パワハラへの意識も高まり、上司が大声で怒鳴るようなことは減っているかもしれません。しかし攻撃的な人の怒りは、なかなか収まらないもの。部下への怒り方で見えてくる上司の心理について紹介します。
心理が表れる3つのパターン
さすがに大声で罵倒する上司は減っているようです。パワハラという単語も知られるようになり、社会的に問題となることを多くの人が肝に銘じるようになったからでしょう。
それでも怒る上司というのは必ずいるもの。そこには
部下を攻撃したり罵倒したりすることで、自分の精神の安定を図っている
ケースがあると、目白大学の渋谷昌三教授は著書に書いています。
渋谷教授は、上司の心理が表れやすい3つのケースを指摘しているので紹介しましょう。
①わざわざ席まで来て、見下ろしながら怒る
上下関係を重要視しているタイプのです。部下のことを下に見ているため、部下がミスをしてもかばってくれないケースも多いでしょう。ただ、自分の能力や上下関係にやや自信を失い、その不安から部下を攻撃しているケースもあるそうです。
このタイプの上司は、自分が優位であることを認めると攻撃がやむケースがあります。相手を褒めたりすることも有効でしょう。またミスなどをついてくるケースも少なくないので、突っ込まれないようにミスをなくすといったことも、プラスに働くでしょう。
②部下を呼びつけて立たせたままで怒る
自分の地位が絶対であると確信しているタイプが多いそうです。
そのため部下を持ち駒のように考え、邪魔なら切り捨てるといった態度を取る上司もいます。
この手の高圧的なタイプは、部下を自分の思い通りに動かしたいという「支配欲」を持っているケースもあるようです。委縮して部下が思い通りになる方が安心できるのです。
この手のタイプは、対立しないことを一番にするといいでしょう。相手を否定することで、激高するパターンもあるので刺激しないことが重要です。納得できない部分は、教えをこうといった態度だと高圧的な態度が弱まるかもしれません。
③人目のつかない場所で呼び出して怒る
パワハラにならない叱り方として推奨されているケースもあり、①や②のようなタイプが場所だけを変えて怒るというパターンもあります。しかし基本的には部下のことを思ってくれている上司の叱り方です。
本当に部下のことを考えてくれているのかの判断ポイントは、目線を部下と同じところに持ってくれているかどうかでしょう。
じつは部下のためを思って苦言をていしてくれるのは、本当はありがたいものです。面倒だから指摘しないという人も増えているだけに、自分に意見してくれる上司は大切にしたいものです。
痛いところ指摘されて腹が立つこともあるかもしれませんが、まず、自分の状況を見直してみましょう。反省点が見つかるかもしれません。
今日は上司の怒り方・叱り方について解説しました。
上司と部下は上下関係があるため、その役割が支配欲などを刺激してしまうケースがあります。また、会社に所属していれば安心という時代でもないため、その不安を部下に反映する上司もいることでしょう。
周りに相談するなどして、自分が追い詰められないようにしましょう。その意味では社内に相談できる人脈を持っているのも大切でしょう。
心理学に興味のある方は、こちらもご覧ください。
参考:『他人の心理学』(渋谷昌三/西東社)/「「攻撃的な上司」3つのタイプ、キレないための賢い対処法」(榎本博明/DIAMOND online)