マスクをしているときの心理的効果とマスクに隠れがちなしぐさ

最近、暑いと感じる日が増えてきました。そんなときマスクを付ける息苦しさを改めて感じるのではないでしょうか。そこでマスクをしているときの心理的効果と、マスクで隠れてしまいがちなしぐさについて調べてみました。

  • 暑くても着けたくなるマスクの心理的効果
  • マスクで見過ごしがちな4つの表情としぐさ

暑くても着けたくなるマスクの心理的効果

日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本感染症学会、日本呼吸器学会の4つの学会が立ち上げたワーキンググループが、熱中症予防の観点からマスク着用に注意を促しています。

暑い日のマスク着用については

身体に負担がかかりますので、適宜マスクをはずして休憩することも大切です。

と、マスク着用と暑さによる体力の消耗に注意を促すとともに、マスクを外す際には距離をあけるよう促しているのです。さらに水分の補給を忘れないようにといった注意喚起もしています。

感染予防の観点からはマスクは必要とされるものの、熱中症のリスクは高まる可能性があるといった状況のようです。

実際、暑い中マスクを着けて歩いていると、意外に息苦しいと感じた人もいるかもしれません。そこで感染予防の目的以外にも、人がマスクを着けたくなる心理を探ってみました。

①安心感を得られる
2003年のSARS流行以降、社会的にもマスクの着用が認めらえるようになったと言われていいます。さらに花粉症対策などもあり、さまざまな場所でマスク着用が容認されるようになりました。そうした環境下で感染予防や花粉症予防でもない「伊達マスク」をする人が増えたのだそうです。

その心理について、医師の渡辺登氏は次のように書いています。

マスクをしていれば、他人に自分の表情や感情を読まれないので、自分が相手にどのように見られているのか気にしないですむ。

このような安心感から、マスクを着ける人が出てきたというのです。 ただし、このマスクへの依存が強くなると、マスクを着けることで他者とのコミュニケーションを排除するようになり、

「社会との壁を高く作り、ひきこもりに陥ってしまう危険性もある」

とのこと。

こうした過度な依存は問題ですが、安心感を得られるという点ではマスクを着けるプラスの効果もありそうです。

②好感度が上がる
カナダのレスブリッジ大学の研究によれば、顔の半分を隠すと魅力が大幅にアップするそうです。それどころか顔については見えない範囲が多いほど魅力的に見えるらしいのです。実験で隠したのは顔の左右で、マスクのように上下ではありませんが、それでも同じように魅力が増すだろうという報道がありました。

3つの点が集まった図形を人の顔として認識しがちな脳の働きを「シミュラクラ現象」と呼びます。これは顔を認識することが、野生生物からの攻撃を早く察知することにもつながり、生存率が上がるからだと説明されたりします。人は顔に注意を向ける傾向があり、顔の一部が見えない状況であれば脳が補正してより美しい顔を作り出してしまうといった説もあるようです。

いずれにしてもマスクをしていれば、「素顔」よりも美しく見える可能性がありそうです。これもマスクの心理的効果と言えるのかもしれません。

マスクで見過ごしがちな4つの表情としぐさ

マスクを着けているときの問題の一つは、口や鼻に関連するノンバーバルコミュニケーション(言語以外でのコミュニケーション)が見えなくなってしまうことです。例えば、口をへの字に曲げて示した嫌悪感は伝わらないといったことが起きるかもしれません。

そこで、マスクに隠れがちなしぐさと、その心理を簡単にまとめておきましょう。

①口を横方向に伸ばす
怖がっている人、自分の間違いに気づいた人によく表れるしぐさです。

②舌先をちょっと出して引っ込める
「うまくいった」と感じたときのしぐさ。大きなウソをつき通せた場合にもでるそうです。

③唇をなめる
不安や恐怖を感じている場合に、よく出るしぐさです。

④鼻の穴をふくらませる
動き出す準備のために鼻の穴をふくらませるケースも多いのですが、動揺した人や手荒な行動をしようと思っているひとにも共通するしぐさです。

しぐさの示す心理を完璧に理解している人は少ないと思いますが、しぐさから無意識に相手の思いをくみ取れる人は少なくないでしょう。そうした人にとって、マスクを着けた人の心理状態把握は難易度が上がります。もしかしたら上記のようなしぐさがマスクに隠れているのかもしれないと思いつつ、相手の様子を観察することも、マスクを着けたときのコミュニケーションでは大切なのかもしれません。

心理学に興味のある方はこちらもご覧ください。

参考:『FBI捜査官が教える「しぐさ」の実践解読辞典407』(ジョー・ナバロ/河出書房新社)/「マスク依存」(渡辺登)/「Face perception loves a challenge: Less information sparks more attraction」(Javid Sadr,Lauren Krowicki)

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