「許せない」と思ったときに試したい2つの方法

どうしても誰かを「許せない」と思うことがありますよね。でも、イヤな相手が脳裏から離れないような日々は、けっして良いものではありません。そこで、許せないと思ったときに試したい方法をご紹介します。

  • 憎しみの「奴隷」になるのは自分!?
  • グループへの憎しみはより早く広まる
  • 憎しみから解放される2つの方法と1つの予防法

憎しみの「奴隷」になるのは自分!?

顔を見るだけで腹が立つ、過去の相手の行動がどうしても脳裏から離れない。そんな経験を持つ人も少なくないかもしれません。でも許せないからと相手を恨んだり、憎んだりしてしまうと、つらくなるのは自分自身かもしれません。「もう、許せない」と思ったら、少しだけ冷静になってみませんか?

「憎しみはあなたを奴隷にする」といったような格言が海外にはあるようですが、実際、憎しみが強ければ強いほど、それについて考える時間が増え、怒りも強まってしまってしまうと、Clifford N. Lazarus、Ph.D.は書いています。
つまり相手を憎んだ結果、自分がつらくなってしまうとのことなのです。

恨みや憎しみの発端は怒りです。怒り自体は当たり前の感情ですが、その怒りが消えず、心の中に持ちづけることで恨みや憎しみへと変わっていきます。憎しみは頭で増殖して相手に無関心になることができなくなってしまうので、脳裏から離れなくなってしまうのです。

グループへの憎しみはより早く広まる

憎しみは他人の経験を聞いても生まれるとMarianna Pogosyan Ph.D.は指摘しています。怒りは実際の体験から生じるので、そこには大きな違いがあります。また憎しみは個人ではなくグループに向けられると、他人にも広がりやすくなるそうです。世代を越えて広がる場合もあります。人種差別などのヘイトは、その典型だとMarianna Pogosyan Ph.D.は指摘しています。これはグループを憎むと、心理的にも特定の人と対峙する必要がないため、憎しみが強化されるといった働きがあるようです。

つまり個人を憎むより、さらに危険なのはグループを憎むことだというわけです。特に集団への憎しみが、相手を排除したいというところまで高まってしまうと危険です。
米国では深刻な人種対立が起こっていますので、グループを対象にした憎しみをどうするのかは、日本よりはるかに大きな問題でしょう。

憎しみから解放される2つの方法と1つの予防法

さて、では心の中に巣くってしまう「憎しみ」から解放されるには、どうしたらいいのでしょうか?

① 恨み事を口にしない
怒りや恨みといった感情を口にすればするほど思考や感情は強化されてしまいます。腹が立った出来事を思い返して、ブツブツと独りで口にするような行為はやめましょう。気付いたら、すぐに中止するようにするといいそうです。

② 「ひどい出来事」を「不幸な出来事」に
憎しみにつながる出来事を、私たちは「ひどい」と表現しがちです。でも、そうした感情から少し距離を置いて、「不幸な出来事」「望ましくない出来事」と捉え、心の中で呼び方を変えてみると、少しずつ問題の見え方が変わってくるそうです。
もちろん恨みや憎しみは、簡単に消え去るわけではないでしょう。少しずつ努力を重ねることで消えていくといったケースもあるそうです。

だからこそ怒りが憎しみに変わる前の段階で予防することが大切なのです。
そのためには否定的な感情から一歩距離を置いて、その怒りを持ちづける必要があるのかを考えるといいようです。

また、「相手を許せない」と感じたとき、その根拠となる理由が本当に正しいのかを検討してみるのも効果があるようです。自分が正しいと思っている事は、相手の立場になったときも「正しい」と思えるのか、検証することで怒りが憎しみに変わるのを防ぐことができるといった指摘があります。

憎んでしまうとつらいのは自分。そうならないためにも、憎しみや恨みの芽を摘んでおきたいですね。

自分の心をしっかりコントロールしたい人は、こちらもご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考:『あの人はだけは なぜ許せないのか』(富田隆/主婦の友社)/「Understanding Hate」(Marianna Pogosyan Ph.D./Psychology Today)/「How to Let Go of Unhealthy Grudges」(Clifford N. Lazarus Ph.D./Psychology Today)

関連記事

「ありえない一言」を言ってしまう人の心理とは?... 「え、この場面で、そんなこと言っちゃうの?」場を凍らせるようなことを平気で言ってしまう人がいます。そしてもし上司がそんな人だったら……。今回はそんな人の心理を考えてみましょう。 自己モニタリングができない人たち上司の場合 自己モニタリングができない人たち たとえば職場の仲...
怒り方でわかる部下に対する上司の気持ちって?... パワハラへの意識も高まり、上司が大声で怒鳴るようなことは減っているかもしれません。しかし攻撃的な人の怒りは、なかなか収まらないもの。部下への怒り方で見えてくる上司の心理について紹介します。 心理が表れる3つのパターン さすがに大声で罵倒する上司は減っているようです。パワハラとい...
かかわってはいけない攻撃的な人の「正義中毒」って?... 攻撃的な人にもいろいろなタイプがいますが、中には相手にしてはいけない人たちも!? 「正義中毒」と呼ばれるタイプも要注意です。その特徴と対策についてまとめておきましょう。 海外でも話題になる攻撃的なタイプ 自身の考える正義を振りかざして、他人を攻撃する人が世界的にも増えているよう...
人を「許せない」気持ちに潜む心理とは?... テレビやネットなどを見て、この人はどうしても許せないと感じることもあるでしょう。あるいは実生活でも、どうしてだか、その人の行動だけは許せないと感じることも……。それはどうしてなのでしょうか?「許せない」に潜む心理を調べてみました。 「許せない」はメンタルヘルスのバロメーター社会の変化...
ストレスを感じやすい今こそ活用したい、「相手の立場に立つ」4つのステップ... 「どうして、そんなこと言うんだろう」と思うことはありませんか? こちらの言いたいことも伝わらなくてイライラしてしまったり……。そんなときに試してほしいのが「パースぺクティブ・テイキング」。相手の視点に立って考える方法です。 話が通じないと感じるのは自分だけ?自分の主張が完璧ではないこ...

働く人の心ラボは、働く人なら知っておきたい『心の仕組み』を解説するサイト。
すぐに応用できる心理学の知識が満載の記事を配信しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です