「やりたいことがわからない」と感じることはありませんか? 気が付けば、何もやりたいくなしほしくない、何も期待していないという状態は必ずしもいい状態ではないのかもしれません。そこで、今回は本当にほしいもの、やりたいことを見つける方法について考えてみました。
- 自分の選択に自信を持つためにも
- 自分の欲求の方向性を探る
- なりたい動物は?
- 自分のお葬式を想像する
自分の選択に自信を持つためにも
本当にほしいものがわからないと、ないものねだりなども起きるといわれています。さしてほしいものではなかったのに、希少品だと言われるとほしくなる。これは心理実験でも確かめられた一般的な心理ですが、その根底には自分のほしいものを理解できない心理が働いていると言われています。
もちろん物欲が減っただけならあまり困ることもないかもしれませんが、人生全般に望むものがなくなると、自分の生き様が味気ないものに見えてくるかもしれません。特に就職や転職、結婚など、人生の転機に自分が何をやりたいのかまったくわからないことに気づくとと唖然とするかもしれません。
必要に迫られて選んでも、自分の選択に自信が持てず、本当にこの選択でよかったのかを考えてしまうことも……。ときには、やっぱり違うと感じて会社を辞めてしまったりすることもあるでしょう。
そんな失敗をしないためにも、自分の欲求の傾向をしっかりと把握することは重要です。
自分の欲求の方向性を探る
オハイオ州立大学のスティーブン・リース教授は、人には16個の基本的欲求があり、そのうち2つか3つに強く反応するそうです。自分の基本的欲求は自己成長の道しるべとなるもので、その欲求に従えば理想の自分に近づけるとのこと。
その16個が、以下の項目です。
「力」「独立」「好奇心」「承認」「秩序」「貯蔵」「誇り」「理想」「交流」「家族」「地位」「競争」「ロマンス」「食」「運動」「安心」
少しわかりにくいのは「貯蔵」かもしれません。これはモノをため込むたけではなく、貯金なども含みます。どうでしょうか? 自分の気になるのがありましたか? 自分の基本的欲求がわかったら、その欲求に関連するものを購入してみたり、勉強してみるのはどうでしょうか? 自分が本当にほしいもの、やりたいものが、そこからみつかるかもしれません。
なりたい動物は?
自分のほしいもの、やりたいものが真正面から浮かばないときには、自分がなりたい動物を思い浮かべるという方法があります。方法は簡単です。
①自分がなりたい動物を一つ選びます。
②その理由を3つ書き出します。
③選んだ理由から自分にとって大切な価値観を考える
では、具体的にかんがえてみましょう。
①ネコ
②「自由さ」「こびない態度」「甘え上手」
③自分のしたいことを押し通す強さや、毅然とした態度なのに、しっかり愛されているところに惹かれている。自由を確保し、思い通り生きたいと欲求が強いのかもしれません。
①ライオン
②「強い」「群れをつくる」「かっこいい」
③リーダーシップを取り、集団で行動することに価値を置いているのかもしれません。
もちろん憧れが前面に出て、現在の自分の姿と合わないと感じることもあるでしょう。しかし憧れるのは、自分が価値を見出している証拠です。そうした理想近づくには、どんな生活を選択すればいいのかを考えてみるといいでしょう。
自分のお葬式を想像する
自分がお葬式を想像するという方法も、本当にほしいもの、やりたいことを見つける一つの方法です。
目をつむり、自分のお葬式を想像してみましょう。
誰に出席してもらいたいのか、どんな挨拶をしてもらいたいのか。自分のどんな功績をたたえられたいのかを考えてみましょう。じっくり考えると、自分の意外な欲求に気づくこともあるでしょう。
ずっと会っていなかった友達に出席してもらいたいとか、仕事よりも趣味のことを誉めてほしいなどなど。
自分が本当に手に入れたいものがわかれば、そのために何をすればいいのかもわかります。時間をかけて生活を変えていくことも可能です。
「何をしたいのかわからない」「何がほしいのかもわからない」といった感情が溢れ、「なんだかつまらない」と感じたら上記の方法を試してみてはいかがでしょうか?
自分の本当の欲求を知るきかっけになるかもしれません。
日々の生活に心理学の知識を活用したいと感じる方は、こちらもご覧ください。
監修:日本産業カウンセラー協会
参考:『本当に欲しいものを知りなさい―究極の自分探しができる16の欲求プロフィール』(スティーブン・リース/角川書店)/『図解 自分をアップデートする 仕事のコツ大全』(金沢悦子/講談社)/『ココロの不思議を読み解く 心理実験室』(渋谷昌三/河出書房新社)