高額なプレゼントは逆効果? 長い付き合いの人に好意を示しても報われにくい理由

プレゼントに迷うことありませんか?恋人や家族、旅行のおみやげまで、好みにピッタリあったものを渡せればいいのですが、なかなか……。

ならば、いっそのこと高額な商品をあげてしまえばよいのではと思う人もいるかもしれません。もし、知り合ったばかりの異性にエルメスなどの高級ブランド品をプレゼントしたり、上司に分不相応なほどのおみやげを渡したり、なんてことを考えているあなた、

それ逆効果ですよ!

その心理的な仕組みを解説していきましょう。

  1. 「借り」を作りたくない心理
  2. 好意も示せば返ってくる
  3. 信頼が返ってくるには条件が必要
  4. 一度限りの関係性で信頼を返されるために

「借り」を作りたくない心理

異性へのプレゼントを奮発してしまう人もいるかもしれません。それを、必ずしも喜んでくれるとは限りません。もしかしたら「気が重い」と言われているかもしれません。せっかく奮発したのに「重いなんて」と反発したくなる気持ちもわかりますが、贈り物に対する警戒心は人の心理に深く根ざしたものなのです。

専門的には「返報性規範」と呼ばれるものですが、そのメカニズムは誰もが経験あるものでしょう。簡単に言えば、「借りはきちんと返したい」という心理あり、逆に言えば「返せない借りをつくるのは嫌だ」といったものです。

心理学者ガーゲンの実験は、「返報性規範」を証明した実験としてよく知られています。

実験は6人1組のポーカーゲームで行われます。1人1人にチップ40枚が配られ、ゲーム終了後には現金と引き換えられる約束になっています。実験参加者には、チップがなくなるときに10枚のチップとメモが入った封筒が別の参加者から手渡される仕組みです。

そのメモの内容は、3パターンありました。

A「私には不要だから、このチップは返さなくていい」

B「ゲームに勝ってチップが増えたら返してほしい」

C「利子をつけて返してほしい」

この実験に参加したのは、米国、日本、スウェーデンの男子大学生、各60人でしたが、Bのメモに魅力を感じたのが多かったのは米国と日本の大学生で、Cに魅力を感じたのはスウェーデンの男子大学生でした。

国の違いによる選択の違いも面白いですが、最も注目すべきは本来なら最も「お得」なAの人気が低いことでした。こうした態度こそが「返報性規範」。お返しできる条件があれば、あまり心理的な負担を負わず済むので選択してしまうのです。

やっぱり貸し借りはない方が気も楽ですよね。

好意も示せば返ってくる

「返報性」は、さまざまな場面で見られるものです。

好意の返報性もよく知られた心理メカニズムです。相手に好意を示せば、相手も好意を返してくるといったもの。気にもしていなかった人に「好きだ」と言われたら、気になってきてしまったといった心理などは、代表的な好意の返報性です。

ただし好意の返報性は、一つ大事なルールがあります。それはお互いの関係性が深くない場合に作用しやすいということ。出会って間もない人が、自分に興味を示していると感じるときにこそ、人は好意を返したくなるというわけです。

逆によく知っている仲だと、「好意」よりもっと複雑な要素が入ってくるので、示された好意が単純に帰ってきにくくなるようです。

「いやいや、いまさら好きだと言われても」といった感じでしょうか。

もちろん好意の返報性は恋愛だけに見られるものではありません。友人関係でも、ビジネス関係でも働きます。出会ったばかりのお客様に、親近感を抱いていること、興味を抱いていることを示せば、互いの関係性を深めることになるでしょう。

訪れた営業先の担当者に、いち早くメールするといった好意は、自身の好意の表明としても役立つはずです。

信頼が返ってくるには条件が必要

返報性の中でも、少し複雑なのが信頼への返報性です。自分が信頼すれば、相手も信頼してくれるという納得の構図なのですが、各種の実験結果は信頼を示す条件が重要だと示しているのです。

まず、信頼への返報性が問題なく発揮されるケースは、「将来への相互作用が期待できる関係」です。ちょっとわかりにくい表現になってしまいましたが、端的に言えば、「関係性が続きそうだなと思える関係」のことです。今日の信頼が、明日の関係性に影響がありそうだと思えば、信頼への返報性が起こりやすくなります。

逆に、その場限りで将来的に続きそうもない関係性については、信頼を返されるどことか、騙される結果になるという研究結果もあるのです。「もう会うこともないし」といった思いが、信頼を仇で返すことにもなりうるということなのかもしれません。

一度限りの関係性で信頼を返されるために

では、一度限りの関係性で信頼への返報性が期待できるのは、どのような状況でしょうか。それは信頼する方も、信頼を返す方も、信頼を得たときに「利益」が得られる場合らしいのです。

例えば、ネットオークションならば、商品を落札する側は相手を信頼してお金を振込まなければレアな商品を得られない状況で、商品を送る側も商品を送らなければ、これまで築いた評価のポイントが下がってしまうと思うケースです。

互いに信頼し合うからこそ、互いの利益を生む状況が、一度限りの関係性でも信頼への返報性を生み出すのです。これはネットの評価システムだけではなく、比較的小さなマーケットで各社の情報が回りやすいケースでも同様です。一度限りの取引でも、信頼を失ったら業界全体から排除されかねないという思いがあれば裏切れないというわけです。

逆に一度限りの相手で、信頼を損ねても相手に影響が出ないようなケースはより慎重な取引が必要になります。

ビジネスに信頼は重要ですが、同時に騙されないための注意も必要ということなのです。

 

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