ボーっとしていると、いろんな過去の思い出が浮かんできたり、素晴らしいアイデアが浮かぶことがありませんか?そんなときに活躍しているのがデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)です。今日はDMNを活性化する方法をお伝えします。
- DMNってなに?
- 脳に効く5つのトレーニング
DMNってなに?
近年、DMNに関連する記事を数多く耳にするようになりました。それは脳の疲労に関係していることや創造性と密接に結びついているからです。特に想像力を高め、いろいろなアイデアを生み出したいと考える人にとって、DMNの知識は非常に重要でしょう。
DMNはデフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)の略語。ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動のこと。無意識のうちに活動している脳内のネットワークを指し、脳内のさまざまな神経活動を同調させる働きがあります。
DMNは、よくエンジンのアイドリングにたとえられます。車が動いているわけではないのにすぐに発信できる状態が、DMNと似ているからです。つまり急に動き出すために必要な最低限の機能を維持しているのです
ただしDMNは、意識的な反応に使われる脳エネルギーの20倍も消費します。というのもDMNはアイドリングに似た機能だけではなく、外部から入ってきた情報を取捨選択するのです。そのためDMNがしっかり働いていると、整理された情報が結びつきやすくなり、これまでにないようなアイデアも生まれやすくなるのです。
脳に効く5つのトレーニング
マサチューセッツ大学アマースト校の名誉教授であるスーザン・クラウス・ウィットボーン博士は、DMNが記憶と関連が深いことを示した上で、記憶を強化し楽しいことをボーっと考えることが、DMNを活性化するのに役立つと述べています。そしてDMNを刺激する脳のトレーニングをいくつか紹介しています。その中から比較的簡単にできるものを紹介していきましょう。
①映画やドラマのワンシーンを思い出す
これまで見た映画やドラマの中で、印象的なワンシーンを思い出してみましょう。どんなシチュエーションで、登場人物はどんなセリフをしゃべったのでしょう。感動したけれどよく覚えていないという場合は、改めて映画やドラマを見直してみましょう。
こうしたシーンの記憶は、将来のひらめきの元になるかもしれません。ひらめきの種を植えていると思って、記憶をハッキリさせましょう。」
②絵画で遊ぶ
自分の好きな絵画を想像して、その世界に入り込んでみましょう。ゴッホの「夜のカフェ」でコーヒーを飲んでみる。キリコの「街の神秘と憂愁」で車輪を転がしてみる。絵画に入り込んで遊んでみましょう。もちろん絵画に入り込むとき、誰かと一緒に行く様子を想像しても構いません。
③小学校の初日を振り返る
小学校の入学式を思い出してみてください。深い霧に包まれたように鮮明な記憶がないなら、入学式の写真を見たり、両親などに当時の様子を聞いてみましょう。
どんな担任の先生に出会い、自分がどんな服装だったのか、当時の自分はどんな心境だったのかを考えてみましょう。
④休暇の計画を立てる
楽しい計画を立てることは、脳にとってもプラスになるそうです。休暇の計画を立てることは、休暇を楽しむことと同じぐらいの楽しみになるそうです。確かに旅行などは、行く前の計画段階からワクワクするものですよね!
ワクワクするような休暇の過ごし方を、しっかり計画してみましょう。
⑤献立を考える
1週間の献立を考え、それを準備する様子を想像します。これは料理をつくれるかどうかは関係ありません。自分の好きな食べものを決めて、その準備をするだけで心を満たします。
しかもパリ大学のポーリン・デュクロット氏の研究によれば、献立を立てて計画的に食事を取るようにするだけで、肥満になる可能性が下がるそうです。脳だけではなく、体も健康にできるのが、このトレーニングの特徴の一つです。
今日はひらめきに関係のあるDMNの活性化に役立つ情報をお送りしました。遊び感覚で日常に取り入れてみるのも面白いかもしれませんね。
人の心理について興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:日本産業カウンセラー協会
参考:「8 Great Ways to Entertain Your Brain」(Susan Krauss Whitbourne Ph.D./Psychology Today)/『世界のエリートがやっている 最高の休息法』(久賀谷亮/ダイヤモンド社)