台所で子どもをしかるときでも 包丁を視野に入れない方がいい理由

モデルガンや日本刀など武器が美術的な価値を持つこともありますが、武器は人にどんな影響を与えるのでしょうか? 武器と攻撃性の関連について心理学実験の結果を紹介します。

  1. モデルガンが家にあるのはどうなのか?
  2. 怒った学生はより攻撃的に
  3. 目にしたショットガンで気分が変わる
  4. 怒った上司には使えるか!?

モデルガンが家にあるのはどうなのか?

サバイバルゲームはやりたくなくても、モデルガンを買った経験がある人はいるかもしれません。

そこまでいかなくても、駄菓子屋さんで『ルパンⅢ世』でお馴染み「ワルサーP38」などの銀球鉄砲を買ったことがある人もいるのではないでしょうか。

その一方で殺傷能力のほとんどないモデルガンが自宅にあるのはどうなのか、子どもへの影響はどうなんだろう、と考える人もいるかもしれません。

そんな人にこそ知ってもらいたいのが、攻撃性とピストルについての心理実験です。

怒った学生はより攻撃的に

バーコウィッツとルペイジという心理学者は、ウィスコンシン大学の男子学生100人を対象に、視界に入った武器の影響力を調査しました。

集められた男子学生は、与えられた問題への回答の質によって、1~10回の電気ショックを与えられる、と説明を受けます。その後、サクラの学生と2人1組となり、実験参加者は電気ショックを受けるのです。ただし説明とは違い、回答の質に関係なく、「怒らせたいグループ」には7回の電気ショックを、「怒らせないグループ」には1回の電気ショックをサクラが与えました。

次に役割を交代し、実験参加者がサクラの考えた回答を評価して電気ショックを流すようにしました。結果、電気ショックを1回受けた学生より、7回受けた学生の方がサクラに電気ショックを与える回数が多くなったのです。

つまり実験の想定通り、電気ショックに怒った学生は、何度もショックを与えてしまったというわけです。

目にしたショットガンで気分が変わる

そして、ここからが実験のポイントなのですが、1回電気ショックを受けたグループと7回電気ショックを受けたグループの一部の部屋に、目立つようにショットガンを置いてみたのです。

すると7回電気ショックを受けたグループは、何も置いてないグループと比べて、サクラに与えた電気ショックの数も1回当たりの時間も長いことがわかりました。

怒っているときに攻撃を連想するグッズがあると、より相手を攻撃してしまうというわけです。

では、1回電気ショックを受けたグループはというと、なんと何も置いていないグループに比べて、電気ショックの数も1回当たりの時間も少なくなったのです。

怒った上司には使えるか!?

実験の通りであれば、自宅に置いてあるモデルガンであっても、それに注目したときの心理状態によって反応が変わってくる可能性があります。猛烈に怒っているときにモデルガンを目にすれば、より攻撃性が増してしまうというわけです。

また、この実験では銃が置かれていましたが、攻撃に結びつく武器が心理に影響をするようなので、包丁なども気持ちに影響してしまう可能性があります。

例えば、料理中に子どもがいたずらをした場合など、包丁を目にしながら怒ると、いつもより激しく叱りつけてしまう場合があるのです。

平常心であれば、攻撃性を抑制する方向に働くので、自宅にモデルガンなどがあるからといって大きな問題になることはありません。ただ、怒りに駆られてしまったときは、視界に入れないほうがいいでしょう。

ビジネスの現場であれば、上司などが怒り始めたら、カッターやはさみを机にしまえば、攻撃性を刺激しなくなるかもしれません。もしかしたら、いつもより怒りが早く収まる可能性も! ただ、怒った途端に、部下がいっせいにはさみやカッターを片付け始めたら、上司の方もギョッとするかしれません。怒りで我を忘れて武器を持つ「危ないタイプ」への対処法にしか見えませんので……。ご注意を!

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です