インスタ映えは自分でつくる! 良い心理効果をもたらす写真の工夫

一昔前ならかなり値が張った一眼レフのカメラも、庶民に手が届くような時代になりました。きちんとしたカメラを買わなくても、スマホのカメラのほうが素人には扱いやすくて一眼レフに引けを取らないという噂も。写真をSNSにアップするからには、みんなに褒められるものを撮りたいですよね。良い心理効果をもたらす写真の工夫を知って、インスタ映えを自ら作り出しましょう。

  1. 今や一億総「褒められたい」時代
  2. 良い心理効果をもたらす写真の工夫
  3. 注意!写真を撮ることによって記憶が薄れるという研究報告もある

今や一億総「褒められたい」時代

SNSで「いいね!」がつくような写真を撮りたい、投稿したい……誰でも、不特定多数に向けて情報を開示することができる時代になるに伴い、「褒められたい」という欲求が高まってきたようです。SNSで話題になるような写真が撮れるかどうかは、自分の腕次第。でも、プロのような撮影技術を持つ必要はありません。

多くの人が良い反応を示してくれるような心理効果さえ学べば、好印象を与える写真は誰にでも撮れる可能性があります。心理学の観点から、どんな写真がインスタ映えするのかを解説しましょう。

良い心理効果をもたらす写真の工夫

・動物がさりげなく写りこむと、なごむ

「ベビーフェイス効果」という心理現象をご存じでしょうか。赤ちゃんの顔を見ると、思わず「かわいい」と思ってしまう心理効果です。そしてベビーフェイス効果は、赤ちゃんでなくても、「赤ちゃんっぽい顔」であれば働きます。顔の半分以下、そして中央に目や口などのパーツが密集しているものに接すると、人には自然と愛情が湧いてくる機能が備わっています。

赤ちゃんの顔に似ているものといえば、猫や犬などの愛玩動物や、小動物です。そう、動物が写りこんでいる写真は、人の心を和ませてくれるのです。簡単すぎるのに効果が抜群な写真テクニックです。

・笑顔の写真は見る人も笑顔にさせるテクニック

とくに、親密な関係の人がSNS内の多くを占めているときには、意識して笑顔の写真をアップするようにしましょう。人は好意を抱く人、親密な人の表情やしぐさを真似る傾向があり、これを同調効果といいます。あなたの笑顔は、相手も笑顔にさせる力があるのです。

・おいしそうな一皿は「見る人があたかも一口目を食べる瞬間のように」撮る

料理の写真を撮るとき、俯瞰ばかりになってしまっていませんか。他人に「おいしそう」と思わせるには、コツがあります。一番簡単なのが、見ている人がこれから一口目を食べるかのような構図にすることです。

パスタなら出来立てをフォークで掬い上げ、カメラを思い切り近づけて撮影しましょう。スープなども、カップに入った姿をそのまま撮るより、スプーンを一本入れてかき混ぜるだけで、「これから一口目を飲む」雰囲気を演出できます。

・構図は2分割、3分割を意識する

写真の構図もまた、印象を左右する大事な要素です。簡単なのが、2分割か3分割のいずれかを意識すること。2分割とは、写真を縦に2分割して、下部分に大事な要素を入れ込むことです。例えば、下半分に人物を入れ、上半分は青空や風景を写すなど。見る人にポイントがすぐ伝わり、すっきりとした印象を与えます。横2分割でもいいでしょう。

3分割を意識するときは、画面を縦と横にそれぞれ3分割することから始めます。カメラによってはガイドがついていることもあるでしょう。分割した交点のいずれかにポイントとなる被写体を入れて撮影すると、おさまりの良い写真になります。

・どうしても水平に撮影できないなら、思い切って斜め45度に!

頑張って水平に撮ろうと思っているのに、どうしても斜めになってしまうような、不器用な人はいませんか。水平を狙っているのに微妙に傾いている写真は、見る人に不快感を与えます。写真のガイドに沿って撮るのが一番簡単な方法ですが、それでもできないときは、思い切って斜め45度を意識した写真を撮ってみましょう。躍動感あふれる構図になりますよ。

注意!写真を撮ることによって記憶が薄れるという研究報告もある

写真や動画は、後で思い出を振り返るための大事な要素です。しかし、メモリーを大事にするあまり、自分の脳に思い出を焼き付けることをおろそかにしてはいませんか。写真を撮ることによって、それを見た記憶が薄れてしまうという研究報告があります。

フェアフィールド大学の心理学者、リンダ・ヘンケルは、大学生を二つのグループに分け、美術館の作品を鑑賞してもらいました。一方のグループは鑑賞しただけで写真を撮影せず、もう一方のグループは、鑑賞後に写真を撮影しました。

翌日、鑑賞した作品についての記憶テストを行ったところ、写真を撮影したグループのほうが、鑑賞のみのグループよりも明らかに成績が悪かったのです。人は、記録や記憶をカメラに依存する傾向がみられるようです。記憶をカメラ頼りにせず、自分自身の目にも、きちんと焼き付けておきたいものですね。

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