睡眠負債は侮れない!毎日のパフォーマンスを最大限に保つための「眠る技術」

睡眠負債という言葉をご存知でしょうか。「睡眠は一日3時間で十分!」というタフな人をよく見かけますが、そんな人ほど身体が徐々にむしばまれているかもしれません。質の高い睡眠で、最高のパフォーマンスを!

  1. 睡眠負債という考え方
  2. 質のいい睡眠を確保する方法
  3. 「たっぷり時間はあるのに寝付けない」そんなときは心療内科の門をたたいて

睡眠負債という考え方

日々の睡眠不足が積み重なることを、「睡眠負債」といいます。スタンフォード大学で提唱された考え方で、日本は睡眠負債大国とされて話題を呼びました。

2019年のOECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本人の睡眠時間は世界26か国中最下位とのこと。ちなみに、日本人男性の平均睡眠時間は7時間28分、女性は7時間15分でした。

しかし働き盛りの日本人なら、一日に7~8時間程度の睡眠時間を確保できる人は少ないでしょう。現に、国民栄養・健康調査によれば、7時間以上睡眠がとれている人の割合は、平成27年のデータで26.5%。平成20年には34.5%をマークしていたので、日本人の睡眠時間は、だんだん減り続けているといえます。

睡眠不足は、「日中眠い」「頭がボーっとする」という、自分で気づくことのできる状態を引き起こすだけでなく、無意識のうちに頭と身体をむしばんでいきます。睡眠負債がもたらす弊害の例をご紹介しましょう。

・日中の注意力が散漫になる

仕事のパフォーマンスがガタガタと落ちてしまいます。生産性を考えると、非常にもったいないことです。

・モチベーションが低下する

「最近、どうもやる気が出ない」という人、もしかしたら、ぐっすり眠ればまたモチベーションが復活するのかもしれません。

・身体の疲れが取れない

身体も休めていないことになるので、全日の疲れを持ち越すことに。

・自律神経が乱れ高血圧を引き起こす

睡眠不足は自律神経の機能を乱します。血圧は起床時から徐々に上がっていき、睡眠の間は最も低くなりますが、睡眠不足で覚醒している時間が続くと血圧が高い状態も続いてしまい、結果、高血圧を引き起こします。

・インスリンの働きが低下し、糖尿病のリスクが増す

睡眠不足になると、副腎髄質からのインスリン分泌が低下して血糖値が上がり、糖尿病のリスクが増すことが報告されています。

・うつ病の引き金になることもある

睡眠不足による心身の不調が続くと、うつ状態に陥ってしまう人もいます。放っておくと、うつ病に発展する可能性もあります 。

質のいい睡眠を確保する方法

ペンシルバニア大学の実験では、6時間睡眠を2週間続けた実験参加者の脳の働きが、2日徹夜した実験参加者と同程度まで下がったことがわかりました。「じゃあ、俺、ずーっと徹夜状態だよ!」とびっくりした人もいるでしょう。質のいい睡眠を確保して、冴えわたる頭を取り戻す方法をご紹介します。

・寝る前のスマホはダメ!

夜間にブルーライトを浴びると、脳が日中と勘違いし、なかなか眠れない身体を作ってしまいます。寝室にスマホを持ち込まないなどルールを決めましょう。

・週末の寝だめは無意味

週末、たっぷり寝ることで睡眠不足を解消しようとする人がいますが、これは逆効果といわれています。平日の生活リズムを大きく崩すことは、身体にとってかえって負担になるのです。

・生活リズムを徹底する

毎日7~8時間の睡眠をとれるよう生活リズムを整え、それを徹底しましょう。睡眠スケジュールを立てれば、何時までに仕事を終わらすべきかがわかるはず。働きすぎを防ぎ、そのぶん生産性をアップさせることができます。

・日中の昼寝はOK

寝だめはダメですが、日中に10~20分程度の昼寝をすることが、睡眠負債を取り戻すのに有効とされています。ただし1時間、2時間も昼寝をしてしまうと、逆に生活リズムが乱れ、また夜になかなか眠れなくなってしまうため、逆効果です。

・カフェインとアルコールはほどほどに

睡眠の質を低下させると考えられているカフェインとアルコールは、過度の接種を控えましょう。夜にコーヒーを飲まない、晩酌はビール1杯までなど、ストレスのない程度にルールを決めましょう。

・運動を習慣にする

ジョギング、ウォーキング、スイミングなど、体をほぐす運動を習慣にしましょう。程よい疲れが深い睡眠を促します。ただ、運動直後は興奮状態になってしまうため、寝る前は避けましょう。

「たっぷり時間はあるのに寝付けない」そんなときは心療内科の門をたたいて

忙しい現代人にとって、7~8時間の睡眠時間を確保するのは難しいこと。でも、「たっぷり時間はあるはずなのに、寝付けなくて結局寝不足になってしまう」という人もいることでしょう。上記の方法を試しても眠れない時間が続くなら、うつ状態に陥っている恐れがあります。心配事などが頭の中を去来して、眠れなくなっていませんか。

そんなときは「ただ、眠れないだけ」と軽く考えず、心療内科の門を叩きましょう。専門家に胸の内を聴いてもらえれば、自覚していなかった悩みや不安が、浮き上がってくるかもしれませんよ。

参考:『心理学ビジュアル百科』(渋谷昌三 編 河出書房新社)

「睡眠の質の低下は高血糖やインスリン抵抗性につながる」

睡眠こそ最強の解決策である(マシュー・ウォーカー 著/SBクリエイティブ) 

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