「最近、なんか疲れるな」と感じたことはありませんか?もしかしたら、それはテレワークが原因かもしれませんよ。米国ではテレワークによるバーンアウト(燃え尽き症候群)も起きているとか!?「テレワーク疲れ」の原因と対策を紹介します。
- バーンアウトも引き起こすテレワーク
- メンタルヘルスにも影響が!?
- 仕事と生活を分けていく
バーンアウトも引き起こすテレワーク
当初は「通勤時間もなくなり体もラクになった」と感じていたテレワーク。ところが続けているうちに、「前より疲れるようになったかも……」と感じていませんか?
じつはパンデミックにともなうテレワークの増加で、「テレワーク疲れ」を訴える人が増えているようなのです。
今年4月、イーグル・ヒル・コンサルタントが実施した調査によれば、全米約1,000人のうち「在宅勤務でバーンアウトしている」と答えた人は45%にものぼりました。その原因については、45%が「仕事量」だと答えています。
さらに米国企業のFlexJobsと非営利団体のメンタルヘルスアメリカ(MHA)が共同で行ったアンケート調査でも、1,500人の回答者の40%がパンデミック中のバーンアウトを経験したと答えているのです。
米国の調査会社のOnePollも、テレワークの従業員の65%が、これまで以上の長時間労働をしていると答え、67%の人が1日中いつでも仕事のプレッシャーを受けていると回答しています。
メンタルヘルスにも影響が!?
日本でもテレワーク導入時に、経営陣の多くが従業員のサボりを警戒したけれど、導入後に気を付けなければならないのは働き過ぎだったという話が、よく報道されていました。しっかり仕事をしているとアピールする気持ちが、労働時間を増やしてしまうといった例もあるそうです。
また新型コロナウイルスの影響で自宅にいるのが当たり前となり、常に対応しなければと思ってしまう人もいるそうです。逆に、上司などから常に対処できるはずといった圧力をかけられるケースも報告されているようです。
アメリカ疾病予防管理センターによれば、長期化するパンデミックの影響でメンタルヘルス不調を訴える人が増えているそうです。テレワークによる働き過ぎは、弱っているメンタルにさらなる圧力をかける可能性があります。
仕事と生活を分けていく
では、「テレワークを疲れ」に陥らないようにするためには、どうしたらいいのでしょうか?ノールカロライナ大学シャーロット校のブライアン・ロビンソン博士は、テレワークによるバーンアウト対策として、次のような新習慣を提唱しています。
さっそく紹介していきましょう。
①「ワーク」と「ライフ」を分ける
テレワーク前であれば、ワークライフバランスは退社時間で整えられました。しかしテレワークでは、「ワーク」と「ライフ」の時間や場所が入り混じっています。
そこで、まず仕事する場と生活する場を分けることから始めます。もちろん専用のワークスペースを持てるなら最高ですが、多くの人は難しいでしょう。そこで仕事が終わったら、PCを引き出しやクローゼットにしまうといいそうです。
PCをしまうといったある種の「儀式」を行うことで、「ワーク」と「ライフ」をしっかり分けることができます。
②勤務時間後にメールの通知をオフにする
「職場に居ないから対処しようがない」といった意識を、テレワークは奪いがちです。仕事が終わったらメールも見ないし、電話も受けないといった姿勢を示し、自分の勤務時間を周りにも知らせることがバーンアウト対策に大切になるそうです。
③仕事の後に個人の予定を入れる
趣味などの個人的な予定を、終業時間後に入れることをブライアン・ロビンソン博士は勧めています。何らかの予定があれば、仕事に戻ってしまう可能性が低くなるからです。
④勤務時間は仕事に集中
勤務時間に集中できないと、その遅れを取り戻そうと夜も働きたくなりがちです。逆に勤務時間に高い生産性を維持できれば、達成感を得ることもでき、メンタルにもプラスとなります。ダラダラと仕事をしないことが重要です。
テレワークによる過重労働は、今後も大きな問題になってくるかもしれません。無理をし過ぎないように気を付けたいですね。
メンタルヘルスについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
参考:「米国でも在宅勤務疲れ、ライフ浸食 仕事量の増加に孤独感」(瀧口範子/日経MJ)/「Remote Worker Burnout on the Rise」(Bryan E. Robinson Ph.D./Psychology Today)