報をごまかすと、相手から突っ込まれたときに、たちまち信頼を失います。

実際、「この分野の経験があるという割には基本的なことがわかっていないんだね」と面接官から言われたら、その採用試験はほとんど終わったのも同然なのではないでしょうか。

望んでいる部分で弱点をさらす

このテクニックをさらに効果的に使うためのコツは、先方が望んでいる項目で弱点を先に披露することです。

例えば、コストを気にしている顧客に対しては、導入コストが安くはないことを詫びるとともに、運用コストが最安値であること主張する。手厚いサポートを期待しているクライアントには、24時間対応でないことを詫びるとともに、ほとんどの問題に対処できるマニュアルが公開されていることを話すといった具合です。

こうした信頼構築のテクニックは、弁護士が被告の不利な部分を指摘される前に認めることで勝訴率が上がったり、選挙で対立候補に肯定的な発言をすることで逆に支持率を高めたといった事例からも確認できるそうです。

ビジネスでは、サービスの短所を先に打ち明けてから長所を強調することで売り上げがあがった例もあるそうです。

ビジネスでマイナス情報を出すのは、慎重になるものです。しかし後からわかるぐらいなら、先に打ち明けて、深い信頼関係を結ぶことに活用したいものです。 ぜひ、試してみてください。                                                     

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