絶対に睡眠時間を削ってはいけない4つの理由

ダラダラと海外ドラマを見ていたら、いつの間に深夜になり、睡眠時間が削られてしまった。そんな経験は誰にでもあるものです。しかし、その影響がどれほど大きいものかは、あまり知らないかも。でも、次の4つの事実を知ったら夜更かしが怖くなるかもしれません!

心も頭も働かなくなる

世界的に見ても、日本人は睡眠時間の短い国民です。もちろん適切な睡眠時間は人によって異なりますが、睡眠不足の影響は私たちが思っている以上に大きいようです。たんに翌日、眠気を我慢すればいいといったものではなさそうです。

そこで睡眠不足が招く、さまざまな体調の変化について報告していきましょう。

①太る
これは知っている人も多いかもしれませんね。
睡眠不足によって空腹感を増進させるストレスホルモン「グレチン」が増加し、逆に食欲を抑えるホルモン「レプチン」が低下します。そのため夜更かしをすれば、自動的に食欲が増加してしまうのです。

さらに脂肪を蓄積するタンパク「BMAL1」は、午後10時~午前2時に活性化します。最も活動が抑えられる午後3時と比べると約20倍も違うので、夜更かしして小腹が空いたからとお菓子を食べるのは、肥満の元になるのです。

②体が痛くなる
カリフォルニア大学のアダム・クラウス氏などの研究によれば、寝不足によって痛みに敏感になってしまいます。同じ刺激でも、より痛みを感じてしまうのです。さらに脳が痛みに反応するのが鈍くなってしまうために、体の痛みに対する防御作用が低下し体に備わっている鎮痛効果が下がってしまうそうです。

痛みに敏感になる上に、その痛みを抑える機能も低下するのですから、痛みを強く感じるのは当然でしょう。
腰痛や頭痛など慢性的な痛みを抱えている人は、睡眠不足に気を付ける必要があります。

③不安になる
マシュー・ウォーカー氏の研究によれば、睡眠は不安を解消するそうです。抑うつ状態の人に、睡眠サイクルの乱れが見られることはよく知られていました。ウォーカー氏の研究は、こうした臨床での報告を脳の活動から証明したことになります。

勉強や仕事が進まないからと不安になって睡眠時間を削って頑張ると、より不安感が増してしまうのです。

④頭が働かなくなる
睡眠不足は集中力を奪い、情報を頭の中に一時的に保存する作業記憶の能力を低下させることがわかっています。そのうえ米国のミシガン州立大学に所属するキンバリー・フェン氏の研究によれば、作業の進捗のチェックミスも睡眠不足によって15%から30%に跳ね上がったそうです。

つまり寝不足になると、作業そのものにミスが多くなるだけではなく、そのチェックも難しくなってしまうのです。

また睡眠時は脳の老廃物の処理が進むので、睡眠時間が短くなれば脳にゴミが溜まり続けます。睡眠時間は、脳が活動しやすいよう環境を整える時間でもあるのです。その時間を削るなんて、とてもおすすめできません。

睡眠の大敵「リベンジ夜更かし」

仕事や勉強などで睡眠時間が削られてしまうなら、その量を調整する必要があるでしょう。しかし睡眠時間を確保できるはずなのに、寝ないでダラダラと過ごしてしまう人も多いのではないでしょうか?

このような行動は、「リベンジ夜更かし」と呼ばれます。
なぜ「リベンジ(復讐)」と名付けられたのかといえば、こうした行動を取る人多くが、自由な時間を確保できない生活を送り、その復讐のために夜更かしすると考えられているからです。

つまり子育てや仕事、勉強など、時間に追われて生活をしていると、翌日のために睡眠時間を確保するのではなく、自由な時間がなかった1日の復讐を果たすために夜更かししてしまうのです。

もし、あなたが日々「リベンジ夜更かし」をしているなら、自分が納得できるぐらいの自由時間を確保する必要があります。テレビを見たり、ツイッターをチェックしたりするのが悪いのではなく、そうした時間を自分に与えずに予定を詰め込んでいるのが問題なのです。

リラックスできる時間を取りましょう。

日々の生活に使える心理学の活用法に興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考:「Why All-Nighters Are “All Bad” for You」(Naveed Saleh M.D./Psychology Today)/『働きざかりのねむり読本。』(日本睡眠教育機構)

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