挫けそうになったときにも頑張れる独り言の魔法

独り言の内容を気にしたことがありますか? じつはそのほとんどが自分への激しい非難です。こうした独り言がメンタルヘルスを不安定にしているという指摘もあります。そこで自分を傷つけるような独り言を、自分に有益な独り言に変える方法をまとめました。

  • ポジティブな独り言の推奨も
  • 独り言をポジティブに変える4つのステップ

ポジティブな独り言の推奨も

とても大きな失敗をしたときや、気持ちが暗くなってしまったとき、どんな独り言を発しているのか、試しに聞いてみましょう。「ダメだな」「許せない」「最低だ」などほとんどが、自分を傷つける言葉です。無意識に発していることの多い独り言ですが、じつはこの独り言が気持ちをネガティブにしているという報告もあります。

逆にポジティブな独り言で成功をおさめた人がいることも知られています。

有名なプロゴルファーであるジャスティン・ローズは、「うーん、前よりよくなっている」「悪いパットではなかったな」「順調に進んでいるな」などとつぶやきながらプレーしていたことが知られています。ミスショットをしても落ち込むことが少なく、常に前向きだった理由の一つが、このポジティブな独り言にあるという指摘があります。

ゴルフはメンタルが重要なスポーツとも言われているので、ミスをしても自分を肯定的にとらえる独り言が、プレーの質を上げていたというのはありうる話でしょう。

また経済人のデール・カーネギーも独り言で自分を鼓舞することを推奨しています。毎日のルーティンにすべきだと主張していたそうなので、その効果に自信を持っていたのでしょう。

独り言をポジティブに変える4つのステップ

独り言をポジティブなものに変えるのは、意外に難しいものです。というのも先にも書いた通り、ほとんどの人は自分を責めるようなネガティブな独り言を無意識に発することが多いからです。

そこでネガティブな独り言をポジティブな独り言に変えるように、次の4つのステップを実行してみましょう。

①ネガティブな独り言に気づく
まず最初にすべきことは、自分の独り言に気づくことです。失敗や思い通りにいかない展開ときに、無意識に出る独り言に気づくようにしましょう。自分に失望を感じたとき、少しだけ冷静になって自分の行動を観察してみるといいでしょう。

②「ストップ」と言う
「本当にバカだ」「ダメだ」「使い物にならない」など、自分を傷つける言葉が出たら、「ストップ」と言って自分の言葉を遮りましょう。あえて自分を傷つける必要はありません。

③事実と評価を分ける
自分を攻撃したくなる状況について、事実と評価を分けてみましょう。
例えば仕事に失敗したのは事実でしょう。しかし周りが失望したというのは評価です。そうした評価は自分の思い込みかもしれませんし、そもそも他人がどのように考えているのかは正確にはわかりません。

あるいはプレゼンでミスをしたのは事実ですが、恥ずかしかったというのは自分の評価です。もしかするとミスをしたことが、人間らしく映り高評価につながった可能性もあるのです。

じつは自分を攻撃してしまうことの多くは評価の部分です。しかし評価は自身の思い込みが反映される可能性があることを知っておきましょう。

④自分を励まそう
失敗した事実から何を学び、どうしたいと思っているのかを考えながら、二人称で自分を励ましてみましょう。
「このミスがなければ、あなたはかなりいい内容だった」「経済的な損失にはならなかったのだから、全体としてはあなたの仕事は順調だ」「あなたはもっとできる。大丈夫」などなど。

二人称を使うのは少し違和感があるかもしれませんが、じつは一人称から二人称に変えるだけで、より冷静に自分に声掛けができるようになるそうです。自分の失敗は冷静にとらえられなくても、他人の失敗だとしっかり分析できたといった経験はありませんか? 自分と少しだけ距離置くことで、より的確な声掛けができるようになるそうです。

人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:『DO IT NOW いいから、今すぐやりなさい』(エドウィン・ブリス/ダイヤモンド社)/「7 Ways to Leave Negative Self-Talk Behind」(Margaret Moore/Psychology Today)

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