メールチェックが仕事でとても大切なのは言うまでもないでしょう。一方で、かなりの時間をメールのチェックと返信に奪われているのでは? そこでメールに費やす時間を削減したい人に役立つ情報をまとめました。
- メールが仕事時間を奪っていく
- 「即レス文化」を拒絶する
- メールのチェック時間を決める
- 緊急のメールだけに対応する
- 話す機会を設ける
メールが仕事時間を奪っていく
メールはとても便利ですが、かなりの時間を奪っていることも事実です。マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの調査によれば、仕事にかける時間の61%は連絡や調整に使われているそうです。そして、その半分がメールだったとのこと。つまり仕事全体の3割強がメールに費やされていたのです。
またメールはストレスの源となっているケースがあります。ブリティッシュコロンビア大学の調査によれば、メールチェックを1日3回に制限された人は、好きなだけメールチェックした人に比べてストレスが大幅に少なかったそうです。
「即レス文化」を拒絶する
時間を生み出す方法を書いてベストセラーとなった『人生が本当に変わる「87の時間ワザ」時間術大全』によれば、重要なのは強い信念で「即レス文化」を拒絶することだと説いています。
というのも、ひたすら素早い返信を目指すのは「多忙中毒」であり、自分の人生にとって大切なことに時間が作れなくなるからだと指摘しています。しかも、この本の著者はグーグルなどで働き、仕事の最速化といった分野で大きな業績を残している人物なのです。
習慣を完全に変えることは難しいかもしれませんが、今よりも少しゆっくりしたペースで返信してみるだけでも、ストレスが軽減されるかもしれません。
では、ここから実際にメールに費やす時間を減らす方法について書いてみましょう。
①メールのチェック時間を決める
メールの確認回数を1日3回に決めると、好きな時に確認するより所要時間が20%削減されたというコロンビア大学の研究もあります。まずはメールがきたらすぐにチェックするのではなく、時間を決めてチェックしてみましょう。
ちなみに『人生が本当に変わる「87の時間ワザ」時間術大全』には、メールの処理が予定時間内に終わらなかったときは、次の業務に取り掛かることを推奨しています。これはなかなか勇気のいることですが、私たちが思っているほど大きな影響はないかもしれません。
②緊急のメールだけに対応する
ハーバードビジネスレビューに掲載された論文には、メールに費やす時間の25%は、自分に必要ではないメールの読み取りに費やされ、25%はさして必要性のないメール、無視しても問題ならないメールの返信に使われていると書いてあります。つまりメールの使う時間の半分以上は、ムダだと指摘しているのです。
この研究の通りであれば、緊急のメールだけに返信し、特に急がないメールは数日後にまとめて処理をするといった方法を取ることができます。「素早く返信をしなければ」という強迫観念を抑え込めれば、本当に即レスが必要なメールに対応できそうです。
③話す機会を設ける
テクノロジーを最大限に利用するためにどうするのかを研究しているベストセラー作家のニール・エヤル氏は、メールでやり取りするのではなく、実際に会うことでメールが減ると書いています。
特に難しいニュアンスを含む問題に対処するときは、会って話し合うことでコミュニケーションが改善され、メールに頼ることが少なくなるというのです。メールでやり取りすれば、わざわざ人に会わなくても仕事が進むと考えがちですが、顔を見て話し合うことで大量のメールのやりとりから解消される可能性があるようです。
さすがに会うのまではという場合は、Web会議で話し合いをするという方法もあるでしょう。メールのやり取りが増えていると感じる相手とは、話す機会を設けることも、メールの時間を削減する有効な方法かもしれません。
今日はメールの時間を削減する方法についてまとめました。改めて本当に即レスが必要なのか、考えてみるのも一つの方法ではないでしょうか。
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監修:日本産業カウンセラー協会
参考:「1 Thing You Need to Know to Save You From Your Email Inbox」(Nir Eyal/Psychology Today)/人生が本当に変わる「87の時間ワザ」時間術大全』(ジェイク・ナップ ジョン・ザラツキ―/ダイヤモンド社)