信頼関係が作られていなければ、人はあなたの話に耳を傾けてくれません。実は、信頼は簡単に築けます。シンプルな4つの「しない」テクニックで、思い通りに仕事を進める土台を作りましょう。
- 絶対に遅刻しない
- 絶対に約束を破らない
- 相手を敵と思わない
- 上下関係を過剰に意識して話さない
- 「あなたに任せるよ」と言ってもらえる信頼関係を得よう
絶対に遅刻しない
例えば台風の日、いつも通りの時間に家を出て「遅刻をしたとしても、台風だからしょうがないと許してもらえるだろう」と考えながら移動していませんか。確かに、「○分遅れます」といったコミュニケーションさえあれば社会人としては及第点です。しかしそれでは、ビジネス上の信頼を得るチャンスをみすみす逃してしまうことになるかもしれません。
プロのヘッドハンターである兼本尚昌氏は、著書の中で「あの人は何があっても遅刻をしない」(『プロ・ヘッドハンターが教える仕事ができる人の一つ上の働き方』ソフトバンククリエイティブ)という他人からの信用力の高さが、ビジネスを進めるうえで大きなものになると書いています。絶対に遅刻をしない、ただそれだけでゆるぎない信頼を得られるのなら、すごいことだと思いませんか。
悪天候など、前もって交通機関が乱れることが分かっているときには、思い切っていつもの1時間、2時間ほど前に家を出ましょう。とくに大事な打ち合わせのときには、会社の近くのビジネスホテルに泊まってしまうのも手です。また、常日頃から1~2本早めの電車で移動することを心がけると、突然のダイヤ乱れにもスムーズに対応できます。
絶対に約束を破らない
例えば、「明日中に資料をお送りします」「2時間以内に折り返します」「戻り次第お返事します」といった約束ごとは、日常的に生じるものです。それらを確実に実行しているでしょうか。ときには忙しさのあまり忘れてしまっていませんか。「後で謝ればよい」と思っているなら、大きな間違いです。
小さな約束事でも、絶対に破らないと決め、実行していると、他人からのあなたの評価はうなぎのぼりでしょう。「どんなことでも確実にやってくれる」という安心感を与えられるからです。その安心は、信頼感へと繋がります。
相手を敵と思わない
顧客や上司と打ち合わせをするとき、何を考えていますか。「どうやって相手をやり込め、自分の意見を通そうか」と思っているなら、相手にもその敵意は伝わっています。あなたは、自分に敵意を持った人を信頼できるでしょうか?
顧客も上司も、一緒に仕事をするパートナー、つまり敵ではなく味方です。自分の意見を通したいなら、相手の意見も尊重し、お互いが納得のゆく形を一緒に探しましょう。建設的な議論をリードできるようになると、信頼感が高まりますよ。
上下関係を過剰に意識して話さない
立場をわきまえて話をするのは社会人として当然のことです。しかし、上下関係を過剰に意識して話すと、肝心なことを言えなかったり、思っていることとは違うことを言ってみたりしがちです。しかしそんな発言はその場しのぎでしかなく、相手には「不誠実」ととられてしまうこともあります。
上下関係を過剰に意識せず、率直な意見を話せば、相手にあなたの誠実さを示すことになります。誠実な人が信頼されやすいことは、いうまでもないでしょう。ただ、言葉遣いはあくまで丁寧に。ビジネスパーソンとしての力量が試されます。
「あなたに任せるよ」と言ってもらえる信頼関係を得よう
信頼関係を築くことができれば、さまざまな面で仕事がやりやすくなります。上司から信頼されれば仕事の進め方についてあれこれ言われることは少なくなり、大きな裁量権を得ることができ、ある程度自由に動けるでしょう。顧客から信頼されれば、「ある程度はあなたに任せるから、最良のプランを考えてほしい」という言葉を引き出せます。
とくに、これまで仕事といえば「駆け引き」「ごり押し」「根回し」が必須と思い込んできた人には、新しい地平が広がったように見えるはずです。ギスギスした世界から、誠実・信頼・安心をベースにした温かい世界へ踏み出しましょう。きっと、楽に仕事ができるようになりますよ。
参考:
『プロ・ヘッドハンターが教える仕事ができる人の一つ上の働き方』(兼本尚昌 著/ソフトバンククリエイティブ)
『ゆっくり、いそげ~カフェから始める人を手段化しない経済』(影山知明/大和書房)