衝動買いをすることはありますか? じつは衝動買いは、心理学の研究対象でもあります。そこで衝動買いしやすいタイプや衝動買いを抑える方法について調べてみました。
- 衝動買いをしやすいタイプって?
- 疲れているときにショッピングをしない
- ショッピングの前にお茶やコーヒーを飲まない
- お金に余裕があるときは買い物しない
- クレジットカードを使わない
- イベントでは買わない
- マインドフルネスで衝動を抑える
衝動買いをしやすいタイプって?
近年、「衝動買い」との関係で注目を浴びているのが「自制心」です。確かに、購入したくなる衝動を抑えることができれば、衝動買いに悩まされることもなくなるでしょう。
衝動買いをしやすいタイプについては、アンケート調査などから判明しています。少し古いものですが、2003年7月に朝日大学マーケティング研究所が実施した調査では、全体の3割以上が「衝動買いをして後悔しても、また繰り返してしまう」と答えています。
また、衝動買いをしやすい人は、目的がなくても「何かいいものがないかな」とよく街に出る傾向が強く、ファッションにも敏感なことがわかっています。
近年はネットで買い物をする人が増えており、街に出ることなく衝動買いができるので、無計画の買い物が多くなっているかもしれません。
では、実際に衝動買いを抑えようと思ったら、どうしたらいいのでしょうか?
効果的な方法の一つは、自制心が働きにくいときに買い物をしないことです。具体的に説明していきましょう。
①疲れているときにショッピングをしない
自制心を働かせすぎると、バッテリ―が切れてしまうかのように欲望を制御できなくなります。心理実験によれば、チョコチップクッキーを我慢した学生は、複雑なパズルに挑戦した時間がわずか8分でした。一方、チョコチップを食べた学生は、19分も問題にチャレンジし続けたのです。
つまりチョコチップを我慢したことで、自制心を働かせるエネルギーが切れてしまったのです。
こうした自制心の仕組みは、衝動買いにも当てはまります。仕事などでいろいろと我慢した日などは、ショッピングで気晴らしをしたいと思うかもしれません。しかし衝動買いを抑えるエネルギーは残っておらず、一気に財布のヒモが緩んでしまうかもしれません。
②ショッピングの前にお茶やコーヒーを飲まない
サウスフロリダ大学のディパヤン・ビスワス教授は、カフェインを多く含んだお茶やコーヒー、エナジードリンクを飲むと衝動買いのリスクが高まると警告しています。
ショッピング街でエスプレッソを提供した研究チームは、カフェインを飲んだ人たちが、飲まない人より5割も多くお金を使い、3割も多く商品を購入したことを発見しました。
こうしたカフェインの影響はオンラインショッピングでも確認されているので、コーヒーなどを飲みながらの買い物は危険です。
③お金に余裕があるときは買い物しない
先程の朝日大学のアンケート調査でも、財布に余裕のあるときはお金を使いたくなるという結果が出ています。いつもは計画的にお金を使っている人でも、臨時収入などがあるときは、どうしても財布のヒモが緩みがちです。ボーナス時期などは、特に気を付けましょう。
④クレジットカードを使わない
分割払いやリボ払いなど、クレジットカードは現金がなくてもショッピングを楽しめます。これが危険です。ついつい予算以上のものを購入するきっかけとなってしまうからです。
ただ新型コロナ感染症の流行以降、キャッシュレス決済も増えていますので、残高にチャージするタイプの決済方法を選択するといいでしょう。
⑤イベントでは買わない
日常生活から解き放たれると、衝動買いをしがちです。旅行やセールなどのイベントは、財布のヒモを簡単に緩めてしまうので、衝動買いを止めたいと思っている人は、こうした非日常のイベントに気を付けましょう。
⑥マインドフルネスで衝動を抑える
①~⑤までは自制心が働きにくい状況を回避するものでしたが、自制心そのものを鍛える方法もあります。その一つがマインドフルネスです。グーグルで取り入れられたことでビジネス界でも注目されていますが、マインドフルネスは身体の感覚に意識を向ける瞑想です。
マインドフルネスを日々の生活に取り入れることで、現状認識が正確になると言われています。客観的に自分の行動が見えてくるので、感情に任せて購入する衝動買いの抑制にもつながるというわけです。
今回は衝動買いの心理と、その対処法についてまとめました。
サマーセールなどを打ち、多くの企業が消費者の財布のヒモを緩めようと狙っています。衝動買いをしたくないと思うなら、自制心が効かなくなる状況をつくらないように頑張ってみてください!
人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:「Drinking caffeine before shopping increases impulse buying」(Tibi Puiu/ZME SCIENCE)/「衝動買いに関するマーケティングデータ」(朝日大学マーケティング研究所)/「行動調整におけるセルフモニタリング」(?土田恭史 福島脩美)