【単純すぎて怖い話】大きな数字を見ただけで気が大きくなる!?販売に役立つ心理学

「安くしても買ってもらえない」「品数は豊富なはずなのに、どうして売れないの?」などなど、販売に頭を悩ませているなら、ある二つの心理効果を試してみてはどうでしょう。品数は、少ないほうがむしろ売れるかも!?

  1. 人の金銭感覚を狂わせる「アンカリング効果」
  2. カーネマン博士のルーレット実験
  3. 大きな数字を掲示しただけでも効果あり?
  4. より確実に売るために「決定回避の法則」を逆手にとる
  5. 考えてみたら、ブランド戦略って2つの心理効果をカバーしてるかも

人の金銭感覚を狂わせる「アンカリング効果」

心理学には、「アンカリング効果」という用語があります。人は、初めに接した数字や情報を、次の行動の判断基準にする傾向があることを示す効果です。最初に触れる数字を「アンカー(指標)」として使うことから、アンカリング効果といわれています。

例えば、「ノートパソコン通常価格10万円のところ、特価6万円!」と書かれているチラシを受け取ったとしましょう。すると、「10万円が6万円になるなんて、おトク!」と感じられますよね。一方で、「ノートパソコン5万円」とだけ書かれたチラシを受け取ったとしたら、どうでしょうか。先ほどの例よりも安いにもかかわらず、あまりお得感は感じられません。 このように、最初に目にした数字を指標として高い安いを判断する思考のクセが、私たちにはあるのです。「よくある商法だから、引っ掛かりませんよ」と笑う人もいることでしょう。しかし、アンカリング効果は、実はもっと単純なもの。単に大きい数字を見るだけで気が大きくなるということを、心理実験が実証しています。

カーネマン博士のルーレット実験

1974年、カーネマン博士とトベルスキー博士は、アンカリング効果を実証する心理実験を行いました。被験者に、0から100までの数字が書かれたルーレットを回してもらってから、「国連に加盟しているアフリカの国は何か国か」と質問したのです。

すると、ルーレットで大きな数字が出た人ほど、アフリカの国連加盟国はたくさんあると答える結果になりました。ルーレットの数を見ただけで、脳がその数字の大きさに引きずられてしまったのです。

大きな数字を掲示しただけでも効果あり?

カーネマン博士の実験からは、単純に大きな数字を見せるだけでも、高い商品を買ってもらいやすくなる可能性が示唆されます。例えば、店頭にお店で一番値段の高い商品を掲示しておくと、それを見てから店内に入ったお客は「店頭の商品より安いものばかり」と安堵し、財布を開きやすくなることでしょう。

通常、店頭には特価商品を置くなど、「こんなにお買い得な商品が揃っていますよ」とアピールするための安い品を配置しがちです。しかし、アンカリング効果を有効に使うなら、それは逆効果かもしれないということがわかります。

より確実に売るために「決定回避の法則」を逆手にとる

心理学には「決定回避の法則」という用語もあります。決定回避の法則とは、人は選択肢が多すぎると決断力が低下し、選ぶことが難しくなるというものです。ネット通販で品物を買おうとしたとき、検索に何百とひっかかって、選ぶのに時間がかかってしまったという経験はありませんか。実店舗でお買い物をするときとは比べ物にならないほど時間がかかるなら、決定回避の法則にハマってしまっています。

決断力を維持してもらい、品物を買ってもらうために必要なのは、品数を抑えることです。もちろんドンキホーテの「圧縮陳列」のように大量の商品を展示して、わざと商品を探しにくくして、宝探しのような感覚で店内を探索してもらって購買意欲をそそるといったディスプレイ手法もあります。しかし棚の角度の調整など、細かな配慮が必要な難しい手法です。「選択肢がたくさんあるほうがお客さんに親切だ」とか、「このくらい種類があればどれかは気に入ってくれるだろう」など、戦略もなく数打ちゃ当たる方式で品物を揃えるのは、やめたほうがいいでしょう。

考えてみたら、ブランド戦略って2つの心理効果をカバーしてるかも

誰もが知っている有名ブランドの店構えを思い出してください。「アンカリング効果」と「決定回避の法則」を、見事に利用していることがお分かりでしょう。店頭のショーケースに並べられるのは、そのブランドが今季一番力を入れていて、誰もが振り向き、そして誰もが目をむくような値段の代物です。さらにお店へ足を踏み入れれば、商品が山と積み重ねられているようなところは全くありません。一つ一つの商品が引き立つように飾られ、余白が非常に多いのが、ブランド店の特徴です。

東京の八王子に、一冊ずつしか本を入荷しない書店があります。まるでショーケースに並べるがごとく、本を一冊ずつ本棚に飾っているのです。筆者が店長に「スペースがもったいなくありませんか。積んだほうが目立つし、良く売れるのでは」と尋ねたところ、「一冊ずつのほうが、むしろ良く売れる」という驚きの回答を得ました。むしろ一冊ずつ入荷するほうが難しいし手間だとのこと。扱う商品にもよりますが、思い切って、ブランド店のようなレイアウトで販売を始めてみるのはいかがでしょうか。

参考:『ココロの謎が解ける50の心理実験』(王様文庫)p.102

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