孤独だと病気になりやすいといった統計結果を聞いたことがあるかもしれません。日本でも孤独対策が実施され、健康を蝕みかねない孤独を防止しようという動きも強まっています。ただ、大人が友達を作るのは簡単ではないかも……。そんな不安を拭える対策をまとめました。
- 日本は孤独になりやすい
- 大人の友達作りは大変
- 友人が大切だと再認識する
- 友達をつくろうと決意する
- 趣味の集まりやボランティアに参加する
- 昔の友人に連絡を取る
- 親友をつくろうと思わない
- 自分から声をかけてみる
日本は孤独になりやすい
世界と比べても、日本は孤独になりやすい国ではあるようです。
2018年に米国の団体が発表した、孤独に関する日米英の調査では、孤独だと回答した人の中で、10年以上孤独な人の割合は日本が35%。米国が22%、英国が20%なので長期にわたり孤独を抱えている人が、英米よりかなり多いのです。
2018年に英国シンクタンクが発表した統計でも、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の充実度が149ヵ国中、99位。OECD(経済協力開発機構)に加盟する先進国31ヵ国中では30位という結果でした。
「ソーシャル・キャピタル」とは家族以外のネットワークを指すので、どうも日本は家族以外のつながりが希薄だといえそうです。家族と会社を除くと、地域活動もしていないし、ボラティアに出かけるわけでもない。そうしたライフスタイルがつながりの希薄な社会を生んでいるのでしょう。
大人の友達作りは大変
では、大人が友達をつくるのには、どうしたらいいのでしょうか?
これが意外に大変なのです。そもそも日本は「ソーシャル・キャピタル」が弱い社会なので、地域活動やボランティアをしようと思っても難しいことが少なくないからです。
そこで友達をつくるための心理的なポイントを5つ紹介します。
①友人が大切だと再認識する
自分には友人が必要だということを再認識する必要があります。というのも友達づくりの行動は、ともすればどんどん後回しになってしまうからです。仕事が、家族が、疲れがなどなど、言い訳はいくらでも出てきます。
そんなときに自分にとって友人が本当に大切だと思えれば、時間を使ってでも動こうと思えるものです。
②友達をつくろうと決意する
「大げさだな」と、多くの人は思うことでしょう。しかし進学やクラス替えで新しい友人に囲まれる環境を、大人が持っているわけではありません。自然に、何となく暮らしていれば友人ができるという幻想を捨てることが、とても重要になります。
③趣味の集まりやボランティアに参加する
この方法は特に男性に効果的です。というのも男性は面と向かって話すより共通の目的に向かって作業をするほうが円滑なコミュニケーションを取りやすいことが判明し、英国の孤独対策に取り入れられているからです。
それほど会話が得意じゃないと感じるなら、共同で作業ができる取り組みに参加してみましょう。
また人は共通点が多い方が、仲良くなりやすいこともわかっています。同じ趣味であれば、それだけで友人になれる可能性も高まります。
④昔の友人に連絡を取る
仕事に忙しくなると、ライフスタイルの違った昔の友人とは会わなくなることも多いでしょう。しかし友人がほしいと思ったなら、ぜひ昔の友人に連絡を取ってみましょう。昔とは違った形の友情が芽生えるかもしれません。
ただし経済や社会的な地位などを比べるのはやめましょう。仕事などのしがらみのない友人が貴重な存在であることを、改めて思い出してください。
⑤親友をつくろうと思わない
「忙しい合間を縫って会うのだから」といった形で、友人に過大な思いを抱くのはやめましょう。親友である必要もないですし、気が合わない部分があってもいいでしょう。いろんなバックグラウンドを持つ人と、楽しい時間を過ごせることが大切なのですから。
⑥自分から声をかけてみる
積極的に自分から声をかけてみましょう。声をかけることを恥ずかしかったり、断われることを怖かったりという自らの壁を崩してみましょう。コミュニ―ションをする機会が増えれば、声をかけることへの抵抗もだんだん無くなっていくことでしょう。
最初はぎこちないかもしれませんが、それは友達づくりをサボってきた結果でもあります。自ら動いて、そうした過去を一掃しましょう。
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:「12 Ways to Make Friends in Mid-Life and Beyond」(Meg Selig/Psychology Today)