危機に強いとも言われるHSSの「冒険心」って?

繊細で心配性なきらいがあるのにチャレンジ精神が旺盛。こうしたちょっと矛盾したような行動をする人は、HSS(High Sensation Seeking)かもしれません。そんなHSSの「冒険心」について調べてみました。

  • リスクも克服すべき課題
  • 日常生活がつまらない!?
  • コロナ禍でも力を発揮するかも!

リスクも克服すべき課題

刺激に敏感で、人の影響を受けやすく、直観力があり繊細過ぎる人である「HSP」(Highly Sensitive Person)は、人口の20%を占めるといわれます。そのHSPの人のうち30%ほどを占めているのが、HSS型HSPです。

その特性は、「いつもブレーキとアクセルの両方を踏んでいる」と表現されます。とても繊細なのに外交的。しかも新しいことに目がなく、飽きっぽい印象も受けます。ただチャレンジ精神も旺盛で、ビジネスで成功している人も少なくありません。

仕事を選ぶとき、とにかく面白いものを選択する人もいれば、安定性を最重要に考える人もいます。この違いは「リスク」のとらえ方の違いです。危険で避けるべきものと考えるのか、スリルが得られると思えるによって人生の選択は大きく違ってくるからです。

登山家やスカイダイビングの愛好家、マウンテンバイクで山を猛スピードで下るエクスストリームスポーツが好きな人たちは、刺激を求める性格特性です。過去の研究では、登山家は刺激を求める傾向が非常に強いことがわかっています。

心理学者のケネスカーターは

「(リスクである)潜在的なストレス要因を、脅威の対象ではなく、克服すべき課題だとみなしている」(「Sensation-Seeking」Psychology Today)

と、刺激を求める性格について説明しています。

危険な状況に身を置いて挑戦することで、成長しやすい環境が整います。また、この性格特性はストレスを軽減する傾向にあります。もちろんHSS型HSPの場合は、「克服する課題」と感じても心配し過ぎる傾向もあるので、刺激を求める性格と同じように感じるわけではないと思いますが……。

日常生活がつまらない!?

とはいえ刺激を求める性格特性はプラス面ばかりではありません。

というのもこの手のタイプの人は退屈しやすいからです。退屈すると仕事の満足度が低くなってしまうケースもありますし、ギャンブルや薬物、性的関係に刺激を求める人もいます。

カリフォルニア大学デービス校の心理学者サルバードル・マディ博士は、次のように警告しています。

(刺激を求めるタイプの人は)「日常生活から意味と目的を引き出すのに苦労するかもしれません」

命綱など安全確保の道具を使わず、独り岩壁を登るクライミング「フリーソロ」愛好者の中には、極限の集中力で感じる時間を唯一無二と感じる人もいるようです。万が一の事故が起こらないように幾重にもセイフティーネットがかけられている日々の生活では味わえない時間を、エクスストリームスポーツが与えくれるというわけです。

デラウェア大学の心理学者マービン・ザッカーマンは、刺激を求めるタイプかを見極める心理検査をつくった人で、この性格傾向について次のように説明しています。

衝動的で自由主義的な政治を好み、ロックミュージックやホラー映画など刺激の高い活動が大好きです。また風変わりで興味深い友人たちを好む傾向があるようです。

偏見から社会的に不安定な立場に置かれることもあるかもしれません。

コロナ禍でも力を発揮するかも!

とはいえ過去の常識がときに通じなくなってしまっている現状で、危機に強いと言われる性格特性はプラスに働くかもしれません。

スリルを求める中で新しいことに挑戦し克服することで、自信を深めていきます。不確実な未来を恐れない性格は、危機に高い対応力を見せるだけではなく、さまざまな組織で重要な活動をし、リーダーシップを担う可能性もあるそうです。

ここで、マービン・ザッカーマン博士が作った刺激の好きな性格特性のテストを紹介しておきましょう。これは英文を訳しただけで、日本人にフィットするのか検証していないので、参考程度にご覧ください。

①未知なる場所を探索したい
②長時間、家で過ごすと落ち着かない
③ドキドキするようなことをしたい
④お酒がふんだんにあって大騒ぎできるようなパーティーが好き
⑤ルートも時刻表も見ない、事前の準備なしの旅行に行きたい
⑥風変わりで何かするかわからないような友達が好き
⑦バンジージャンプを試したい
⑧これまでにないエキサイティングな体験をしたい

どうだったでしょうか?
もし刺激好きの性格だったら、コロナ禍では貴重な人材なのかもしれません!

性格特性など心理学に興味のある方は、こちらもご覧ください。

参考:「Lust for Life」(Kenneth Carter Ph.D./Psychology Today)/「Risk」(Paul Roberts/Psychology Today)/「Sensation-Seeking」(Psychology Today)

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