パンデミックで改めて注目を集める「ヒュッゲ」って、なに?

新型コロナウイルスの外出自粛によって、改めて注目が集まっている「ヒュッゲ」。デンマーク語で「心地よい場所や雰囲気」を指し、その背景には北欧の厳しい自然環境があります。海外でも改めて注目が集まっている「ヒュッゲ」について説明します。

  • 何気ない楽しみの中に
  • 自分の気持ちのままに幸福を
  • 無理をしないおもてなし
  • 「ヒュッゲ」のヒントとは

何気ない楽しみの中に

「ヒュッゲ」という言葉を知っていますか?

デンマーク語で「心地よい場所や雰囲気」を表すもので、日本でも3年ほど前に「ヒュッゲ」に関連する本が何冊も出版されています。

じつは「ヒュッゲ」という言葉は、なかなかうまい訳語が見つからない言葉でもあるようです。というのも「ヒュッゲ」の「心地よさ」は、「精神的な幸福感」や「周りとの一体感」まで含まれるからです。

例えば、しばらく会っていなかった友人とろうそくの明かりでワインを飲むといった時間も「ヒュッゲ」だし、冬の寒い時期に温かい自宅に帰ってきたとき家族が料理の支度をしているのも「ヒュッゲ」なのです。

ちなみにデンマーク人が何と「ヒュッゲ」を結び付けているのかという調査では、トップが「温かい飲み物」、2位「キャンドル」、3位「暖炉」、4位「クリスマス」、5位「ボードゲーム」となっています。

つまり温かな人間関係とゆったりした時間といった、シンプルで何気ない楽しみの中に「ヒュッゲ」は存在しているのです。

自分の気持ちのままに幸福を

国連の幸福度報告書で、デンマークは2013年、2014年、2016年に1位を獲得。2015年は3位、2017年には2位を獲得しています。つまり世界でも非常に幸福度の高い国なのです。しかし自然環境に恵まれているわけではありません。冬の日照時間は7時間ほどで午後4時には日が落ちてしまい、12月から3月までは0度~-1度が平均気温という寒さです。また福祉国家であるデンマークは、消費税や所得税が高額であることも知られています。

こうした環境下で、贅沢をすることなく、自宅を居心地よい空間にし、家族や友人とゆったりとくつろいだ時間を過ごすなど「ヒュッゲ」な生活を志向することで幸福度が高まっているのです。

『HYGGE(ヒュッゲ)北欧生まれの「世界一幸せなライフスタイル」実践法』(ピア・エドバーグ 著/サンマーク出版)は、「ヒュッゲ」のある暮らしを支える精神性に「ヤンテの掟」があると書き、その精神を次のように説明しています。

「ヤンテの掟」とは、「自分は他の人たちより優れているわけではない、自分が特別だと思ってはいけない」という考え方

誰かと比べて「ヒュッゲ」を求めるのではなく、物質的な豊かさに重きを置くわけでもない心地よさが、ヒュッゲのポイントなのでしょう。

端的に言えば、ヒュッゲとは、快適さを見出せない対象をシャットアウトして、安心で安全な場所をつくり、時間をともにしたい仲間とだけ、安らぎのひとときを過ごすこと

ピア・エドバーグ氏は、自分が心に忠実に幸福を目指す姿勢こそが「ヒュッゲ」だと教えてくれています。

あまりヒュッゲの感覚がわからないなという方は、彼が勧める次の方法を試してみてください。

しばし目を閉じて、あなたがまだこどもだったころ、安全で安心していられて、ありのままの自分でいられたころを思い出してください。(『HYGGE(ヒュッゲ) 北欧生まれの「世界一幸せなライフスタイル」実践法』〈サンマーク出版〉)

無理をしないおもてなし

「ヒュッゲ」は一人でも楽しめるものですが、デンマーク人は「何人でヒュッゲをしますか?」という質問に、57%が3~4人と答え、20%が2人と答えています。少人数の友人らと楽しむことが多いようです。

また自宅で「ヒュッゲ」をすることも多いため、自宅に友人を招くことが当たり前のようです。ただ特別なことをする必要はないとのこと。家中を磨き上げる必要もなければ、豪勢な料理を用意する必要もありません。クッキーや紅茶、チーズやワインがあれば十分とのことです。ゲストが手伝いを申し出たときには、喜んで甘えてもいいようです。

ホストがずっと台所に居て休む暇もないといったおもてなしは、「ヒュッゲ」ではないのです。

また、その場の雰囲気によっては会話がなくてもいいそうです。ゆったりと無言の時間を楽しむことも「ヒュッゲ」なのです。

「ヒュッゲ」のヒントとは

最後に「ヒュッゲ」のヒントを書いておきましょう。

まずは、一人で「ヒュッゲ」をするときのお助けセット!

①キャンドル ②良質のチョコレート ③お気に入りのお茶 ④お気に入りの本 ⑤お気に入りの映画、テレビドラマシリーズ ⑥ジャム ⑦はき心地のよいウールソックス ⑧お気に入りの手紙 ⑨温かい上着 ⑩ノート(ヒュッゲな体験を書くため) ⑪すてきなブランケット ⑫紙とペン(感謝の手紙を書くため) ⑬音楽 ⑭フォトアルバム(『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方』〈マイク・ヴァイキング/三笠書房〉)

次に日々の暮らしの中に「ヒュッゲ」を取り入れる工夫を『HYGGE(ヒュッゲ)北欧生まれの「世界一幸せなライフスタイル」実践法』(ピア・エドバーグ 著/サンマーク出版)から抜粋してみましょう。

・ろうそくの灯を囲んだ、こぢんまりとした食事会を友人とひらく
・バスタブにお湯を張り、なめらかな入浴剤を入れてあたたまる。アロマキャンドルやリラックスできる音楽をおともに
・家族と一緒に映画を観る
・日の出、日の入りを眺める
・アフタヌーンティーに出かける
・居心地のよいカフェで1杯のコーヒーを楽しむ
・自分がハッピーな気持ちになれることをリストアップする
・読書クラブを結成する・親友に日常の幼児をつき合ってもらう
・仲間とコテージを借りる

参考:『HYGGE(ヒュッゲ)北欧生まれの「世界一幸せなライフスタイル」実践法』(ピア・エドバーグ 著/サンマーク出版)/『ヒュッゲ 365日「シンプルな幸せ」のつくり方』(マイク・ヴァイキング/三笠書房)

心理学に興味のある方はこちらをご覧ください。

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