長期目標を達成するために知っておきたい3つの心理とその対策

長期目標を達成できない人は少なくないでしょう。年始の目標はもちろん、会費を納めたスポーツジムにも行かず、通信教育のテキストも数ヵ月以上開いてない。そんな人にために物事を継続できない3つの心理とその対策をまとめました。

  • 心理①楽しくなければやらない
  • 心理②意志力を信じてはいけない
  • 心理③目の前の魅力に勝てない
  • 長期目標を達成するための方法4選

心理①楽しくなければやらない

さて、質問です。

今日からダイエットをしようと思ったとき、先に頭に浮かんだのは、「半年後の体型」か「毎日のつらい運動」のどちらでしょうか?

じつは多くの人が「半年後の体型」を思い浮かべます。
『自分を変える方法――いやでも体が動いてしまうとてつもなく強力な行動科学』(ケイティ・ミルクマン/ダイヤモンド社)によれば、目標に対する取り組み方を調べた調査では「短期的な苦痛を考えずに、長期的に得られそうな利益だけを考えることが多い」という回答が3分2以上だったからです。

そもそも短期的な苦痛を思い浮かべたら長期的な努力をしようという気にならないという考え方もあるでしょう。しかし行動科学を研究しているケイティ・ミルクマンによれば、この考え方こそが長期目標を達成できない要因の一つだそうです。

私たちは「楽しくなければやらない」生き物だと認識することが、長期目標を達成する第一歩なのです。

心理②意志力を信じてはいけない

長期目標を達成できないもう一つの心理的なワナは、「次はできる」と思い込んでしまうことです。どれだけ失敗しても、次はうまくできると考えてしまうことは、特別なことではありません。

多くの人は「今度こそダイエットに成功できる」と考えてスポーツジムに入会し、「今度こそ資格試験に合格する」と考えてテキストを買うのです。しかし抜本的な改革をしなければ、その目標が達成されることはありません。

とにかく自分の意志力を信じないこと。それが長期目標達成の秘訣です。

心理③目の前の魅力に勝てない

「現在バイアス」という単語を知っていますか? これは目の前にある事を過大に評価してしまう心理傾向のことで、未来の喜びよりも、目の前の喜びを優先してしまう心理です。

有名なのは「翌日にもらえる1万円と1年後にもらえる1万1000円でどちらを選びますか?」という質問です。ほとんどの人が翌日の1万円を選ぶことがわかっています。1年で10%の利子が付くと考えれば、かなり大きいとわかりますが、やはり目の前のご褒美には、なかなか勝てないのが人間なのです。

「現在バイアス」にかかりにくい人がいることも心理実験でわかっています。また、目の前の幸福を我慢して、未来のために努力できる人は成功をつかみやすいという心理実験の結果もあります。

ただ、そうした傾向を持っている人は、この記事を読んでいないでしょう。自分は「現在バイアス」に翻弄されやすい人間だということを、肝に銘じておきましょう。

長期目標を達成するための方法4選

長期目標を達成する方法を、上記のような心理傾向から考えると次のようなものになります。

「なるべく意志力を発揮せず、楽しくて我慢する時間が短い方法」

このような方法を見つけるためのテクニックを4つ紹介します。

①長期目標を達成して嬉しいのかを考える
つまりベストは好きなことを続けることです。ただ、どれだけ楽しくても、すべてを楽しいと思える活動など、まずないでしょう。例えばサッカーをするのが楽しくても、もう一つ上のレベルで活躍するためには筋トレが必要になってくる。そうした努力は、必ずしも楽しいとは限りません。

だからこそ長期目標が、自分の楽しみに繋がるのかは考えた方がいいでしょう。

例えば簿記の勉強をしようと思ったとき、試験に合格した後に経理の仕事をしたいのかを考えてみましょう。給料は上がるけれど、自分に合ってないと思うなら、そもそも長期の目標自体が間違っています。再考してみましょう。

②なるべく楽しい努力にする
必要な行動がなるべく楽しくなるように工夫しましょう。
例えばダイエットで運動がしたいなら、最初に考えるのは効果ではなく、楽しいかどうかです。効果の高い筋トレを取り組むのではなく、運動ゲームから始める。そうした意識が重要です。

③必要な努力と楽しい活動をくっつける
「走りながらドラマを観る」「喫茶店で好きなドリンクを飲みながら勉強する」。このように努力と「ご褒美」を一緒にできるように仕組みをつくりましょう。

もちろん一緒にできないこともあるでしょう。そんなときは努力したすぐ後に、ご褒美を設定するようにします。勉強が終わったら、すぐにアニメを観るといった方法です。

自分が楽しいと思える時間を書き出して、努力する時間と結びつけられるのかを考えましょう。

④「ご褒美」だけを取らないようにする
「ご褒美」が機能するためには、目標のための行動と結びつかないところで好きな行動をしないようにする必要があります。「勉強したらアニメを」と思っていたのに、帰宅してアニメを観始めてしまったら「ご褒美」にならないからです。

そこで「ご褒美」が先に手に入らないようにする必要があります。例えば勉強を帰宅途中に済ませて自宅ではアニメを観る、というように「目標のための行動」の後に「ご褒美」がくるように場所を分けたり、帰宅したらすぐに勉強できるように机を整え、テレビやモニターのスイッチを入れにくくするというように、「ご褒美」がすぐに手に入らないよう工夫するといった方法もあります。

それでもご褒美を我慢できない人は、神様と契約書を作って禁止事項を書くのもいいでしょう。神様との約束を書面化し、有効期限などを書くと無宗教の人でも抑止力になるのではないでしょうか。

「資格の勉強が終わらないうちにネットで遊んでしまったらバチがあたる」と神様の名前とともに書いた書面をつくって署名すると、約束を違えるのに勇気が必要になります。

今日は長期目標を達成するための知っておきたい心理と対策をまとました。

人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:『自分を変える方法――いやでも体が動いてしまうとてつもなく強力な行動科学』(ケイティ・ミルクマン/ダイヤモンド社)

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