自分の販売している商品は本当に愛されているのでしょうか?営業の人にはちょっと怖い心理実験をお教えしましょう。
- 本当に商品は愛されてる?
- 「好き」という気持ちに特別な理由はない
- 商品が売れ続けるために一番大切なこと
本当に商品は愛されてる?
あなたはラーメン屋の店主です。
毎日店にはたくさんのお客さんが訪れる。
うちのラーメンはすごい人気だ。だからこの先赤字になるはずがない!
もしあなたがいつもたくさんのお客さんで賑わう人気ラーメン店の店主なら、きっとこう思うかもしれません。
でもそのお客さんたちは、本当にあなたのお店のラーメンが好きで訪れているのでしょうか?
実は、お客さんたちは【チョイスブラインドネス】に陥っているだけなのかも知れませんよ。
お客さんはうちのラーメンのスープの虜になっている!こだわりの麺はどこにも負けない!
そう思っていても、ある日突然常連のお客さんが別のラーメン店を見つけ、そのラーメン店に足繁く通うようになってしまう可能性が大いにあるのです!
しかも、特別な理由もなく。
経営がうまくいっていると思い込んでいても、お客さんがあなたの商品やサービスを気に入っている理由がチョイスブラインドネスだったら、いつしかお客さんはあなたの店から離れ、売れていたはずの商品が突然売れなくなってしまうのです。
そこで、何かを選択する時の理由が本当にあるのかどうか調べた心理学実験をご紹介します。
「好き」という気持ちに特別な理由はない
心理学者のヨハンセンらは、被験者に2人の女性のモノクロ写真を見せました。そして、どちらが好きかを指差しで選んでもらいました。
その次に一旦写真を裏返し、選んだ写真を手に取ってもらい「どうしてその人を選んだのですか?」と質問しました。
実はこの時、実験をする側は写真をすり替えるというトリックを仕込みました。つまり、被験者の手にはその人が選ばなかった、好きではないと思った方の女性の写真が手渡されたのです。
そんなの絶対に気付くはず!
そう思ったら、あなたはチョイスブラインドネスの怖さを全く分かっていません!
なんとこの実験の被験者の6割が写真がすり替えられたことに気付かず、「あなたが選んだのはこの人ですよね?」という問いかけに疑問さえ持たなかったというのです!
そして、その人を選んだ理由として「目がステキ」「笑顔が可愛い」「髪型が好み」など、最もらしい理由を述べたのです。
びっくりしませんか。自分で選んだ人なのに、それがすり替えられても気付かないなんて。
人は、選択した後に理由を探すことで自身の選択を正当化することがあるのです。
この心理的錯覚「チョイスブラインドネス」の実験で、私たちがいかに「理由」を後付けしているかということがよく分かるのではないでしょうか。
だからラーメン店の例だけでなく自身の仕事でも、あるいは恋人、夫婦であっても実はチョイスブラインドネスで好きだと思い込んでいるだけなのかもしれないのです。
商品が売れ続けるために一番大切なこと
そうすると、あなたの会社の商品・サービスを選んでくれているお客様も心理学実験と同様にあなたの商品・サービスがすり替わっても気付かないかもしれません!
まぁそこまではいかなくても、何か特別な理由があって選ばれているわけではないかもしれないのです。
先に書いたチョイスブラインドネスの実験の通りなら、お客様の4割は商品をこよなく愛してくれている本当の顧客だとしても、残りの6割のお客様はなんとなく選んでいるだけかもしれません。
つまり6割はいずれいなくなってしまう可能性のある顧客。こう考えると、現状に満足なんかしていられませんよね。
では6割のお客様をどうつなぎ止めたらいいのでしょうか?
それは、商品・サービスではなく、それを販売する「あなた」自身に魅力を感じてもらうということなのです。
魅力を感じたのが商品という一つのものだけだと、他にいいものを見つけた時にその顧客はスーッと目の前から消えてしまうかもしれません。ってその人の選択には、明確な理由ないかもしれないのですから。
商品の選択に明確な理由のない顧客は、一定期間だけ他社の商品を愛用しているつもりになってしまうのです。
そうなると、自社の経営へのダメージはとても大きなものになりますよね。
では、あなた自身に魅力を感じてもらっていたとしたらどうでしょう?
あなたが新しい商品を提案すれば、一度目移りしても「じゃあそれにしよう。」と戻ってきてくれるかもしれません。
会社を辞めて独立しても、あなたの魅力で商品を買ってくれているお客さんはずっとあなたから商品を買い続けてくれます。例えば新しい商品が次から次に出る保険商品、保険営業担当者の話だけでほとんど契約を決めるようです。保険だけでなく、信頼する医師が別の病院へ異動してもその新しいところまで診察を受けに行く患者さんもいるし、美容師でもその人が別の美容室へ移ればお客さんが新しいお店まで出向きお金を払って髪を切ってもらいます。
商品ではなく、あなたという人を選んでもらう。
そうした営業ができれば、チョイスブラインドネスなんて全く怖くありませんね!