「私なんて~」と「どうせ何したって~」といったセリフが口に出るようなら要注意!自分を批判しすぎていませんか? 自己批判はストレスを増大させる要因の一つです。今日は自己批判による落ち込みを解消する方法をご紹介します。
- 長時間労働で自分を責めていたら要注意
- 自分に優しくするって?
- 自分に優しくなる3つの方法
長時間労働で自分を責めていたら要注意
「なんて自分はダメなんだろう」「どうせ何をやってもダメだ」「私なんて……」といった言葉が、自然と口をついて出てしまうことはありませんか? 気が付いたら、自分を攻撃するような独り言のオンパレード。そんな状態がプラスに働くわけもありません。
特にストレスがかかって、自己否定的になっているときは要注意です。ペンシルベニア大学大学院アニー・マッキーとカンディ・ウィーンズは、ストレスが自分に厳しすぎる結果であることが少なくないことを指摘し、自分に寛容になることが重要だと説いています。また仕事のプレッシャーなどから、とにかく問題を解決しようと労働時間を増やすといった行為は、さらにストレスを生みだすとも警告しています。
最近、何だか自分を攻撃するような独り言が多いし、ストレスも高くて、労働時間も増えていると感じたら、それは負のスパイラルに入っている可能性があります。アニー・マッキーとカンディ・ウィーンズによれば、労働時間を増やして問題を解決しようとしても状況が改善されることは滅多になく、ほとんどは事態をさらに悪化させるそうです。
自分に優しくするって?
自己批判的な態度は、これまでもさまざま研究が行われており、かなりの悪影響を及ぼすことがわかっています。一方で自分に優しくすることは、精神の回復力を高め、成功へとつながるケースが多いと報告されています。
ただ、自分への厳しさを肯定的にとらえる人にとっては、自分に優しくするといった態度に慣れていないかもしれません。
そこで自分に対して、どんな態度を取るべきなのかを少し説明しておきましょう。まず叱責や批判を控えましょう。「そんなことをしているからダメなんだ」といったセリフは禁物です。また自分の行為を恥ずかしいと思い過ぎるのも問題です。
必要なのは理解と忍耐です。自分が前向きになれるように、友人を励ますときのように自分に接する必要があります。
もう一つ重要なのは、「人は誰もが間違う」と思い出すことです。ときどきは失敗し、その失敗を糧に成功へと歩みを進めるのが人間だからです。間違いや、そこから明らかになった自分の弱点に対処するために、自分を許してあげましょう。
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自分に優しくなる3つの方法
イェール大学のエマ・セッパラ博士は、自分に優しくなるための方法を3つあげています。順番に説明していきましょう。
①独り言に注意する
独り言に注意を向けましょう。失敗したときはもちろんのこと、新しいことに挑戦するときなどにも、「自分にできるわけない」と自己否定的な言葉をつぶやいてしまうことがあります。こうした言葉を口にしないように気を付け、自分を思いやれる言葉に変えることで、心理状態は改善していく可能性があるようです。
「誰でも起きる可能性のある失敗だった」「自分ならできる」「すべての状況を改善することができなくても、少しずつなら変えられる」といった言葉で、自分を励ましてみましょう。
親しい友人が落ち込んでいるとき、自分ならどんな言葉をかけるのかを考えれば、自己批判的な言葉を言い替えることができます。
②自分に手紙を書く
自分への批判が止まらないときには、自分に手紙を書いてみてください。同じ過ちを犯した友人として、自分への手紙を書くのです。自分の気持ちに思いをはせ、慰めてみるのです。
最初、こうした行為は奇妙に感じられるかもしれませんが、文章にしたためることで落ち着いて状況を捉え、そこからの復活の道を見つけることができるようです。
③自分へのフレーズを決める
自分に優しくなれるように、静かに復唱できるセリフを決めておきます。フレーズは4つのパートから成り立っているので、一つずつ選んでつなげてみてください。
パート1
「今は苦しみのときである」
「私は、今、苦しい時間を過ごしている」
「今これを感じることは苦痛である」
まず自分が苦しんでいることから逃避するのではなく、しっかりと味わいます。
パート2
「苦しみは人生の一部である」
「これは人間としての経験の一部である」
「誰でもこのように感じるときがある」
誰もが苦しみを体験することを思い出します。自分だけが穴にはまって動けないといった気分かもしれませんが、じつは自分だけが特別ではないことを思い出しましょう。
パート3
「今、自分に優しくしてもいいだろうか」
「優しさで苦痛を包み込んでいいだろうか」
「自分に対して優しく理解のある態度をとってもいいだろうか」
自分を癒します。
パート4
「必要とする慈悲の心を自分に向けてもいいだろうか」
「私は自分への慈悲を受ける価値がある」
「私は可能な限り慈悲的であろうと思う」
ここで自分に優しくいいんだということを再認識します。
もちろん覚えて、いつでも唱えられるようになるのはベストですが、紙に書いて自己批判的な気持ちになったとき唱えるようにしてもいいでしょう。
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監修:日本産業カウンセラー協会
参考:「Prevent Burnout by Making Compassion a Habit」(Annie McKee Kandi Wiens/ Harvard Business Review)/「Painfully Self-Critical? Try These 3 Self-Compassion Tips」(Emma Seppälä Ph.D./Psychology Today)