大注目!時間に追われている人のストレス解消って?

ストレス解消の方法は、いろいろあります。その中でも、近年、注目を集めている方法があります。特に時間が足りない、心の余裕がないと感じている人にお勧めの方法です。

  • キーポイントは畏怖の念
  • 時間に追われている人にも
  • 畏怖の念を覚える5つの方法

キーポイントは畏怖の念

近年、心理学の論文でストレス解消法として注目されているものがあります。それは「畏怖の念」。「ん?」と思った人も多いかもしれませんね。意味は、「おそれ、かしこまること」。恐怖心と慎みが合わさった感情と言われます。

わかりやすいのは、神社や仏閣などの歴史的な建物でしょう。また広大な海や砂漠、神々しい自然の景色なども畏怖の念を覚えるものです。

こうした感情がどうしてストレスを軽減できるのかについて、欧米の研究者は「圧倒される存在によって、自分への注意が薄くなるから」と推測しています。

カリフォルニア大学バークレー校のキャンパスにある時計塔を利用した心理実験でも、塔から湾やゴールデンゲートブリッジなど広大な景色を満喫した参加者は、ストレスの大幅な減少を記録しています。また畏怖の念を抱くことで、生活への満足度が上がるといった報告もされています。

ポジティブ心理学では、宗教的な活動が幸福度を高めると指摘しています。畏怖の念は、こうした研究結果とも一致しているようです。

時間に追われている人にも

また畏怖の念は、ストレス解消以外の効果も報告されています。

2012年にスタンフォード大学で行われた実験では、時間が無限になると感じる人の割合が増えたと報告されています。

畏怖の念にとらわれると、「悠久の時間」といった感覚に引き込まれるのかしれません。常に時間がないと感じている人にとって、個人の時間感覚から離れることは大きなプラスでしょう。特に実際は締切りのない人生目標によって、追い詰められている人は、宇宙や地球、歴史などが引き起こすゆったりした時間を味わうといいかもしれません。

畏怖の念を覚える5つの方法

では、実際に畏怖の念を覚えるためには、どうすればいいのでしょうか? 論文などにあげられている例をまとめてみましょう。

①宗教施設
神社・仏閣・教会など。歴史的な宗教施設は、その宗教への信仰を持っていなくても畏怖の念を抱くものです。実際、世界各地の歴史的な宗教施設は、観光地としても人気です。
自分の好みの宗教施設を持っておき、定期的に訪ねてストレスを解消するのも効果的かもしれません。

②自然の景色
広大な自然に多くの人は畏怖の念に打たれます。観光地のように有名な場所でなくても、自分の身近にも畏怖を感じる景色はあります。町おこしなどで観光客にお勧めのスポットを探すとき、地域住民以外の意見を取り入れることがあります。いまではすっかり観光地となった「棚田」も、昔は地域の見慣れた風景で、その価値を地元の人は感じていなかったという話もあります。
自分の身の回りに、素敵な自然な風景がないのかを、地元の人以外に聞いてみるのも面白いかもしれませんね。

また、動植物などを観察できる庭も畏怖の念を覚えることができるようです。自然の営みの力強さを感じられるようであれば、広大な景色は必要ありません。公園などを散歩し、自然を観察するようにしましょう。

③映画や演劇、パフォーマンス
映画や演劇、パフォーマンスなども畏怖感を与えるものです。素晴らしい美術や感動的な生き様、驚愕のパフォーマンスなどの心震える瞬間に畏怖の念を覚えるものがあるでしょう。

複数人で一緒に見て、その体験を共有する方が、ストレス解消により向くという指摘もあります。

④ライブ音楽
盛り上がるといった音楽ではなく、涙を誘うといった音楽も効果的だと書かれていました。ドームコンサートのような大規模なものではなく、こじんまりとした空間でのライブがいいようです。

⑤自然や建造物などの映像
実験では映像を流して畏怖の念の効果を確かめてもいます。環境映像を流して、どっぷりと漬かってみるのもいいでしょう。コロナ禍では外出もままならないので、環境映像でリフレッシュしてみるのもいいかもしれません。

心理学を活用したストレス対策に興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考:「Awe as a Resource for Coping With Stress」(Andy Tix Ph.D./Psychology Today)/『幸せがずっと続く12の行動習慣』(ソニア・リュボミアスキー/日本実業出版社)

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